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90年代ビジュアル系の春ソングまとめ
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90年代ビジュアル系の春ソングまとめ

春の時期になると巷では桜ソングが流れて桜が散ったり出会ったり新生活だったりと、さまざまな春ソングが流れると思います。

しかし、どれもちょっと似たようなテーマで食傷気味じゃありませんか?

桜が散ったり、恋も散ったり、甘ったるくて、テーマは悪くないんですけどもうちょっとインパクトがほしいというか……。

そこでぼくが目をつけたのは90年代の匂いがするビジュアル系の春ソング。

一部00年代もいますけど、大まかに90年代から活動しているビジュアル系の方々を集めました。

GLAY|春を愛する人

まず、最初は1996年のこのナンバー。

リーダー兼作詞作曲担当のTAKUROがアイスランド旅行に行ったとき、極限の冬の厳しさに耐えながら春を待つ人々を見て着想を得たそうです。

冬の厳しさから春への移り変わりを人の心模様に見立てて描写した内容は含蓄のある内容で聞いているといろんなものを考えさせてくれる曲です。

Plastic Tree|春咲センチメンタル

春になり、桜を見ると出会いではなく大切な人との別れを思い出すということを描いた歌詞で少し切なくなるナンバーです。

Plastic Treeは切ない歌詞の曲が非常に多いのですが、ボーカル有村竜太朗の書く歌詞は常に繊細感にあふれています。

個人的にビジュアル系のみならず邦楽ロック界に新たな潮流を生み出したバンドの1つだと思っています。

この曲はその繊細感と桜の散る情景、グランジ・ロックのようなディストーションがピッタリとハマっていて曲そのものの完成度も高いです。

cali≠gari|春の日

00年代のバンドとして語られる事が多いバンド、カリガリですが、活動は90年代初期からなのでこちらに載せました。

ビジュアル系の中でも異端児のような扱いを受けているバンド、cali≠gariですが非常に歌詞がいいバンドでもあります。

この曲は「桜闇」という言葉にもはっとさせられますが、桜の立ち並ぶ景色とその情景、懐かしさと切なさ、郷愁がありありと浮かんでくるほうな非常に叙情的な歌詞が特徴です。

個人的に、ものすごく影響を受けた方の1人なのですが、ギター兼この曲の作詞作曲を担当した桜井青のルーツに昭和歌謡があるということで、今のバンドマンではなかなか書かないような言葉を丁寧に切り取った昭和的な文学性あふれた歌詞が特徴です。

Janne Da Arc|桜

こちらも桜と大切な人を重ねた曲ですが(ビジュアル系に限らずこういう春ソング多いですよね)、Plastic Treeと比べると文学的な抽象表現より、男の未練や願望、みたいなものをもっと直接的に表わしています。

イントロのキーボードもさることながら、おとを詰め込んで細かいフレーズを弾くのではなく、サスティーンなどを使って余韻と空白をつくるフレーズが「桜」という曲にあっているように思います。

Acid Black CherryはもともとJanne Da Arcのyasuさんのソロプロジェクトなのですが、活動休止期間が今現在でほぼ10年なので、ABCのyasuさんしかもう知らないファンも居るんじゃないでしょうかね、と思いを馳せてしまいます。

hide with Spread Beaver|HURRY GO ROUND

この方は説明不要かもしれません。

X JAPANのコンポーザーとしてもそうでしたが、hide名義でもその才能は発揮され、その新たな方向性となったのが今作です。春を象徴的に描いて季節の巡りと人生や生死などさまざまなことが読み取れる歌詞が描かれています。

この方はどんどんギターフレーズから無駄を省いていったのが特徴の1つで、象徴的なのはX JAPANの初期の紅とTHE LAST LIVEの紅じゃ明らかにフレーズや音色が違うということが挙げられます。

この作品でもそうなのですが、ヘビメタル出身者とは思えないほどのポップで簡素化されたフレーズにストリングスが非常に互いの個性を引き立てています。初期のガッツリ弾いてたころと後期のフレーズをいろいろと省いて弾いていた頃、どちらも両方格好いいと言うのがhideの音に関するバランス感覚を如実に表わしています。

Gackt|野に咲く花のように

最近は格付けチェックやバラエティタレントとしてもテレビでよく見るGacktさんですが、歌唱力も非常に優れた方なのですよ。

デーモン閣下の扱いと似てますね。

そんな彼の春ソングが、野に咲く花のようにです。

春ソングというより卒業ソングなのですが、こちらの曲は非常にシンプルな構成でアコースティックギターとピアノだけの伴奏にタイトル通り野に咲く花のように強く生きてほしいという願いも込められています。

ビジュアル系、というとどうしても悲しい要素の曲が多いというのがあるのですが、もともとガッツリビジュアル系だったGacktさんがこういった曲を歌うようになったということに、歳月というものを感じますね。

L’Arc~en~Ciel|flower

イントロのアコースティックな雰囲気が特徴的なナンバー、こちらは春や桜という単語ではなく春のまどろみというところに焦点をおいて歌詞が描かれています。

hydeらしい抽象的な表現が解釈と情景の幅を広げ、発売当時のスピッツやミスチルのようなアコースティックな志向を意識的に行ったらしく、非常にポップな曲に仕上がりました。

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