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よく分かる管楽器のブレス方法
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よく分かる管楽器のブレス方法

管楽器を演奏するということは息を使うわけですが、普段無意識に呼吸しているように息を吸っているようでは到底足りません。

呼吸にもさまざまな方法がありますが、特に管楽器の演奏で必要となるのは「腹式呼吸」という呼吸法です。

腹式呼吸とは

私が中学校や高校に指導に行かせてもらって出会う中高生達はブレスの時に、いちおう息を吸ってはいるけれども「楽器を吹くには足りない」ことがしばしばあります。普段私たちが会話をする時は無意識に息を吸っていますが、楽器を演奏しようと思うと何倍もの息の量が必要になってきます。

そして管楽器の演奏に必要な呼吸法と言えば「腹式呼吸」というものです。

腹式呼吸はよく、「お腹に息を入れます」と説明されますが、実際おなかに息は入りません。

口から入った空気は気管を通って肺に入ります。これはどのような吸い方をしても変わることはありません。

では、腹式呼吸とそうでない呼吸(胸式)は何が違うかと言いますと、腹式呼吸は横隔膜をできるだけ下げて深く息を吸えるようにした呼吸法です

最初は感覚がなかなかつかめないかもしれませんが、息を吸う時にお腹を膨らませて吸うようにしてみます。

「仰向け」になって深呼吸してみる

深呼吸してみる

立った状態から上半身を少し前に倒した状態で息を深く吸うと感覚がつかみやすいかもしれません。

初めは無理にお腹を膨らませようと思って吸っていたらそのうち自然と息を吸うのに合わせて横隔膜を下げれるようになります。

どうしても感覚がつかめないという人は「仰向け」になって深呼吸してみるといいでしょう。

お腹に手を当ててみると呼吸に合わせてお腹が上下しているのが分かるはずです。

長い時間かけて吐く

息を吐く

さて、吸った息ですが 膨らんだ風船が急激に萎むように息が出てしまうがままに出してしまってはいけません。

おヘソの少し下あたり(丹田)に少し力を入れて出ていく空気の量を調節します。

息が少なくなるにつれて膨らんだお腹も萎んでいきますが、膨らんだ状態を維持しつつ少しずつ萎んでいくようにコントロールしてください。そのためには少しお腹周りの筋肉も意識するといいでしょう。

息のコントロールは管楽器の演奏・コントロールに直接関わってくるのでとても大事なことであると言えます。

腹式呼吸の感覚が少し掴めたら、今度は1泊間で息を出来るだけ深くたくさん吸って自分が決めた長さで吐ききる練習をしてみてください。

また、吸った息をできるだけ長い時間かけて吐くという練習も大変効果的です。

演奏したい音に合ったブレス

演奏したい音に合ったブレス

ここまで具体的なブレスの方法について説明させていただきましたが、曲の中で息を吸う時にいくつかのアドバイスがあります。

まず、自分が演奏したい音に合ったブレスをすること。

これはメロディーが長いのか、短いのか、大きい音なのか小さい音なのか、激しい音なのか優しい音なのか、速い曲なのかゆっくりした曲なのか……でブレスを変えるのが理想的です。

例えば遠くにいる人を呼ぶ時はたくさん息を吸って声を張り上げますが、ヒソヒソ声で隣の人に囁く時は静かに小さく息を吸うはずです。

音楽でも同じことが言えます。

鋭くスピード感の欲しい音を演奏す時にゆっくりと息を吸っていたのでは雰囲気が出ません。

このブレスの取り方が絶対に正解だ というものはありませんが、演奏する人が工夫してブレスの取り方を考えることは大切なことです。

よく楽譜をみているとνのような記号をみることがあります。

これはブレスの記号で、その場所で息を吸うことを推奨している場所になります。

それ以外の場所で息を吸う時は「できるだけメロディーが切れないように」吸うべきで、休符の間に吸うのはもちろん、付点の付いた長い音符の後で吸うのもよく使う手です。

ブレスは「静かに」

自分で演奏しながら自分の演奏をよく聴いて、あまりブレスが目立たないところを探しましょう。

あとブレスは「静かに」吸えるのが理想的です。あまりブレスの音が大きいと音楽をぶち壊します。

場所によっては鼻で吸うのも効果的です。

ぜひ色々と試してみてください。

ライタープロフィール

深江亮太

フルート奏者

深江亮太

兵庫県姫路市出身。

12歳よりfluteを始め、16歳より本格的に習い始める。

大阪音楽大学 音楽学部 器楽学科 管楽器(flute)専攻 卒業。

学内オーディションによる選抜演奏会に2度、また卒業演奏会に出演。

作曲学科「新曲演奏会」で多数の新曲を初演。

いぬい楽器、姫路カルチャーセンター、神戸新聞文化センターにてfluteを講師を務める。

ウィーン・プライナー音楽院を主席で卒業。

第8回高校生管打楽器ソロコンテスト関西大会第一位、同全国大会優秀賞。

DAEPアーティスト選抜音楽コンクール第3位。

Fluteを赤穂由美子、待永望、竹林秀憲、Reza Najfar 室内楽を Konstantin Weitz、Vasile Marian、Josef Stolz各氏に師事。

また、神田寛明、Hansgeorg Schmeiser、Jeffrey Khaner、Barbara Gisler-Haaseの各氏の指導を受ける。

留学中ウィーン国立音大のPro-arte Orchestra,バロック室内楽アンサンブルMusica Vitrioliなどで活躍した。

「路面電車で行く 世界各街停車の旅 音楽の街ウィーン」の案内役でテレビ出演。

姫路市吹奏楽団とフルート協奏曲を共演。

現在室内楽を中心に活動中。

姫路・明石・神戸にてフルート教室を開講。

ウェブサイト:https://pukae0211.wixsite.com/fukae-flute

Twitter:Pukapukae

Instagram:https://www.instagram.com/pukae0211

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