【聞いて納得】レコーディング的ビフォーアフター
「ミックスダウンでどんだけ音が変化するの?」
「マスタリング前とマスタリング後は何が違うの?」
レコーディングお考えの方なら気になる方も多いと思います。
今回はなんと、仕上がり前の音源(!)を徹底解剖し、レコーディングエンジニアの録音段階〜最終作業の手順を試聴音源と共に説明していきます!
もくじ
今回レコーディングを担当したエンジニアは、スタジオラグ 阪本大雅
数々の伝説的なレコーディング・セッションや名盤に携わる一方、ミュージシャンとしての経験からバンドマンの気持ちが分かるエンジニアとしてクライアントからの信頼も厚く、ミュージシャンの求める「良い音」を実現するべく日夜、京都のレコーディングスタジオ:スタジオラグに潜伏中。
◎関わった過去作品◎
ばんばひろふみ、ナニワ・エキスプレス、梶原順、須藤満、鶴谷智生、安達久美、岡本博文、ROTTENGRAFFTY、ハンサムケンヤ、REAL REACH、SKULL CANDY、DUFF、The Mayflowers、Vibedred、fulare_pad、Jungle Mic、MOLE HILL、サモナイタチ、Scenarioart、my-Butterfly…他多数
エンジニアの技術
音源を作成する際、録音〜編集、ミックスまでを担当する「レコーディングエンジニア」という存在はレコーディングに欠かせません。
あなたの作った曲の持つ芸術性を最大限引き出すには、最良のパートナーであることには今も昔も変わりありません。
各楽器レコーディング
※今回の編成は、ボーカル、ギター、ベース、ドラムです。
ドラムトラック(ソロ)
効果的なマイキング、位相のチェック、プリアンプのセレクト…などは「録音するエンジニアの手」によって行われます。
ドラム録音には数十本マイクを立て、それぞれの楽器をマルチで録音しバランスを整えていきます。
ベーストラック(ソロ)
ドラムトラックを録音し終えたら、次はベースの録音です。
ベースというのは単体で聞くと地味かもしれませんが、楽曲の音量感やボトムをしっかり支える楽器として、レコーディング時の録り音がすごく大事な楽器です。
ギタートラック(ソロ)
ギターはエレクトリック・アコースティックに限らず、マイク録りが基本なので空気感を捕えるのが難しい楽器の一つです。
曲の展開に応じて、盛り上げる箇所、音を重ねる部分があります。
音色事に録音したものをすべてまとめてます。
ボーカルトラック(ソロ)
楽器をすべて録音し終えると、最後にボーカルパートです。
人の声はコンディションに左右され易いので、ベストテイクを逃さないように録音していきます。
ミックスダウン
ミックスダウンとは録音された各楽器の音質やバランスなどを調整して2トラックマスター(2Mix)を作成することです。
ミックスダウン(音量バランス調整のみの状態、エフェクトなし)
これはラフミックスと呼ばれるもので、まだ録音した音の音量バランスのみの段階です。
この段階では、録音し終えたそれぞれのパートのバランスをとり確認します。
ミックスダウン(バランス調整、エフェクトあり、マスターエフェクトなし)
ここから本格的に音を作り込んで、細かいバランス調整、エクェクトなどを、何度も音を聴きながらミックスしていきます。
聴いてもらうと分かるのですが、録り音だけの状態の時より、各パートの音の輪郭がはっきりし、定位、奥行きなどの空間表現もされていることが分かって頂けると思います。
最終ミックスダウン(マスターエフェクトあり)
ミックスダウン最終行程を終えた状態です。
プリマスタリング
プリマスタリング後
ミックスダウンされた音源の音質、音圧の調整を行うレコーディングでは最終行程です。
ここの作業では各楽器の音質やバランスといった個別の調整はできませんので、作品のクオリティを上げるには当然その前のミックスダウンでいかに追い込んでおくかが重要です。
※試聴できます(再生時の音量注意してください!)
ご協力して頂いた MOLE HILL さん
人が音楽を聴き始めるときに純粋に影響をうけた音楽のような、伝える意思をもって、リスナーが何かを感じとりプラスになる影響を与えられる『伝わる音楽』『伝えるLIVE』を理念に京都を中心に全国で活動中。
歌詞、メロディーを中心に『ファンク』『パワーポップ』などの要素を入れ構築された無駄のない音楽。
力強くも繊細な表情を持つ『アラタ ダイサク』の声。
見るものを圧倒するライブパフォーマンスには定評がある。
オフィシャルウェブサイト http://mole-hill.info/index.html
最後に
マイクでの録り音や、ミックスダウンの技術の一つ一つにレコーディングエンジニアの巧みな技術が必要なことがお分かり頂けたと思います。
ミュージシャンから出てくる「アイデア」や「レコーディングの貴重な時間」と真摯に向き合ってくれるエンジニアと共に作業が進められるのが理想です。
音源制作の際、参考になれば幸いでございます。
最後になりましたが、無理をお願いしたにもかかわらず、快くご協力して頂いた MOLE HILL さん。ありがとうございました!
ライタープロフィール
スタジオラグ
中尾きんや
スタジオラグスタッフ
ウェブサイト:https://www.studiorag.com
Twitter:kin_kinya