ウクレレでジャズを弾く。コードアレンジとお手軽エクササイズ
「誰でも気軽に弾けちゃう」からなんでしょうか？
静かなブームが続いているウクレレですが、実は種類も多数あったり、さまざまな奏法があったり、奥が深い楽器でもあります。
奥が深い……といえば、ジャズもそうです。
「何か難しそう」「コードも複雑だし」「理論を勉強しなくちゃ」……そんなイメージで語られることも少なくありません。
というわけで、今回のテーマは「難しい音楽理論は抜きにして、気軽に弾けるウクレレで、お手軽にジャジィなサウンドを弾いてみよう！」です。
もくじ
ウクレレでジャズを弾いてみよう！コードアレンジとエクササイズ
「ジャズっぽくウクレレを弾く!?」
とはいうものの、ジャズの醍醐味であるアドリブは、すぐに弾けるものではありません。
まずは、バッキング（コード弾き）にチャレンジしてみましょう。
ストロークのイメージは、ジャズギターの4つ切り（4つ刻み）です。
親指の側面の腹部を弦に押し付けるようにしながら、ダウン・ストロークします。
コードは「I-VI7-IIm7-V7（イチ・ロク・ニー・ゴー）」と呼ばれる循環コードを使います。
このコード進行は、Key=Cだと「C-A7-Dm7-G7」です。
これを弾いてみると……あまりジャズっぽくないですね。
では、どのようにすればジャズっぽくなるのでしょうか？
ヒントは「テンション」です。
テンション（テンション・ノート）は、シンプルなコードをジャジィに味付けしてくれる調味料のような存在です。
基本的なコードの構成音「ルート（1度）、3度、5度、7度」以外の音が使われるテンション・コードが、ウクレレ・サウンドをジャズっぽくするのです。
また、開放弦はできるだけ使わない方がよいでしょう。
リズムに切れが生まれ、ストロークをコントロールしやすくなるからです。
実際に弾いてみよう！
では、実際にテンション・コードを交えて弾いてみましょう。
ここでは5つの例をご紹介しますが、それぞれ「I-VI7-IIm7-V7」を2回繰り返した後、Iに戻って終わっています。
C6-A7(b9)-Dm7-G7(b9)-C6
C6の構成音はAm7と同じですから覚えておくと便利です。
また、〇7(b9)のコードフォームは□dimのコードフォームと同じ形になりますので、これも覚えておくと役に立ちます。
続いて、G7(b9)をG7(b9,13)に替えて弾いてみます。
C6-A7(b9)-Dm7-G7(b9,13)-C6
このG7(b9,13)はDb7(#9)と同じコードフォームです。
弦が4本なので、ウクレレにはこのような同音異名と言った「構成音が同じでコードネームが異なる」コードフォームが数多く存在します。
次はV7-IをG7(b9,b13)-Cmaj7(9)にして弾きましょう。
C6-A7(b9)-Dm7-G7(b9,b13)-Cmaj7(9)
テンションの使い方によってサウンドが微妙に変化していくのが、お分かりいただけたかと思います。
続いて、IIm7にテンションの9thを加え、始まりのIをCmaj7(9)に、終わりのIをC6(9)にした場合です。
Cmaj7(9)-A7(b9)-Dm7(9)-G7(b9)-C6(9)
ウクレレは低音が出ませんので、最も目立つ1弦の音がスムーズに動くようにコードフォームを構築することが大切です。
C6(9)-A7(b9)-Dm7-G7(b9)-C6(9)
最後は、最初に紹介した「C6-A7(b9)-Dm7-G7(b9)-C6」のC6をC6(9)に置き換えたコード進行です。
C6にテンションの9thを加えると、よりジャジィな雰囲気が醸し出されるような気がします。
ちなみに、このC6(9)のコードフォームはF6(9)と同じコードフォームです。
最後に
まだまだ、さまざまなコード進行のバリエーションは考えられますが、今回は5つの例をご紹介しました。
「難しい音楽理論は抜きにして、気軽に弾けるウクレレで、お手軽にジャジィなサウンドを弾いてみよう！」ということで、難しい理論はあえて記さなかったのですが、理論を学びたい方は音楽理論・コード理論をご覧いただければ幸いです。
ライタープロフィール
ギター・ウクレレ講師
千葉幸成
スタジオ・スクリプト（ギター、ギタレレ、ウクレレ教室、構成作家の仕事場）
ウェブサイト：http://studio-script.com
YouTubeチャンネル：https://www.youtube.com/c/ChibaKosei