聴き慣れたギターコードを新しい響きに変える方法
こんにちは。
ジャズギタリストの中根です。
今日は普段使用しているコードの音をひとつ変えて、いつもと違った響きを作るアイデアを紹介したいと思います。
まずはこちらのコードを弾いてみてください。
もくじ
FMaj7のコードを基本にさまざまな響きを見つける
ベーシックなコードとしてよく使用される「FMaj7」のコードです。
「酒とバラの日々」や「I’ll close my eyes」といった曲の最初に弾かれることも多いかと思います。
このコードの音をひとつ変えてさまざまな響きを見つけてみましょう。
まずは4弦の「5度」の音を変えてみましょう
「5度」の音を半音下げて「#11」にしました。
「#11」は不思議な響きをさせる音で現代のジャズにはなくてはならない音のひとつです。
半音上げて「#5」にしてみました。
こちらも不思議な音のひとつですが、少し不穏な印象がするかと思います。
さらに半音上げて「6(13)」にしました。
ここまで来ると5弦のルートを押さえるのは大変なので、それを除いた3音で押さえることが多いです。
「6度と7度」の2度音程が含まれていて良い響きですね。
続いて3弦を変えてみましょう
7度から6度に変化させました。
こちらもルートを押さえるのが大変であれば除いて構いません。
「2度と3度」の2度音程が含まれていて良い響きですね。
押さえるのは少し大変ですが……。
続いて5弦のルートも変えてみましょう
「R」を半音下げて「7度」にしました。
3弦にも7度がありダブってしまうのでこちらは半音上げて「R」にしました。
「2(9)度」にしてみました。
一番下にテンションが来るとFMaj7と少し離れた響きになりますね。
最後に2弦の音を変えてみましょう
「2(9)度」になりました。
Fのルートの上に「Cトライアド」が乗って良い響きですね。
「#11」にしました。
4弦の5度と同時に弾くと不協和音なのがわかると思います。
そのため、すこし濁った響きですね。
最後に
いかがでしょうか?
普段と違う響きが楽しめると思います。
皆さんいつも使用しているコードがあると思います。
それを一音変えて研究してみてください。
ライタープロフィール
ジャズギタリスト
中根一城
高校生の頃よりギターを始め、ジャズに興味を持ち洗足学園音楽大学ジャズコースに入学。
道下和彦氏にジャズギターを師事する。
その他、音楽理論、ビッグバンドアレンジ法などを学ぶ。
卒業後は自身のバンドでドリカム主宰のレーベルDCT Recordsよりコンピレーションアルバム「DCT Pizza」を発売。
ドリカムワンダーランドの前夜祭ライブとして全国ツアーを行う。
同時に宮之上ジャズギター教室にて宮之上貴昭氏に師事し、現在は同教室の講師を務める。
大森LaLa Music Schoolでも講師を務め常に40名以上の生徒さんを担当。
2012年ジャズユニットwhispers_trioでアルバム「Tones For You」を発売。
2015年ギター教則本「Jazz Guitar Method」を制作。
2017年アルバム「The Art of Rolling」発売。
ライブ活動の他、講師業や音源制作などで活動中。
ウェブサイト:http://nakane-guitarlist.wix.com/kazushiro-nakane