声素材1種類で広がりのあるウーアーコーラスを作るためのDTMテクニック
コーラスにはボーカルに合わせるいわゆる「ハモり」と、「ウー」とか「アー」とかでうっすら鳴る「ウーアーコーラス」の大きく2種類があります。
今回は後者の作り方について。
作り方
録音素材の編集はめんどくさいもの。
特にボーカルのピッチ編集のめんどくささはひとしおです。
というわけで今回は1種類の音素材で拡張しながら作ってみます。
素材が1種類なら編集も1回で済みます。
元素材
ピッチ編集も何もしていない状態↓
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恥ずかしながら、odasisの生声です。
コーラス向けの声とそうじゃない声ってあると思うんですが、odasisの声は間違いなく後者。
あと分かりにくいですが息多めにしています。
コーラスの時は息多めの方がなじみやすい。
素材を編集する
ピッチ修正と若干のEQ・コンプで処理します。
最後の揺れが気になりますね……
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こんなに揺れてるなら本当は別テイクを使った方が良いのですが、他になかったのでとりあえずこれで進めます。
ピッチ編集はCubaseユーザーなのでVariAudioでやります。
使い方はDTMメソッドさんが分かりやすく解説してくれていますので参考まで↓
Cubase VariAudioの使い方【ピッチを調整するやり方】
左右に広げる
ここからがポイントです。
まずは左右に広げましょう。
トラックを複製し、両トラックを左右に振り切ってください。
右トラック↓
左トラック↓
どちらかのトラックの発音を遅らせます。
今回でいうと左を20ミリ秒。
これで一気に広がります。
できた音↓
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上下に広げる
次は上下。要はオクターブです。
先ほどのトラックをさらに複製(これで計4トラック)し、両方をオクターブ上げます。
オクターブ上だけのもの↓
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この辺りで恥ずかしさがピークを迎えます。
穴があったらゴニョゴニョゴニョ。
VariAudioでもなんでもいいですが、今回はCubase純正エフェクトのPitch Correctでオクターブ上げています。
パラメータはこんな感じ↓左右で若干ピッチをズラすのもOK。
ミックスする
先ほどのオクターブ上のトラックの発音とミックス↓
もう少しオクターブ上を強調してもいいかな。
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各トラックの発音のタイミングや定位はもっとずらしてもOKです。
ただしセンターは主旋律のためにできるだけ空けておきましょう。
odasisはこの段階まで別のプロジェクトで行い音素材化、その後ミックス用のプロジェクトにステレオで取り込むようにしています。
トラックもプラグインも節約できます。
エフェクトをかける
今回は
- バスコンプ(Native InstrumentsのSolid Bus Comp)
- コーラス(Cubase純正)
- リバーブ(WavesのRverbをインサート)
- EQ(WavesのQ10で主にローカット)
ざっくり調整しました。
完成
これだけ聴くとすごく違和感を感じますがオケに入れるといい具合にはまります。
小さく薄く鳴らしましょう。
リバーブはセンドで使うのが一般的ですが、ここぞというときはインサートでも良かったりしますよ。
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ライタープロフィール
作曲家・ギタリスト
odasis
サウンドクリエイター・ギタリスト。
・島村楽器「録れコン2017」グランプリ。
・島村楽器「録れコン2015」ベストプレイ賞。
・クレオフーガ「ラフ・ダイアモンドVOL.2」入賞。
ウェブサイト:http://odasis.net
Twitter:odasis