YAMAHA EMX5014C パワードミキサーの分解修理
YAMAHAの定番パワードミキサーEMXシリーズのEMX5014C。
これ1台あれば室内演奏から体育館程のサイズでの演奏会にも対応できる優れもの。
さて、今回はこの1chが鳴らないというもの。
ミキサーは分解するだけで相当数のネジを経ていかないといけない精密機器ですが、下記の手順で頑張っていきましょう。
チェック
症状確認ですね。
全ての修理はここをキチンとしているかで結果が大きく変わります。
まず音が出ない訳ですが、何か変化を与えた時に音が出たりしないかをテスト。
プラグの出し入れやツマミのひねり、フェーダーを引っ張ってみたり、時に横から叩いてみます(笑。
いや、ほんとに)。
色んな角度から変化を与えてみると・・・挿さっているマイクケーブルを前後に動かし力を加えると鳴る時がある事が判明!
これで、ジャック自体の故障やジャックと基盤を繋げているハンダ割れ辺りに故障原因が絞れました!
分解・掃除
ネジを外す作業で大切なのは、外す事自体よりも後で元に戻せるようにネジをバラバラにしない事!
順番に並べておくと後が快適。
開けてやるとこんな感じ
ファンを回して冷やす機構ですので、中に空気が入る時に埃も一緒に入ってくるのです。
こういう機会に掃除機やブラシで掃除をしてやります。
やっと患部にアプローチできた時には40分以上かかっていました。
ここで一度ストレッチしますw
集中力を取り戻す為に。
前傾姿勢でじっとしてますので体が固まってしまってw
にしても、意識では10分くらいしか経っていないと思っていたんです。
楽しい時間は過ぎるのが早いもので(笑)
修繕
さて、患部の確認。
ハンダが割れているというより基盤のプリントが割れている印象。
ジャックを動かすとハンダと一緒に動いているように見える。
細かいので、ハンダを取り去って詳しく見てみます。
ん〜剥離してました・・。
ジャックの破損ならジャックを交換したら良いだけなのですが、なかなかプリント基盤をまるまる交換するわけにはいかず・・。
起きている問題は電気の道が寸断されているという事。
ここをバイパスしてやります!
別の道を作るという事ですね。
と、その前に、基盤に点いている3ヶ所の足の内1ヶ所剥離しているとはいえ、ジャック自体がグラグラしているようですので、他のハンダのつけ直し。
箇所をグッと押さえつけながら一時的に溶かしてやります。
これで若干グラグラがマシになった様子。
さて、バイパス手術に取りかかりましょう!
今回用意したのはマイクケーブルの中身です。
音声信号の通る所ですので、マイクケーブルとして使っている物と同素材の方が音に変な色づけもしないので良いですね。
あと、ちょうど扱い易い太さなのです。
中に4本芯線があってシールドに覆われているこいつは定番の4E6S!
日本の定番ケーブルメーカーKANAREです。
10cmほど切って、こういう感じに加工。
端子同士の距離に合わせて皮膜を剥いてやる事で、他の端子に触れずに配線がしやすくなります。
この距離感がうまく出せれば、あとはハンダ付けして、余分な芯線を切ってやれば、
バイパス手術完了!!
組み立て
あとは組み込み、分解時に振り分けておいたネジ達を元の位置に戻していく作業です。
ここで気付いたのですが、結構余計な所も外していたようで、外すネジの数がもうちょっと少なくて済みました。
^^;
ま、さすがにしょっちゅう開ける機材じゃないので、なかなか仕組みを把握できないですね。
さて、これでまた健康な音を出してくれるようになりました!