なぜ、録音しなくてもオーディオインターフェイスはDTMに必須なのか?
DTMをする場合、一般的に「オーディオインターフェイスは必須」と言われています。
しかし、ボカロ曲を作る場合は入力は使用しません。
なので、私もオーディオインターフェイスを買った方が良いのか悩みながらも、一般的に必須と言われていることもあり、渋々購入しました。
それから4か月が経過し、ふと気になったのでパソコン本体についている出力端子と聴き比べしてみました。
すると、意外なことがわかりました。
出力される音質は変わらない
オーディオインターフェイスとパソコンの端子から音源を再生して聴き比べてみました。
結果は、音質的には全く区別がつきません。
と言うことは、ギターやボーカルなどの音を録音せずにパソコン内だけでDTMをやる場合、オーディオインターフェイスは必須とは言えないのではないか……と、結論付けようとしました。
ところが、調べてみると……。
レイテンシーを比較してみると
音楽制作などのDAW/DTM環境において、音信号やMIDI信号のシステム上の遅延を表現するときにも、レイテンシという言葉は使用される。
パソコン処理により数ミリ秒の信号の遅れが楽器演奏の邪魔となったり、ミックス処理時の音などに影響を与えたりすることから、コンピュータ音楽に取り組むミュージシャンの間では重要視されている。
ところが、こちらの記事にこのように書いてあります。
ただし、このDAWを使う上で、ソフト以外に「オーディオインターフェイス」というハードウエアが必須となる。
オーディオをPCに取り込んだり、あるいは再生するための入出力機材で、一般的にはUSB接続のものが使われる。
「内蔵のサウンド機能ではダメなのか?」、「サウンドカードでも良いのでは?」といった声も聞こえてきそうだが、音質の問題、電気的特性の問題、レイテンシ(音の遅れ)の問題などをトータルに考えると、オーディオインターフェイスは必須と言える。
と言うことで、MIDIキーボードを弾いた時のレイテンシーを比較してみました。
すると、オーディオインターフェイスを使用しないWindows Audioの方が明らかに音が遅れて鳴ってしまうことがわかりました。
レイテンシー比較画像
こちらがオーディオインターフェイスのレイテンシーです。
こちらがWindows Audioのレイテンシーです。
今回の場合「出力レイテンシー」が関係していると思われます。
msはミリ秒、1000分の1秒なので、
- オーディオインターフェイスは0.015秒の遅れ
- Windows Audioは0.32秒の遅れ
と言うことになり、オーディオインターフェイスを使用しないと明らかに遅れて聴こえてしまいます。
「では、レイテンシーの設定を変更すればよいのでは?」と思い、変更しようと試してみましたが、これがWindows Audioの性能のようで変更できませんでした。
ちなみに今回使用したオーディオインターフェイスの型番は「PRESONUS(プレソナス)のAudioBox iTwo」です。
DAWにStudio Oneを使用しているので同じ会社の製品のこちらを選びました。
使用感としては、特に何の不満もなく使用しています。
最近の機種は他に使用したことがないので比較できないのですが、印象としては入力も出力も「そのまま」の音を表現してくれる素直なオーディオインターフェイスだと思います。
最後に
と言うことで、オーディオインターフェイスを使用しないと、MIDIキーボードを弾いたときに音が遅延してしまい、快適に作業を行うことができません。
なので、出力しか使わないボカロ曲作りの場合でも、オーディオインターフェイスは必須と言わざるを得ないのかもしれません。
ライタープロフィール
DTMer
わんだー
ボカロPを目指してDTMを開始。
ニコニコ動画へのオリジナル曲アップロードを目指して日々奮闘中。
サイトではDTM機材や関連書籍のレビュー、曲の制作状況などを書いております。
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