楽曲を彩るサウンドエンジニアのミックステクニック
「ただレコーディングするだけではつまらない!」
「音源でしか出来ない効果を出したい!」
今回は、そんな方のためにレコーディングやミックス時に使えるテクニックを数例紹介します。
音源制作のひとアイデアになれば幸いです。
もくじ
楽曲を彩るミックスのやり方、テクニック
ダブリング(Doubling)
同じパートの同じフレーズを2回録音して重ねるのがダブリングと呼ばれるものです。
「他の楽器が重なるとボーカルが薄っぺらい」「ボーカルに安定した存在感が欲しい」などのときに使えるテクニックです。
2回歌うことがシンプルな方法ですが、波形をコピーしてタイミングを微妙に変えてみることでも、同じ旋律の歌が合唱のように重厚なサウンドに仕上げることができます。
ドラムトリガーを使う
ドラムの胴やヘッド、リムなどに取り付けられるピックアップの一種で叩いた振動を電気信号やMIDI信号にして出力し、あえて違う音源を人間のリズムで演奏するといった方法です。
現代ではプラグインソフトも主流です。
メタルなんかで、高速ツーバス(orツインペダル)連打などでは、そもそも超高速で踏むので、ビーター・ストロークは狭くなり、物理的に音量が落ちるはずなのに、極悪なでかくて太い音が出ています。
あれは、実は、ドラムヘッドに、「トリガー」と呼ばれるセンサーを取り付け、打撃したときの振動を信号にして音源モジュールに送り、その音源モジュールから、でかくて太い音を鳴らしているのです。
だから、実は生のドラムはたいして鳴っていません。
物理的にスピードと音量は、本質的に両立不可能なんです。
テクニックである程度カバーできても、現在のメタルのスピードでは、もう電気の力を借りないと爆音は出ません。
https://sites.google.com/site/drumselflearningmovies/chuningu-1/cdno-oto-to-nama-no-oto
リバース演奏
逆再生というのは録音されたサウンドファイルに対してしかできないと思われがちですが、リアルタイム演奏のプラグインやエフェクトでも行うことができます。
ピンポンディレイ(Ping Pong Delay)
LRのディレイタイムを調整して音がピンポンのように左右を飛び交う効果のことです。
ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴いていると気づいてる方も多いのではないでしょうか。
楽器はもちろんボーカルパートにも活かすことで、シンプルなフレーズでも飽きないサウンドを表現できます。
ケロボイス
元々は音程補正を目的としたエフェクトやプラグインパラメーターを、あえて過剰に処理して機械的なサウンドにする効果を狙います。
曲の一部分のボーカルパートなどで効果的に行いたいですね!
レコーディングした音源をサンプル素材として活かす
レコーディングしたフレーズや音源をサンプリングして、ループ素材として使用する方法です。
生っぽさを残しつつも効果音やバックトラックに活かすことでより表現の幅が広がります。
最後に
こういった表現は事前に決め込んでしまうより、レコーディング後のミックスダウンなどの際に、思いつきでやってみても面白いかもしれませんね。
楽器演奏は第一に大切ですが、その中で「音楽を楽しむ」気持ちを忘れないで、レコーディングを楽しんで下さい。
音源アレンジの参考になればと思います。
ライタープロフィール
スタジオラグ
中尾きんや
スタジオラグスタッフ
ウェブサイト:https://www.studiorag.com
Twitter:kin_kinya