【DTM初心者のための】ボーカロイドを使ったオリジナル曲の作り方
今回からは(ゆっくりとですが)ボカロのオリジナル曲を制作して、その過程を紹介してみたいと思います。
挑戦しようと考えている方の一歩を踏み出す勇気となるような内容を目指すつもりで進めます。
使用ツールはCubase9.5その他は都度紹介してみたいと思います。
まずは目標を決める
人それぞれ志向する音楽のジャンルがあると思います。
ボカロ音楽の作曲(DTM)に関して言えば、 制作者次第であらゆる歌声に作り分けることが可能です。
コンポーザーとボーカルだけなので、楽器的な制約やジャンルの制約はありません。
まさしく、制作者の目指すサウンドを好きなように作れます。
「でも、逆に何をしたらいいか迷って決められない」
初心者の方からこんな声を聞くことも多いです。
なんとなく作ったメロディに思いついた順に楽器を重ねてしまい、行き詰ってしまう事にもなりかねません。
できるだけ最初に
- どんなジャンルをやるのか?
- どのアーティストのような曲を作りたいか?
くらいまで、絞り込んでから制作を進めることがいいと思います。
私は毎回違うジャンルをやってみたいと思っているので、今回やったことのない(そしてあまり蓄積のない)R&Bっぽい雰囲気の曲に挑戦してみたいと思います。
手を付ける場所を決める
メロディ、コード、リズム、そしてボーカル曲なら歌詞。
まず、曲を組み立てる部品のどこから始めるかを選びます。
物語性の強い作品の場合歌詞からスタートしている人が多いようですが、プロミュージシャンはコードからの方やメロディからの方もたくさんいらっしゃいます。
今回はR&Bなので、重要なのはリズムですが、雰囲気をつかさどるコードのイメージを先に進めてしまおうと考えました。
コードを決めてしまえば、その雰囲気の中に納まるように自分にも制限がかかるので迷走しにくくなるのではないかなと思います。
Cubaseのコードトラックを使う
Cubase 9.5にはコードトラックという機能があります。
これは、コードを鳴らしたい場所にペンシルツールで書き込むと、コードの指示を書くことができる機能です。
つまり、MIDIトラック上で簡単にコードを生成することができるので、いちいち打ち込む必要がありません。
書き込んだコードはコードトラックが接続するモニタートラック(対象となるパート)を鳴らすことができます。
ソフト音源を鳴らしながら音色や展開を確認して、イメージするサウンドに近づけましょう。
さらに、コードトラックにはコードアシスタントという便利な補助機能が付いています。
前後の接続にマッチしやすいコードを選択してくれるリスト表示や、近いコードを見つけてくれる近接表示、そして進行のわかりやすい五度圏表示。
どの機能でも、コード名をクリックするだけでモニタートラックの音が鳴るので、耳で簡単に確認ができます。
これを使ってまずはシンプルな進行を作ってみました。
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置いたコードはエレピで鳴らすことにしました、まずはイントロとAメロまで。
鍵盤で少し確認しながら進めた結果、Bメジャーが今回の気分になりました。
LOOPMASHでリズムを付ける
これもCubase9.5にプリセットされているツールです。
カットアップを簡単にしてくれる便利なツール、LOOPMASHを使ってみます。
以前習作で使ってみたものの上手に使いこなせずにいたのですが、今回はブレイクビーツを入れてみたいと思ったので、頑張って使います。
参考:短時間音響類似度解析技術「BEAST」と応用アプリ「LoopMash」« 研究開発
LOOPMASHの画面にwaveファイルを挿入すると、自動的にリズムを検出してデータが作成されます。
これを入れ替えたり、再生中にエフェクトをかけたりしながらリズムのパターンを作ります。
[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/278312277″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]
基本のリズムもCubase9.5にプリセットされていたループのリズムを使用しました。
ただのループでも少し入れ替えたりエフェクトをかけるだけでも楽しいので、ぜひ試してみてください。
ベースとメロディを付ける
ベースの音色はシンセにしようかと悩みましたが、Native InstrumentsのPre-Bass Ampedを使用しました。
(要KONTAKT 5、同社のKOMPLETEがあれば両方手に入ります。)
ベースラインはコードを先に作ってしまったので、迷わずに進めることができました。
まだ鍵盤でさっと演奏しただけですので粗いですが、これは他とのバランスを見ながら順次修正します。
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さらにメロディも入れます。
R&Bの場合きらびやかに動くというよりも同じ音程でもリズミカルなイメージなので、動かさないつもりで細かく刻んでみました。
[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/278312383″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]
歌詞が全く未定なのでイメージだけですが、歌詞によってはこの辺りも後から大幅に修正するかもしれません。
最初はとにかく形にするまでを意識して進めていきます。
合いの手を入れる
雰囲気とリズム、メロディまでが決まると大体完成形がイメージできるようになるので合いの手を入れていきます。
最初はイントロのメロディとバックに弦を少し足してみました。
イントロのメロディはCubase9.5にバンドルされているPrologue、バックのストリングスはKONTAKTの標準ライブラリに入っているバイオリンの音色を使用しました。
[soundcloud url=”https://api.soundcloud.com/tracks/278312472″ params=”color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false” width=”100%” height=”166″ iframe=”true” /]
まだまだ全然寂しい感じですね。
しかしR&Bは比較的シンプルな構成の曲が多いので、この先ボーカルでどれだけ存在感を出せるかが重要になってきそうです。
次回はさらに先へ進めてもっと全体のイメージができるくらいにしたいと思います。
ライタープロフィール
DTMer
みるくここあ
元IT技術者。
ウィンドシンセを使います。
VOCALOIDやCeVIOを使って曲を作ってみたり、ボーカルを迎えて曲を作ってみたりしています。
元々楽器の練習用にオケを作るだけだった半端なDTMerでしたがVOCALOIDに出会い、その変遷に付き合っていくうちに深みに嵌っていたただの音楽好きです。
VOCALOID 2 MegupoidとVOCALOID 3 IA、そしてCeVIO Creative StudioのONEを使用しています。
ウェブサイト:http://milkcocoa.org
Twitter:milkcocoa_org