ドラマーがパーカッションを叩く理由
僕は、専門学校の学生の時からパーカッションを始めました。
ドラマーがパーカッションを叩くこと。
興味があったから始めたので、僕の中ではとても自然なことでした。
もくじ
ドラムだけではなくパーカッションも叩く理由
とある、ビジュアル系の団体に所属してるバンドのサポートで、曲中でコンガを叩いた時に、尊敬の目で見られたことはとても嬉しかったのですが……。
ビジュアル系の中で、パーカッションの位置が低かったということがとてもショックでした。
「よく叩けるね(冷たい目で……)」って、対バンのドラマーから言われましたが、僕は即座にいってやりました。
「パーカッション叩けないんだぁ……可哀想だね……」ってね!
アコースティックギターと同じ感覚で
ギタリストがアコースティックギターを弾くように。
キーボーディストがピアノを弾くように。
ベーシストがウッドベースを弾くように。
ドラマーもパーカッションを叩けないと、とても失礼だ!っと僕は教わりました。
僕もその意見には同感です。
今でこそカホンという楽器が市民権を得たので、カホン奏者の人口は増えましたが、ボンゴやコンガは、ドラマーはなかなか手を出しがりません。
良いことが少なくとも3つはあるのにね!
パーカッションのアプローチがドラムセットでできるようになる
ボサノバやサンバに代表されるビートですね。
実際に正しいラテンドラムを演奏できなくても良いのです。
「知る!知ってる!」っということが、とても大事なのです。
ごぐごく簡単に言ってしまうと、スネアで16分音符を叩きながら、バスドラムで4分音符、左足でハイハットを8分ウラを鳴らす。
たったこれだけで、サンバフィールに聞こえてきます。
キチンとしたサンバキックではありませんが、それっぽく聞こえるでしょ?
「ラテンドラム」って聞くと難しそうなイメージがありますが、スネアを叩く行為やシンバルを叩く行為は同じですので、チャレンジしてみてください!
ラテンドラミングの頂点に君臨(くんりん)するオラシオ・エル・ネグロ・エルナンデスは、何をやってるか分析は難しいですが、聞いていて心地良い演奏です。
パーカッショニストとご一緒した時に相互で理解が生まれる
ドラマー的には、8小節目で何かしらのフィルインを入れたくなりますが、パーカッショニストは、8小節目でフィルインを入れてしまうと、ドラマーと重なってしまうため、カキ消されてしまいます。
なので、パーカッショニストは7小節目でフィルインをいれる傾向にあります。
そこを知ってれば重なることもないし、もっと言えば、曲のダイナミクスが打楽器から作ることにもなるのでサウンド全体が「ふくよか」になります。
ドラマーだけで盛り上げるよりも、パーカッショニストと一緒に盛り上げる方が、リズム隊の存在感を出せるわけで知っておかないと損なわけです。
また、それを知らずにフィルを入れてしまうと、パーカッショニストの見せ場を台無しにしてしまいますのでご注意を。
単純に仕事が増える
近年、ドラマーの仕事が減りつつある中で、カホンを叩けるドラマーが増えていることは嬉しい限りです。
それは、おそらくいろんなニーズに応えてのことだと思います。
類に漏れず、僕もそうです。
ただ今のご時世で、カホンが叩けるドラマーはもはや普通です。
ココが、クライアントから目に止まるポイントではないでしょうか?
ドラムしか叩けないとなると、ドラムの仕事しか来ませんが、コンガやボンゴが叩ける!ってことで、オファーも増えると思います。
同時進行で叩けるドラマーもいます!
アレックス・アクーニャの演奏を見た時には、ぶっ飛びましたね。
コンガを鳴らすテクニックも必要ですので、脱帽です……。
聞き慣れたJ-POPにもたくさんパーカッションは入ってます!
サザンオールスターズには、メンバーにパーカッショニスト・毛ガニ(野沢秀行)さんがいます。
僕は、この方がいないとサザンオールスターズが成立しないと思っています。
決して目立つことはないけれども「ない」と物足りない。
よく聞いてみてくださいね!
また、斉藤ノブさんの演奏も見なければなりません。
テレビ東京の「タモリの音楽は世界だ」というクイズ番組で、シンキングタイムの曲が、豪華スタジオミュージシャンの生演奏という、素晴らしい番組でした。
パーカッションの存在感は圧巻です。
ドラムセットに組み込む
手で叩かなきゃダメだ!って、誰が決めたのでしょう?
もちろん、原始的な楽器なので手で叩くことが発祥の楽器ですが、ドラムセットに組み込むだけで表情が一変します。
お手軽な楽器はカウベルやタンバリンですね。
4拍目のスネアをタンバリンにするだけで、オシャレに聞こえたりします。
デイヴ・ウェックルは、ボンゴとジャンベとカウベルを組み込んでオシャレに超絶に演奏してます。
奥深い楽器だからこそ面白い
ピアノは88もの音階があり、それを重ねて和音を作り、多彩な表現ができます。
ドラムセットは、スネア・バスドラ・ハイハット、タム2つとフロアタム1つにシンバル2〜3枚。
コレで音楽を奏でなければなりません。
ティンバレス奏者は、音階の違う太鼓が2つしかありません。
コレで音楽を表現する!
コレって、とても面白いことだと思いませんか?(笑)
テクニカルでなければ!とか、幅広く演奏できなければ!ではなく、限られた楽器を使って音楽を表現する。
そこには、そのプレーヤーの人生が詰まっていると思います。
結局、ドラマーもパーカッショニスト
ドラムセットは、複数の太鼓の集合体です。
それを1人で演奏しなければならないので、結局はパーカッショニストなんです。
でも、なぜ「ドラミスト」って呼ばれないんでしょうね?
英語の問題ですが、楽器の単語にistをつければ、その楽器の演奏者になります。
ギタリスト、ベーシスト、ピアニスト、ボーカリスト、パーカッショニスト……でも、ドラマーだけは、erをつけます。
あっ!トランペット奏者もerですね……(汗)。
詳しくは良く解りませんが、僕の解釈では「特別な存在」って思ってます。
特別な存在なんだから、パーカッションも叩けないとね!
って言うのが、僕の勝手な結論です。
色んな教則本や教則ビデオがありますので、奏法や知識はそちらを参考にして下さい。
叩けば鳴るのが太鼓の醍醐味!
どうぞ、偏見の目で見ずに、触ってみてください。
手で叩く感動が必ずあるはずです。
面白いですよ!
ライタープロフィール
ドラマー
中村"NOBU-san"暢晃
乙女座 AB型 12歳の秋、両親の勧めでドラムを始める。
この頃は、音楽の楽しさが理解出来ず、塾に行く感覚で通い始める。
中学生の頃に課題曲でやった、Suzanne VegaのLukaという曲から、面白さ・凄さを見いだす。
高校生の頃は、多数バンドに参加(ドラマーが僕しか居ないという事態)。
ここでも、ドラムの重要性を痛感する。
高校卒業後、専門学校に入学し、ドラム、ラテンパーカッション、ドラムコー、人間学を学ぶ。
また、この時期に出会ったBlack Musicは、僕の一生を左右するくらいの衝撃の出会いだった。
現在は、POPS、FUNK、ROCK、歌謡曲、演歌、JAZZ、HARD ROCKなどジャンルに納まらないLIVE活動やサポート活動の他、インストラクターとしての顔も持つ。
また、イベント主催やミュージシャンコーディネーター(インスペクター)としても、高い評価を得ている。
演奏サポートやLesson希望の方は、Mailにてお問い合わせ下さい。
ウェブサイト:http://nakamuranobuaki.org