スペシャルインタビュー | 谷口守|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
スペシャルインタビュー | 谷口守

スペシャルインタビュー | 谷口守

スタジオラグで人気のボーカル・ボイストレーニング教室。その講師を務めるのがボーカリストの谷口守さん。現役プロボーカリストとしてはもちろん、作曲家、スタジオミュージシャン、ステージミュージシャンとしても幅広く活動されている、谷口守さんに忙しい合間をぬってインタビューさせて頂きました。

谷口さんは京都ご出身ですが、上京されたきっかけは?
京都は当時からやっぱり、ブルースとかアーシーなものが多かったんです。そういうバンドで友達とかを手伝ったりはしてたんですが、僕がやりたい音楽ではないな、と。だから、東京行くしかないかな、と思って上京しました。ブルースも好きなんですけどね。当時だったら「憂歌団」とか。自分がやるのは違うだろうと思って。
ベーシストとしてプロになられた谷口さんが、ヴォーカルに目覚めたきっかけを教えてください。
高校時代ずっとビートルズのコピーバンドをやってました。ベーシストをしつつ、曲も作っていきたいなと思って、売り込みにいったりしてたんです。そしたら「シンガーソングライターとしてやらないか?」という話がソニーから出て、それから目覚めた。その前に、コーラスグループをやってたんですね。それは全然世に出てないんですが、その時の事務所が、ヴォイストレーニングをやれ、と。それがヴォイストレーニングを始めたきっかけです。その時は3人中2人が歌っていて、僕だけそんなに歌ってなかったんですね。2人はすでに歌っていたからそんなに変わらなかったんですよ。僕だけ全然変わって、膜があったのがとれた、みたいな。それで歌の仕事とかが来るようになって。それがシンガーソングライターになるのと同じ時期になるんですけど。そういうことで、ヴォーカルに。それまでそんなこと全然考えたことなかったけど、歌の仕事が来出して、僕の歌はお金になるんだ、と気付いた。それからヴォイストレーニングを続けて、また歌の仕事に繋がっていきました。
谷口さんのレッスンの特徴はどのような点にありますか?
僕が色んなことを経験しているっていうのがあると思うんですよ。作曲家、シンガーソングライターとして、ソロでデビューして、ベーシストとして人のバックで弾いていたこととか、コーラスの仕事したりとか、CMを作ったりとか。割と他の人より幅広いと思うんですね。それが決してアーティストとしていいことだとは思わないんですけど。逆にこれしかできない、というのが強みであることもあるとは思います。ただ、人に歌を教えることに関しては、色んなことを実際に経験しているというのが、役に立っているなと思いますね。後はとにかく楽しく!レッスンに行くのが楽しくなるような、そういうものにしたいというのは、常に心掛けていますね。「レッスンはライブだ」と思っています。
「レッスンはライブ」?!
ライブは、例えば自分がやるとしたら、お客さんを楽しませなければならない訳じゃないですか。3,000円のチャージだったら3,000円出して、また来ようと思ってもらえるようなライブをしなければいけない。レッスンもちょっと違うけど、それに通ずるものはあると思っています。
世界最高峰のヴォイストレーナー:フローレンス・リグ氏のメソッドはどのようなものでしょう?
かいつまんで言うと、ヘッドヴォイス、高音の出し方が中心でしたね。胸声から頭声につながっていく。高音を出すアーティスト、例えばスティビー・ワンダーとか、スティングなんかも、ヘッドヴォイスがすごい響いてるんですよね。それで高音を出している。日本で言うと、B'zの稲葉さんとか、MISIAとか。他にもたくさんいらっしゃいますけど。それの出し方が結構メインですね。あと、40年間、一流の人達を教えてきた方ですので、本場のアメリカのカリフォルニアで。経験とかを学んだというか、触れたというだけでも、自分のプラスになったと思いますね。
ヴォーカリストにとって大切なことは何でしょうか?
気づかい。売れてきた人とかも一緒に仕事したりしてるんですけど、気づかいというか、一緒にやる人にその気にさせること。この人のために一生懸命演奏しようとか。例えばアマチュアバンドでもそうだと思うんですよ。ヴォーカリストがいて、そのヴォーカルのために俺はギターを弾く、みたいなね。ヴォーカリストを超えて、ギターばっかりガンガン聞こえてくるようなバンドはやっぱり駄目だと思うし。一流のミュージシャン程、歌を大事にしますよね、歌があるバンドというのを前提にして話すと。だから、そういう一人一人の気づかい。ヴォーカリストとドラマーはすごく気づかいが大事だと思うんですよ。いいドラマーは、ヴォーカリストとキーボードが「ここどうしようか?」って言ってる時に、ガァーと叩かない。人が話してると静かにしてる。そういうのを身を以て経験してるからね。ヴォーカリストとドラマーは、まずそういう気づかいが大事だと思う。
ヴォーカル講師としてのモットーを教えてください。
楽しくやるというのが一番です。楽しく上手くなる、楽しんで成長する。極端な話、例えば一方にいい先生がいるとして、一方で悪い先生がいるとする。この先生はいい先生だけど、レッスンに行って楽しくない。こっちの先生は良くない先生なんだけど行ってて楽しい。で、どっちが伸びるかというと、僕は後者だと思うんです。楽しいのが一番って言っちゃうと、じゃあ内容はどうでもいいのかというと違うんだけど。ある日突然変わってる、先週と全然違うじゃんって、急に伸びるんですね。続けて3ヶ月やっていても全然変わらないなぁ、と自分も先生も思っていて、ある日突然、先週と違うじゃん。今までたくさんの生徒を見てきたけど、そういう急激な伸び方が多いんです。続けることが大事ですね。
ありがとうございました。
関連記事
ソーシャルメディア
Tweet
いいね!
コメント
PV