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津軽三味線を始めよう!楽器の選び方と必要なもの

津軽三味線という楽器の知識を少しは理解して「さぁ津軽三味線を始めよう!」と思われた方、さてどうやって楽器を購入すれば良いのか、選んだらいいのかでお悩みの方もおられるのではないでしょうか。

津軽三味線の選び方と必要な道具について説明したいと思います。

付属品について

三味線本体の話はしましたが、三味線を弾くにあたって必要な付属品が結構必要です。

三味線屋さんでは必要最小限の付属品しか付けてくれなかったり、逆に不要な物を買わせられたりとかいう話をよく聞きますので、参考までに必要な付属品を紹介します。

付属品は通販やオークションで買い求めても問題ないと思います。

撥(ばち)

三味線を弾くのには当然必要な物です。

津軽三味線を弾くのに用いる一般的な撥は、プラスチック台(持ち手)で、先が鼈甲(べっこう)のものです。

津軽三味線は激しく糸を叩くので、民謡のようなプラスチック製のものだと強度が足りません。そこで糸を弾く部分は強度にすぐれた鼈甲でできているものを使います。

高価なものになると、台(持ち手)が水牛製だったり、象牙(ぞうげ)製だったりします。

プラスチックのものと比べて汗などで滑りにくいという利点があります。

重さは軽い物で140グラムから思い物で180グラムぐらいのものが良く使われています。

撥は決して鼈甲の模様だけで選ばないで、自分で手にとって堅さや厚さ重さを確認して、できれば弾いてみてしっくりくる物を選んだ方が良いでしょう。

写真はプラ台撥と水牛台撥です。

プラ台撥、水牛台撥

駒(こま)

ギターで言うところのブリッジです。

津軽三味線で使うのは主に竹製で、糸が乗るところを象牙(ぞうげ)や鼈甲(べっこう)で作った物が一般的です。

高さがいろいろありますので、先生にたずねて一般的な高さの物を選ぶと良いでしょう。

流派によっても違いますし、独奏か唄づけかでも違ってきます。

これについてはそのうちに詳しく書きたいと思います。

駒のケースもいろいろ市販されていますので、こっそりおしゃれしてみましょう。

三味線の駒(こま)、象牙三味線の駒(こま)、べっ甲

指スリ

糸を押さえる左手に付けて、棹と手が触れないようにして滑りやすくするための物です。

民謡などでは小さい物を使いますが、津軽三味線の場合はやや広めの物を使います。

ご自分で編んで使ってる方もいらっしゃいます。

いろんなサイズ、色の物が市販されていますので、お好みの物を複数持っていると良いでしょう。意外と紛失したり行方不明になったりしますので……。

指スリ 津軽三味線用と民謡用

津軽三味線 指スリ津軽三味線 指スリ

音緒(ねお)

糸を留める部品で、正絹(しょうけん)の紐を組んで作ってあります。

民謡用、津軽三味線用とありますが、私は民謡用の音緒を使っています。

何年もずっと使い続けている方がいらっしゃいますが、糸を掛ける部分がやわらかくなったり糸がほぐれてきたりしたら取り換えましょう。

音緒も消耗品です。

最近では「ハード音緒」と称して、樹脂製の物も市販されています。

私も使用してみましたが、確かに音の輪郭がはっきり出て良いのですが、糸の結び方というか処理の仕方が多少面倒かなと思いました。

試しに使ってみるのも良いと思います。

津軽三味線 音緒、ハード音緒

三味線を購入すると当然糸は付属してくると思いますが、糸には太さでいくつも種類があります。

糸の太さは流派によって違いますので、まずはその教室指定の太さの糸を買い求めてください。

上達してくると、自分のスタイルで太さを変えたりするのも良いと思います。

津軽三味線の標準的な糸の太さ(流派や教室によって違う)です。

ちなみに私は、一の糸30、二の糸15、三の糸15で使ってます。

二の糸は、テトロンのものもありますが、できれば絹糸を使いましょう。

音やタッチが絹糸と違う上に、撥先が減りやすいとか上場(棹の糸が張ってある面)も減りやすいとか言われています。

糸各種

胴掛け(どうかけ)

これも、三味線を購入すると付属してくると思います。

民謡や長唄の場合は、右手の肘の先の方を固定して演奏するので、滑らない(もしくは滑り止めの付いている)胴掛けを使いますが、津軽三味線の場合は逆に滑らないといけないので(理由は次回に書きます)ツルツルの滑りやすい胴掛けを使います。

いろんな種類の物、1点物の物などいろんな胴掛けが市販されていますので、自分の好みの胴掛けを付けると良いと思います。

天神キャップ(天神袋ともいう)と同じデザインでセットになっている物も多いです。

津軽三味線で唯一自分で好きにおしゃれできる部分ですから、楽しみましょう。

胴掛け・天神キャップ

津軽三味線 胴掛け・天神キャップ津軽三味線 胴掛け・天神キャップ

調子笛・チューナー

三味線の調弦をするのに、以前は調子笛を使うことがごく一般的でした。

10年ほど前からはチューナーを使って調弦する人が徐々に増えてきて、最近ではギター用のクリップチューナーが主流になってきています。

音感の良い人なら調子笛でも問題ありませんが、目視で確認できるチューナーに勝る物はないと思います。

ただ、かたくなにチューナーを使いたがらない先生も多くいらっしゃいますので、教室の方針に従って購入してください。

調子笛

三味線用 調子笛

チューナー

チューナー

クリップチューナー

クリップチューナーワイヤレスチューナー

ワイヤレスチューナー

撥皮(ばちかわ)

三味線を購入すると既に皮に貼り付けてあると思います。

撥がいつも同じところに当たるとその部分がささくれたり薄くなったりするので、その保護のために張ります。シールになっているものが使いやすいです。

皺が寄ったり破れたりすると張り替えた方が良いでしょう。

この撥皮を張ると音が劣化すると言って、音にこだわって張らない人もいらっしゃいます。

撥皮シール

三味線 撥皮シール