バスドラムヘッドの交換方法。ドラムメンテナンスの基礎知識
スタジオやライブハウスで毎日のように演奏されているドラムセット。
ベストな状態をキープするためには、日々のメンテナンスが欠かせません。
今回はバスドラムヘッドの交換方法を、順におって説明したいと思います。
ドラムセットのヘッド交換・メンテナンス バスドラム編
ドラムヘッドはサスティンが得られなかったり、打面がでこぼこになってきた時が替えどきのサインです。
今回は打面ヘッドの下の方に、破れている部分を発見しましたので、新しいヘッドに交換したいと思います。
完全に貫通しているわけではありませんが、このままではドラムヘッドとして正常な鳴りを期待できません。

バスドラムの分解
まず、水平な場所に移動させ、交換したいヘッドが上を向くように設置します。

そして、フープに負担がかからないように、ボルトをゆっくりと緩めていきます。
できるだけ対角線上に位置するボルトをペアにして、同時に均等に緩めていってください。
はじめはチューニングキーを使って手で回せるくらいまで緩めます。


取り外したボルトです。

中に入っているミュート材(毛布など)を出します。

パーツの点検
次に、内側にあるラグ(ボルトを受けるパーツ)のネジを増締めします。
この際、強く締め過ぎないこと。
緩んでたら締める程度で大丈夫です。

タムホルダーべースの裏側のナットも、緩んでいないかチェックします。
ここも叩いている振動でよく緩みやすい箇所です。

本体のクリーニングとオイルアップ
乾燥による木の割れなどを予防するために、オレンジオイルを使用します。

オレンジオイルを2滴(少しだけで大丈夫です)ほど含ませたクロスや布で、フープの設置面や内部をていねいに拭いていきます。
オレンジオイルは油分が多く含まれているので、つけすぎに注意しましょう。


続いて綿棒を使ってラグのネジ穴を掃除します。


木くずやホコリが付着しやすい箇所です。

そしてボルトのネジ部分を、マジックリンを使って洗浄します。
水で薄めた液でしばらく浸け置きします。
洗浄後はしっかり水分をふき取りましょう。

その間にフープを乾拭きします。

防さび・潤滑するために、キレイになったボルトのネジ部分にグリスを少しだけつけます。
そして、556スプレーをネジ部に少しだけ吹きかけます。
あまり付けすぎると逆に汚れの原因となるので、ほんの少しだけで大丈夫です。

ドラムヘッドの取り付け
新品のバスドラムヘッドを用意します。
写真右の黒いのは、打面部に貼付けることでアタック音を発揮するインパクトパッドです。
位置決めはヘッドを取り付けた後でも大丈夫です。

ヘッドを装着します。
この際、ミュート材を入れ忘れないようにしましょう(写真では入っていませんが…)。

ヘッドのロゴマークはちゃんと上にくるよう!

ボルトを均等に締めていきます。
緩めるとき同様、対角線上に位置するボルトをペアにして、同じ分量だけ締めていきます。
ここでのポイントは締め具合を均等にすることです。
ある程度締まってきたら、手で押さえてなじませます。

ここで張り具合が少し緩くなったと思います。
そしてまた均等に締めていきます。
ある程度なじんできたら、次はヘッドの上に乗って体重をかけてなじませます。
2〜3分ぐらい足踏みします。
「ミシミシ」という音が、少なくなってきたらやめましょう。

次にチューニングをしていきます。
実際に音を聞きながら調整していきます。

最後にセッティングを戻してチューニングの微調整をしていきます。

最後に
張り替え自体は、10分〜15分ぐらいで完了しました。
大事なイベントでヘッドが破れたりパーツが破損したりしないように、定期的にチェックしておきましょう!






