【ドラム初心者のための】下半身を安定させよう!
高校生のイベントの審査員をさせてもらった経験からの話になりますが、最近の高校生のうまさと言ったら、目を見張るものがあります。
考えてみればメディアがこれだけ発達しているので、情報量が多いのは言うまでもないのですが、かつては、レコードやライブ会場、ラジオからでしか情報を得られなかった時代もありました。
そしてテレビが出てきて、それまで耳だけの情報から目からも情報が入るようになり、記録媒体も増え、現代ではインターネットで動画として見ることができたり、手軽に持ち運びができる時代です。
その中で、ぜひ注目してもらいたいドラマーの部分があるので、今回は紹介したいと思います。
もくじ
ドラム演奏時に上半身に頼り過ぎでは?
若い頃は、どうしても派手な事が好きになりますよね。
僕も20年前はそうでした(笑)。
そこで、どうしても目が行ってしまうのは、上半身のテクニック。
今の学生さん達は、とても上手いですよ。
感心するくらいに。
でも、何となく説得力に欠ける部分がありまして……
何なんだろうと考えた時に、下半身の安定感だ!っと気付いたのです。
オシャレは足元から
名だたるドラマーの動画を見る機会があると思いますが、上半身に目を向けず、下半身に目を向けてみてください。
バスドラムのフレーズからでも良いです。
そこから、
- イスの座り位置や高さ
- 尻と腰
に注目してみてください。
恐ろしく安定しているのが分かって頂けると思います。
体重の重い軽いではなく、イスの高い低いではなく、見た感じの姿勢などでわかると思います。
バスドラムだけでその曲が表現できるか?
バスドラムの正確さ、音量、音質などを気にされてる若いドラマーがどれだけいるのでしょうか?
足って、腕や手先よりも器用に動かないですよね?
家を建てるときの土台と同じで、その土台がしっかりしていないと、どんなに立派な家を建てても、すぐに崩れてしまいます。
ドラム演奏も同じです。
どんだけ手が速く動いても、下半身でしっかり支えきれないと、華麗なスティックワークが光りません。
結果、ビートに戻れずに「フィルインが走ってる or モタっている」っと勘違いされます。
もちろん、フィルインが揺れる原因は、腕や指先のコントロールにも原因があるかもしれませんが、腰から下の落ち着き→左足のゴーストモーション(テンポを取る)を丁寧にやっていれば、ある程度は軽減できます。
バスドラムの音符の長さを感じる
通常、バスドラムには毛布などの詰め物がされていて、音符の長さを感じにくいですよね?
おそらく、全てが「ドッ」っとしか踏めてないと思います。
そこで、注目すべきはベーシストなのです。
ベースがどんな風にその曲を感じているか?ココがミソになるでしょう。
長い音符で弾いている場合もあるし、短い音符で弾いている場合もあります。
ベースが「ドーーン」って弾いているのに、バスドラムが「ドッ」だと、タイミングは一緒でも、扱っている音符が違うので、フィットしません。
いわゆる「何かシックリ来ない」の原因の1つです。
ベースが「ドーーン」って弾いているならば、バスドラムも「ドーーン」っと「感じること」が大切です。
バラードなどのゆっくりなテンポの曲やミディアムテンポの曲を演る時に、この手法は有効打の1つです。
速いテンポの場合は?
速くなってしまったり、遅くなってしまう原因の1つが、バスドラムの安定感です。
そのテンポで揺るぎなくバスドラムを踏めていますか?
おざなりで踏んでいませんか?
バンドスコアを手にしている時に陥りやすいのが、フレーズばかりに気が行って、肝心のフットワークがおろそかになる事です。
どんな曲でも、フィルインの練習をする前に、フットワークの練習を先にやってみてください。
そして、その曲が持っているノリ(いわゆるグルーヴ)が、フットワークだけで出せていれば、フィルインがどうであれ揺るぎないビートに変化します。
ドラムはボディビルと似ている
上半身はムキムキなのに、下半身がもやしっ子って人は居ないですよね?
利き腕だけでもダメだし、手がどんだけ速く動いても、足がモタモタしてたら、意味がありません。
四肢を使ってコントロールする楽器がドラムです。
お客さんやバンドメンバーは、ドラムの何を感じているのか?
そこをじっくり考えてみると、自ずと答えは見えてくると思います。
目からの情報だけでなく耳からも情報を大切に
ライブでは、足元は見えませんよね?
教則ビデオ(古い言い方ですが 笑)や動画でも、あまり映っていません。
「心地良い演奏だな!」って曲が、耳を通って脳に入った瞬間に「どんな風に叩いてるんだろう?」って想像して、いろんな曲を聴いてみてください。
耳からの情報をないがしろにせず、しっかりと耳も鍛えましょう!
耳が鍛えられれば、自分のフットワークにも気づくと思います。
そして、手のフレーズにも耳が行くようになります。
見てくれの派手さだけで、フットワークを疎かにすると、ドラムセット単体でアンサンブル出来ていない事となり、その答えは「安定感が無い」っていう判断にされてしまいます。
1人で複数の楽器を操らなければならないパートですので、大変かとは思いますが、うまくいった時の喜びは一入(ひとしお)です。
ドッシリしたビート感が出せるように、頑張ってください!
ライタープロフィール
ドラマー
中村"NOBU-san"暢晃
乙女座 AB型 12歳の秋、両親の勧めでドラムを始める。
この頃は、音楽の楽しさが理解出来ず、塾に行く感覚で通い始める。
中学生の頃に課題曲でやった、Suzanne VegaのLukaという曲から、面白さ・凄さを見いだす。
高校生の頃は、多数バンドに参加(ドラマーが僕しか居ないという事態)。
ここでも、ドラムの重要性を痛感する。
高校卒業後、専門学校に入学し、ドラム、ラテンパーカッション、ドラムコー、人間学を学ぶ。
また、この時期に出会ったBlack Musicは、僕の一生を左右するくらいの衝撃の出会いだった。
現在は、POPS、FUNK、ROCK、歌謡曲、演歌、JAZZ、HARD ROCKなどジャンルに納まらないLIVE活動やサポート活動の他、インストラクターとしての顔も持つ。
また、イベント主催やミュージシャンコーディネーター(インスペクター)としても、高い評価を得ている。
演奏サポートやLesson希望の方は、Mailにてお問い合わせ下さい。
ウェブサイト:http://nakamuranobuaki.org