サックスを始めたい!知っておきたい5つの基礎知識
キラキラと輝き、セクシーにうねったシルエットに伸びやかで温もりのある音色。
サックスに憧れてしまう、その気持ち、わかります!わかりますよ!
中学生時代の筆者も、そんなサックスにうっとり憧れて「始めよう!」と心に決めました。
まずはこの5つの基礎知識をチェックして「憧れ」を「リアル」に。
実際にステージに立って演奏する高揚感は何物にも代えがたい、まさにプライスレス。
より豊かなサックスライフの一助としていただけたら幸いです。
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サックスさんが作ったからサックスなのです
サックスはベルギー人のアドルフ・サックスさんによって考案された発明品。
1846年に特許も取得しています。
本来の楽器名はsaxophoneとつづられ、サクソフォーンとかサキソフォーンとか呼ばれていますが、サックスと略されることが多いです。
ちなみにサックスさんは、ベルギー政府発行の200フラン紙幣の肖像に採用されていたこともあるそう。
ちなみにサックスが生まれた19世紀半ばというと、クラシックの歴史の中ではかなり新しい時代(ロマン派後期)。
現代も人気があるモーツアルトやベートーベンなど、多くのロマン派以前の作曲家はサックスを知らぬまま世を去っています。
ですからオーケストラの編成にサックスが加わることは多くありません。
もう少し早く発明されていれば、大作曲家の名曲の数々がもっとたくさん残されたはず。(うーん、残念!)
サックスって木管楽器?金管楽器?
楽器本体は真鍮(ブラス)製なので金管楽器と思われがちですが、サックスはれっきとした木管楽器です。
そもそも金管・木管の区別は、楽器の材質ではなく振動体で決められます。
唇を振動させて音を出す楽器は金管楽器と分類します。
サックスはクラリネットなどと同じように、唇ではなく葦(あし)製のリードを振動させるので木管楽器です。
ちなみに、そのリードが音色に非常に大きく影響するので、各社から様々なリードが販売されています。
最近ではプラスチック製のリードの品質も向上しています。
サックスは意外に簡単!?
あなたも小学校や中学校でリコーダー、習いましたよね?
サックスはそのリコーダーの指使いにそっくりなのです。
「習ったのはずっと昔すぎて忘れた」って方もご安心を。
サックスは発明されただけあってとても合理的に作られています。
指使いだけでなく、音を出すのも、他の木管楽器と比べてもやさしいと思います。
体験レッスンにお越しになられて、2オクターブ(サックスの音域は2オクターブ半)出せる方も珍しくありません。
ただし、美しい音色を習得するには時間がかかりますので、良い指導者のもとで根気よく練習するのがおすすめ。
「千里の道も一歩から」「ローマは一日にして成らず」です。
まずは無料体験レッスンをやっている教室に行ってみてはいかがでしょう?
バラエティ豊かなサックスたち
ソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バス、コントラバス(左から順に高音→低音)と、実に7種類のサックスがあるんです(諸説あり)。
これらのサックスを駆使すれば、オーケストラのように壮大な演奏だってできちゃいます。
ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4本で弦楽四重奏ならぬサックス四重奏も実現が可能です。
実はどのサックスも指使いはあまり変わらないので、多くのサックスプレイヤーはソプラノとテナーとか、アルトとバリトンとか、複数のサックスを持ち替えながら演奏することも多いです。
始めるならアルトかテナーがオススメ
一般的に目にする機会が多いのはアルトサックスとテナーサックスだと思います。
楽器の大きさも適度(アルトよりテナーの方が一回り大きい)ですし、演奏しやすいので、サックスを始めるならこのどちらかが良いと思います。
ソプラノサックス、バリトンサックスも、比較的目にしますが、アルトやテナーに比べると高価ですし、演奏技術もやや難しいですので、ソプラノやバリトンは次に学ぶサックスとするのが良いと思います。
クラシック界では、アルトサックスのために書かれた曲が多く、音楽大学の入学試験も普通、アルトサックスで行われます。
吹奏楽でもアルトサックスに、目立ついわゆる「オイシイ旋律」が与えられることも多い花形です。
ジャズではモダンジャズの開祖とも言える、チャーリー・パーカーの華麗なアルトが、今も色褪せることなく世界中のジャズファンを魅了し続けています。
チャーリー・パーカー(アルト)とコールマンス・ホーキンス(テナー)の珍しい動画です。
イスに座って二番目に吹くのがパーカーです。
ポップスからも1曲ご紹介します。
「ビリー・ジョエル:素顔のままで」フィル・ウッズのアルトソロがあまりにも有名。
一方、テナーサックスが最も輝くのは何と言ってもジャズ。
ジャズ・サックスプレイヤーと言えば、レスター・ヤング、スタン・ゲッツ、ソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン、マイケル・ブレッカーなど、テナーの名手がずらり。
「ソニー・ロリンズ:セント・トーマス」ロリンズの代表作。
力強いソロが魅力。
「A.C.ジョビン:イパネマの娘」1:30位からスタン・ゲッツのセクシーなソロ。
https://youtu.be/UJkxFhFRFDA?t=1m28s
艶のある美しい音色と機敏な運動性が魅力のアルトサックス。
太くあたたかく、陰影のある音色でムードと迫力満点のテナーサックス。
あなたのお好みはどちらですか?
決めかねる場合は、まずお気に入りのプレイヤーを探してみてはいかがでしょう?
以上、いかがでしたか。
楽器の演奏ができるようになると、今まで何気なく聴いていた音楽も違って聴こえてくるはず。
ぜひ、サックスを手にし、末長く愛してやってください。
ライタープロフィール
サックスのプロ奏者
平井尚之
愛知県一宮市出身、在住。
高校で入部した吹奏楽部でサックスを手にし、その後亀井明良、小串俊寿の各氏に師事し、洗足学園音楽大学に進学。
大学在学中は冨岡和男、大和田雅洋の各氏に師事し、クラシックスタイルの演奏を学ぶ。
大学卒業後、ジャズサックスを、大森明、土岐英史の各氏に師事。
現在はジャズコンボやビッグバンドのほか、吹奏楽やサックス四重奏といった編成などでも演奏活動を展開。
また、わかりやすく、楽しく、をモットーとした大好評のアドリブ講座を各地で開催中。