レコードのクリーニング方法
普段お世話になっている方より、レコードのクリーニング、その他の手入れに関するリクエストを頂きましたので、個人的観点を含めダラダラとつづらせていただきます。
「聴く=針を通す」それだけで十分なクリーニング
まず、いきなりブッチャけてしまえば、個人的にレコードのクリーニングに関しては「ひどい汚れでない限りおこなう必要はない」または汚れがひどかったレコードでも、クリーニングを行うのは購入したばかりの最初だけで後は新たな汚れが付着でもしない限り、クリーニングは一切おこなわなくてよいと思っています。
なぜならば 特段ひどい汚れでない限りレコードというのは「聴く=針を通す」それだけで十分なクリーニングになっているからです。
※機器が全てきちんとセッティングされている状態で適正針圧であることが前提
よく片面を聴き終えた時に、針先に灰黒色のホコリの様な物が付着している時がありますよね。
盤面のホコリはもちろんですが、溝に付着していたホコリや汚れが、針を通すことによって除去できた証なのです。
全てのホコリ汚れが除去できなかったとしても、繰り返し聴きこめば、いずれは最内周にたまっていくので、最内周部分を軽く拭き取ってあげれば、溝のホコリ汚れは大体取れてしまいます。
「針を通す=盤・針ともに摩耗する」というイメージを強く持たれている方もあるかと思いますがレコードというのは、意外にも強靭であり、針先も特別安価でなければ意外に強靭です。
摩耗するのは、本当に微細なレベルなので極端に間違った針圧でなければ摩耗を神経質に気にする必要は全くないと思います。
針交換は定期的にしているものの、当方は10年以上、DENON製、DL-103を適正針圧の2.5グラムでリスニングをおこなっています。
お気に入りの盤で、繰り返し聴きこんでいるレコード、私の場合イルバレット・ディ・ブロンゾのイースですが、両面ともに定期的に聴きまくっているせいかプチノイズは皆無で、むしろ新品状態より新品です(笑)。
当方としては、レコードのプチノイズに関しては、全く気にしていません。
むしろアナログ再生のあじわいとして、受け止めていますので悪しからずwww
逆に購入したばっかの中古盤でノイズ皆無だったら、前オーナーが大事に聴きまくっていたのでしょう。
新品未開封でもプチノイズは絶対に存在しますし、何回聴いても、何回クリーニングしても除去できない。
プチノイズはホコリや汚れの類ではなく、ただの傷です。
クリーニング
汚れがひどくて、いわゆるリスニングだけでは取れない、もしくはリスニングに支障をきたす場合ですが当方はバキューム式と手拭きの両方でおこないます。
バキューム式で使用するのはオーソドックスな、米国VPI製のバキューム・クリーナー。
他にも現行品であればハンル・メラ製や
中古のキース・モンクス製という選択肢がありますが
どれも非常に高価なので手軽に安価でバキュームできるということで、米国VPI製を使用しています。
手順としては、まず最初にバキューム・クリーニング。
VPI純性のクリーニング液は使用せず、福岡県のレコード屋、Ninonyno製のクリーニング液を使用。
ここで注意すべきは、バキュームは片面につき1周のみということ。
神経質になって、バキュームを何週も繰り返すと、バキューム力で盤が反るだけでなく、逆に静電気が発生して、ホコリや微細な汚れを吸い寄せやすくなってしまいます。
両面ともバキューム・クリーニングを終えても、クリーニング液は、わずかながら溝に残っているので、乾く前にビスコ製のクリーニング・クロスで、外周から最内周に向けてゆっくり拭きあげます。
力の込め方としては、スマホの画面をタッチする位の力で、ゆっくりとスライドさせるイメージです。
説明書には、バキューム後は乾燥……とか書いていますが、バキュームで完全に取れなかったホコリや汚れが溝に残っていた場合、そのまま乾燥させると逆に取れにくいプチノイズとして残ってしまいます。
ですから、拭き上げるのはバキューム後すぐがいいです
この拭き上げ作業で、大体の汚れは落ちますが、長年こびりついたカビ汚れ、もしくは固まった塗料のような付着物となると、上記の作業一回では終わりません。
その場合は、汚れ部分に水滴をたらし溝に添って爪楊枝で軽くこすります。
水滴を垂らした状態であれば、爪楊枝程度でレコードの盤の溝に傷が付くことはありませんが、水滴のついていない所を爪楊枝で繰り返しこするとわずかながら傷がついてしまうのでNGです。
それでも落ちない汚れの場合、水を含ませたメラミンスポンジで汚れのひどいとこだけを軽くこすりますが繰り返しこすり過ぎると、マジで盤面を削ってしまいますのでメラミンスポンジは最終手段と思っていてください。
また、6ケタ以上のウン十万円する様なレコードの場合、クリーニング作業をしようとするだけで緊張してしまい手元が狂って、盤面に傷をつけるおそれがあるので、私の場合、高価なレコードのクリーニングは一切おこないません。
聴く=針を通すだけで十分です(怖)。
レコードの除電方法
レコードの除電方法としては当方はSFC製の除電ブラシを使用しています。
安価なアーム式よりも使い易い上に効果的です。
聴く前に最内周に向かって、ほうきでゴミを寄せ集めるイメージで軽くなぞるだけです。
一応再生前と再生後に行っていますが、レコード再生というのは、針を通しているその時点で静電気を発生させているので、あくまでも再生前と再生後の儀式みたいな感覚でやってます。
まあ実際にホコリを寄せ付けにくくはなるんですけどね!
針先のケア
針先のケアというのも、特別何もやっていません。
だってレコード針というのは摩耗するもんですから、まあ除電ブラシで、針先に集まったホコリを軽くはく位はやっていますが、もともと針先が汚れるようなレコードは持っていないし、あったとしても聴く前にクリーニングで汚れは落ちてしまうので、針先が汚れることがないんです。
おこなうとすれば、聴き終わった後は必ず消磁をすること。
当方の使用している昇圧トランスは音のエジソン製「ETR80」
ご覧のように、消磁スイッチが付いているので針をレコード盤に落とした状態で、スイッチをON。
10秒後にスイッチをOFFにすれば消磁は完了。
MCカートリッジ消磁の有効性には、いまだに有意味無意味と議論されるところではありますが音のエジソン製「ETR80」に限っていえば有効性抜群!
するしないで、音のスッキリ感が全く違う。
当方はスピーカーもアンプもトランスも音のエジソン製だが世界的にも評価され続けており福岡を代表するどころか日本を代表する個人オーディオ店ということで、地元人間としても鼻が高い。
最後に繰り返しにはなりますが、究極のレコード・クリーニングとは、やはり「聴く=針を通すこと」です。
高いレコードを傷がつくのを恐れて、あまり聴かない人もいるかと存じますが、レコードは聴いてなんぼの生き物なので大事にしたかったら、正しい方法で定期的に聴いてあげることです。
要はペットと一緒!
愛情だよ!
愛情!
ライタープロフィール
ブロガー
イプシロン・エッセ
60~70年代のロック・フォークのオリジナル盤・レア盤の話題を中心に勝手気ままに記していくのでヨロシク
ウェブサイト:http://ameblo.jp/icarus2000