Cubase(キューベース)で使えるテクニック10選
今回はドイツ産DAW「Cubase(キューベース)」の概要と、実践的なテクニックをご紹介します。
ぜひあなたの音楽制作に役立ててください!
もくじ
Cubase(キューベース)について
Cubaseは、1989年に発売されたドイツのSteinberg社が開発のDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)です。
FL StudioやAbleton Liveのようにダンスミュージックにめっぽう強いというわけではなく、またLogic Proのような、とっつきやすいユーザーインターフェースというわけでもありませんが、レコーディングからオーディオ・MIDIの編集、ミックスダウンまで、どの段階においても高い次元でまとまっています。
また個人的には、現行のバージョン(8.5.20)は操作がかなり安定している印象です。
なお、Cubaseシリーズには3種類のグレードが存在し(バンドル版は除く)、価格の高い順にCubase Pro、Cubase Artist、Cubase Elementsとなっています。
ちなみに、はじめてのCubaseは「Cubase 1.0 Atari」というバージョンで、Atari 520STやAtari 1040STなどのコンピューター向けのソフトでした(もともとはCubeatやCubitという名前だったのが、商標権的な問題から名前が変わったようです)。
Cubaseの画面構成・見方
プロジェクトウィンドウは主に3つの画面から構成されています。
- インスペクター:選択したトラックのパラメータ表示
- トラックリスト:オーディオトラックやインストゥルメントトラックなどのリスト
- イベントディスプレイ:オーディオデータやMIDIデータなどが、左から順に時系列で並んだもの
打ち込みでの曲作りの方法としては、まず2の空欄部分を右クリックしてインストゥルメント・トラックを新しく作成し、次に3でMIDIデータを記録・編集し、それから1でトラックのボリュームやパン、エフェクトなどを操作し、そしてまた次のトラックを新しく作り、といった感じです。
Cubase(キューベース)で使えるテクニック10選
テクニック1:選択チャンネルのリンク機能
では、いよいよ実践的なCubaseのテクニックを紹介していきましょう!
まずはトラックのリンク機能から。
Cubaseのミキサー画面(=MixConsole)はこのようになっています。
左から順にトラックが並んでいますね。
ここで、複数のトラックを選択してトラックをリンクさせると、ひとつのトラックに行った変更を、他のリンクされたトラックでも一気に反映できます。
手順は簡単で、トラックの上で右クリックし「選択チャンネルをリンク」をクリックすると次のような画面が表示されるので、リンクしたいパラメータを選択してOKボタンを押し、後はそのパラメータを操作するだけですね。
私はよく全トラックのフェーダーを下げるのに使っています。
テクニック2:ミキサー画面からVSTインストゥルメントへのショートカット
「M」「S」などが並んでいる部分について。
普通に「E」を左クリックすると、インサートやチャンネルストリップなどのチャンネル設定ウィンドウが開きますが、実は長押しでVSTインストゥルメント画面が開きます。
いちいちプロジェクトウィンドウに戻らなくてもいいので一手間省けます。
テクニック3:パンのバイパス
インサートやセンドだけでなく、PAN(パン)もバイパス(一時的にセンター化)が可能です。
ミキサー画面でパンポットの上にマウスを持っていくと、左右にアイコンが表示されるので、そのまま左のアイコンをクリック。
するとPANがセンターにあるのと同じ状態です。
ほかの人に曲のパラデータを渡すときに便利そうですね。
テクニック4:ステレオコンバインパン
テクニック3の続き。
ちなみに右のアイコンをクリックすると、デフォルトの「ステレオバランスパン」から「ステレオコンバインパン」に変わります。
これで、左右の定位のほかにステレオ感も操作できます。これは超便利です。
テクニック5:情報ライン
プロジェクトウィンドウの上側に、選択したイベントについての情報が表示されます。
実はここで、選択イベントの開始位置やフェードイン、フェードアウトの長さなどの微調整が可能です!
テクニック6:Ctrl + 左クリック
パラメータの上で、Ctrlキーを押しながら左クリックすると、パラメータがデフォルト(多くは0)に戻ります。
ボリュームなら0dB、パンならC(=センター)ですね。
ちなみに、インサートエフェクトのミュートを切り替えるスイッチでこれを行うと、プラグインエフェクトの全解除ができます。
お試しあれ。
テクニック7:トラックの色分け
カラフルなほうが、触っていて楽しいですよね。
ブラスは黄色、ストリングスは茶色、みたいにしています。
テクニック8:アルゴリズムの変更
オーディオイベントを選択した状態で、情報ラインの右端から、タイムストレッチやピッチシフトのアルゴリズムを変更できます。
デフォルトは「elasitque Pro – Time」ですが、音色の変化が激しい場合、「elasitque Pro – Formant Time」にすると音質の変化を抑えられる場合があります。
また、個人的に好きなのは「elasitque Pro – Tape」です。これは、テープの回転速度を変えるときのように、オーディオイベントの長さを伸ばすと「ピッチが低くなる」というものです。
これで逆にピッチを高くした時の質感が好きなんですよね。
テクニック9:編集履歴(いわゆるヒストリー機能)
Cubaseは、他のWindowsアプリケーションと同じくCtrl+Zで一つ前の状態に戻せますが(戻しをキャンセルしたい場合はCtrl+Shift+Z)、キーボードを用いずにマウスでも操作ができます。
それがこの編集履歴機能です。
操作履歴を表示できるのはいいですね!
テクニック10:オートメーションのカーブを滑らかにする
デフォルトでは、メモリ節約のため書き込んだオートメーションは簡略化されてしまいますが、これをもっと滑らかにする方法。
オートメーションパネルから行います。
詳しくはYAMAHAのサイトをご覧ください。
最後に
いかがだったでしょうか?
Cubaseには他にも便利な機能がたくさんあるので、ぜひ探してみてください!
ライタープロフィール
トラックメーカー・DTMer
Snowdrop
関西を拠点に活動している若手トラックメーカー。
インディーズアーティストやアイドルグループなどへの楽曲提供後、現在はR&B/Hip Hopの制作がほとんどを占める。
West Coast Hip Hopから最新のTrapまで幅広く対応し、これまで15組以上のアーティストにトラック提供歴あり。
トラック制作依頼お待ちしています。
SoundCloud:
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ウェブサイト:http://snowdrop.main.jp
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