コードの転調で使えるテクニック。サブドミナントマイナーとは?
今回はサブドミナントに関する業(わざ)をご紹介します。
以前の記事を復習してから、読み進めるとより理解できると思います。
サブドミナントマイナー
サブドミナントマイナーとは「長調の曲において、同主調のサブドミナント和音を使うことができる」ということです。
つまりCメジャーの曲でもCマイナーのII、IV、VIが使えるということです。
Cマイナーのダイアトニックコードはこちら。
ここでは、Dm7(♭5)、Fm7、A♭△7をCメジャーで使えることになります。
いくつか響きを確認してみましょう。
C→Fm→C
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C→Dm7(♭5)→G7→C
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など使い方はさまざまです。
このサブドミナントマイナーを使って転調の幅を広げることができます。
例えば、C→G→A♭でA♭メジャーに転調したり、C→Fm→B♭m→C7→FでFメジャーに転調したりできます。
ぜひ活用できるようにしましょう。
その他のサブドミナントマイナー
サブドミナントの和音であるII、IV、VIの他にサブドミナントマイナーとして使えるコードがあります。
それは「♭IIM7」と「♭VII7」です。
Cメジャーにおける「♭IIM7」はD♭M7、そして「♭VII7」はB♭7になります。
なぜこれらがサブドミナントマイナーとして使えるのかというと、こちらをご覧下さい。
IVの和音であるFm7とこれら2つの和音は共通する音が2つ以上あります。
代理コードは主要三和音と共通する音が2つ以上あることが条件でしたので、この条件に当てはまります。
また♭VII7に関しては、♭VIIで使われることがあります。
使用例
では、サブドミナントマイナーが実際にどのように使われているのか見てみましょう。
スーパーマリオブラザーズ ゴール時(7:45〜)
ご存じあのスーパーマリオブラザーズで面をクリアした際に鳴るあの音楽。
コード進行が、C→A♭→B♭→Cという進行です。
あんなに耳に残る音楽なのに、なかなか作曲技巧を使った音楽ですよね。
そして歌ではビートルズがかなりサブドミナントマイナー使っています。
Help!
0:40~のコード進行が、A→C#m→F#m→D→G→Aという進行です。
キーはAメジャーでGがサブドミナントマイナーになります。
その他はすべてダイアトニックコードです。
A Hard Day’s Night
Fadd9/D→G→Cadd9→G→F→G、イントロのコードが印象的なこの曲。
最初のコードは色々な意見がありますが、私はFadd9/Dだと思っています(G7sus4/Dという意見もあるみたいですが)。
キーはGメジャーでFがサブドミナントマイナーになります。
In My Life
0:10~から、A→E→F#m→A7→D→Dm→A、キーはAでDmがサブドミナントマイナーをになります。
そしてA7はDに対するセカンダリードミナントになります。
これ以外にもたくさんありますが、その紹介はまた別の機会に。
最後に
私が例を紹介する場合、なんとなくビートルズの曲を紹介することが多いと思います。
理由は単純に好き、ということもありますが、理論と曲を結びつけるにはうってつけなのです。
ぜひこの機会にビートルズを知っていただければと思います。
話はそれましたが、サブドミナントマイナーは以上です。
難しくはないと思いますので、ぜひ使ってみてください。
ライタープロフィール
キーボーディスト
佐々木祐
北海道札幌市出身。
19歳の時に専門学校に入学し、音楽理論などを2年間学ぶ。
キーボーディストとしても活動しております。
こちらの方で音楽理論の記事を作っていました。
ウェブサイト:http://mrpianoman0620.blogspot.jp
Twitter:sasasa_maegami