よくわかるアルバムCD制作入門〜スケジュール編〜
「学生の時間あるうちにオリジナルCDを作成したい!」「社会人のバンドだけど、ミニアルバム、フルアルバムCDって作れるのかな?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
その夢を実現するために今回はアマチュアバンドでもできるアルバムCD作成についてのお話です。
もくじ
フルアルバムCDを作るメリット
フルアルバムCDのメリットは「ボリューム感」と「分かりやすさ」ではないでしょうか。
1曲だけ入っているCDより単純に長時間聴いてもらえるために、自然と自分達の音楽を伝えることができます。
現代では様々なメディアが登場し、様々音楽がどんどん身近で聴ける時代です。
音源CDにおいて、1曲だけを何度も聴いてもらうより、10曲を1つの作品としてライブ感覚で体感できるような音楽アルバムが、今求められているのではないでしょうか。
問題なのは制作スケジュールと金銭面
出来上がった曲をたくさんの人に聴いてもらいたい!という想いを実現するためには、どれぐらいのクオリティに仕上げたいのか、どれぐらい時間がかかってしまうか、いつまで作るか、すべては、スケジュールと金銭面のやりくりにかかってきます。
1曲にどのぐらい時間がかかるのか?かけるのか?
コチラでも説明しておりますが、1曲の録音〜最終マスターまで仕上げるまでの平均時間が8時間〜10時間ぐらいです。
作曲するところから始めるとさらに時間は費やされることになります。
かといってそればかりに時間をかけてられませんし、どんどん生み出すことを止めてしまってはモチベーションの維持も低下することにもなりかねません。
アマチュアバンドにとっては、働きながら、学校に行きながらの生活リズムの中で「いかにその時間を抽出できるか」「目標を明確にし作業ができるか」がカギとなってきます。
レコーディングだけではなくプレス期間や告知期間も必要
レコーディングにかかる時間だけではなく、CDジャケットのデザインやCDプレスにかかる時間も必要となります。
ちなみにCDプレス業者に依頼した場合、完成品が届くまで2週間〜1ヶ月程度かかります。
参考:DTPデザイナーが教える!バンド告知フライヤーの作り方
アルバムのリードトラックを先に仕上げるのがコツ
リードトラックとは、最も力を入れている曲、アルバムのイメージを形作る曲、いわば「アルバムの顔となる曲」のことです。
これをきっかけに好きになったアーティストも多く存在するのではないでしょうか。
先にアルバムのリードトラックを仕上げておくことで、MVやPV、試聴など…周辺への告知のスピードを一気に上げる事ができます。
長期間のレコーディングに及ぶ場合は、可能な限りリードトラックからレコーディングしていくことをオススメします。
アルバムCD制作3つのパターン
大きく分けて3つ上げてみます。
パターン1:1年かけて作る
過去レコーディング担当させてもらった中からの例で、1ヶ月に1曲ずつレコーディングを進め、1年かけて10曲のフルアルバムCDを作成した社会人バンドがいました。
毎週でも毎月でも決まった時間にレコーディングスタジオを予約し、進めていくパターンです。
金銭面的にも一気に出費することがないのと、一曲ごとレコーディングに集中できるので、時間がかかっても納得する作品にするためには一番近道な方法かもしれません。
ただ曲がないことにはレコーディングは始められませんので「曲を作っては→レコーディング」のサイクルが止まる事がないように、バンド内で明確な目標を作り、スタートをきるようにしましょう。
パターン2:半年で作る
インディーズバンドやメジャーバンドでは、一番多いパターンかもしれません。
現代では、フェスやイベントなども多くなってきており、より多くの人に聴いてもらえるようにするにはライブ活動は止めるわけにはいきませんので、その合間の中でパート事レコーディングしていきます。
例えば、1月〜2月で10曲分のリズム録音を終えてしまう→3月〜4月でギターやキーボードなどレコーディング→残り2ヶ月でボーカルとミックス・マスタリングといった編集…と言った具合です。
パート事でレコーディングすることで、より効率的になり、ライブ活動の合間は、それぞれのレコーディング活動に重点を置きます。
レコーディングは必ずしもメンバー全員が、スケジュールを揃えなければいけないわけではありません。
なかなかメンバーとスケジュール合わないバンドでもこれなら進めていけます。
ドラムレコーディングはここのスタジオ、ボーカルレコーディングはここのスタジオで…といった具合に、用途やスケジュールに応じて、録音する場所を変えてもいいと思います。
パターン3:1ヶ月で作る
ライブ活動は一旦休止して、レコーディングに専念するパターンです。
多くの人がこちらをイメージされてるかもしれないですが、想像以上にタイトなレコーディングスケジュールとなるため、短期集中型として考えたほうがよいです。
一つの作品として一貫性を持って音源作品を聴かせたいのであれば、こちらがオススメです。
ボーカルやドラムなど体全体を使って演奏するパートは、体調管理が必須となります。
最後に
音源制作スケジュールのイメージはできましたか?
最高のパフォーマンスでレコーディングができるように、自分達のバンドにあったスケジュールを設定、レコーディングスタジオやエンジニアに協力をし、悔いのない作品を目指しましょう。
もし音源制作考えてられる方は、少しでも参考になれば幸いでございます。
応援しております!
ライタープロフィール
スタジオラグ
中尾きんや
スタジオラグスタッフ
ウェブサイト:https://www.studiorag.com
Twitter:kin_kinya