初心者ドラマーが新しい機材を買う時、後悔しないために知っておくべきこととは?
楽器を買うときに、必ず言われるのが「試奏をしてから購入しましょう!」ということ。
しかし、楽器店での試奏には気をつけるべきポイントがあるんです!
それは、試奏室の広さに関係していたって知っていましたか?
生音で勝負するドラムだからこそ知っておきたいポイントを紹介しますね!
もくじ
はじめに
気がつけば世間はすっかり年末年始モード一色に。
そして年末年始といえば……そう臨時収入です。
社会人の方はボーナスがあったり、学生の方はお年玉や冬休みのバイトの給料があるわけです。
もちろんミュージシャンにとっての臨時収入の使い道といえば……楽器の購入となるのは自然なこと。
そして楽器を購入するときにするのが試奏です。
ただこの試奏ですが、「自分のフィーリングに任せて楽しく演奏する」機会ではありません。
フィーリングでいい買い物ができることもありますが、できないこともあります。
そこで今回はドラマーの方に向けて、楽器店での試奏の時に気をつけたいことというテーマでお届けしようと思います。
そうは言っても「楽器はフィーリングでしょ!」と思っている方もいると思います。
たしかにそれはそうなのですが、そのフィーリングを最大限に生かすために知っておきたいことがあるので、今回はとくに楽器を買うという経験が少ないドラマーの方に向けて楽器を試奏する際に知っておくといいことをお伝えします。
一番のポイントは……試奏室は狭いこと!
まず今回一番お伝えしたいことがありまして、それは試奏室は狭い!ということです。
これはどういうことかと言いますと、楽器店には試奏室と呼ばれる試奏をするための小さな防音室があるんですけど、何分地価が高い東京だと楽器店自体の売り場面積も狭いので、当然試奏室も狭いわけです。
ただこの狭さ自体が悪いと言いたいのではなく、狭い部屋で打楽器を叩くと、とてもいい音に聞こえてしまうというカラクリがあるということがポイントなのです。
これは具体的にどういうことか?
例えば、スネアドラムを試奏してみるとします。
そこでお目当のスネアドラムを試奏ブースで叩いて「お、いい音!」と思い購入。
いざスタジオのバンド練習で使ってみると、「あれ、思ったより音量が出ないな……」と思い、さらに部屋が広くなるライブハウスでいざ本番の時には「あれ、スタジオの時よりもさらに音が鳴らないな……」とがっかりしたりしてしまうのです。
反射音に注意!
では一体なぜこのようなことが起きてしまうのか……。
これは決して楽器屋さんサイドのたくらみとかではなく、要は反射音の問題なのです。
つまり人間の耳に聞こえる音は、物を叩いた時に直接出た音と、壁に跳ね返って耳に入る反射音の両方があります。
なので、狭い部屋で打楽器を叩くとこの「反射音」がもろに耳に入ってきます。
このような環境でドラムを叩くと「少しのパワーですごい音が鳴る」ように聞こえてしまうわけなのです。
そして「少しのパワーですごい音が鳴る=いい楽器」という錯覚が起きやすいのです。
結局、試奏は無意味なの?
では試奏はまったく無意味なのか?ということですが、「ある程度の参考にはなるけど、それだけで判断はできない」というのが私の意見です。
なのでここであらためて楽器を選ぶ基準で重要なことを3つリストアップします。
すでに使ったことがある楽器がいい
やはりこれが一番です。
例えば、いつものリハーサルスタジオのレンタル機材であるとか、知り合いが使っていていい音がするからとか。
一応試奏はした方がいいとは思いますが、気休め程度ですね。
演奏した時の反動で選ぶ
先ほど書いたように、試奏室は反射音だらけなので、耳で聴いた音で正確なジャッジはできないと思った方がいいでしょう。
そんな時に頼りになるのが触覚です。
これはスネアドラムなら、叩いた時の腕に感じる感触であり、ペダルだったらバスドラムを鳴らした時の足にかかる感触です。
また体全体に感じる衝撃も頼りになりますね。
触覚については部屋の大きさとかは関係ないので、実際に試奏してみて「これいい!理由はよくわかんないけど」と思うときはこの触覚が自分にフィットしているというのではないでしょうか?
自分の好きなドラマーのモデルという理由で選ばない
これは初心者によくありがちなことだと思いますが、「自分が好きなドラマーのモデルを買う」というもの。
私もかつて失敗したので今言えるんですけど「自分が好きなドラマー」が居るのは大いにいいことなんですけど、そのドラマーとは体格も筋力も同じということはあまりないですし、そもそもそのドラマーのモデルは商品としての廉価版なので実際には同じプロ仕様とも限らないわけなのです。
なので自分が好きなドラマーのモデルはまず買わないほうが賢明かと思いますが……こう書くと夢も希望もないので、逆にいえば「自分がファンでないドラマーのモデルが意外に自分にフィットした!」という可能性もあるということです。
なので、〇〇のモデルだから……という基準で選ばずに、もっと広い視野で選んでみるといいと思いますよ!
終わりに
というわけで今回は試奏について書いてみました。
最後に付け加えるなら、試奏するときはあまり複雑なフレーズは叩かずに簡単なフレーズがいいですね。
年末年始は楽器屋さんもセールをやっていたりするので、新しい楽器で新年を迎えるのもいいですね!
ではでは。
ライタープロフィール
ドラマー
Hazime
ドラム歴20年。
プログレッシヴ・ロックバンドのドラマーやってます。
「セレクトーン」という音楽教室にてドラム講師もやっております。
物理学や心理学をからめてドラムの楽しさを広めていくことをモットーとしています。
ウェブサイト:http://www.drum-lesson.net