初心者のためのライブチケットの入手方法と特徴。メジャーアーティスト編
今回はライブチケットの入手方法と、各種方法のメリット・デメリットをご紹介します。
至極初歩的な話から、ライブ初心者の方のために順を追ってわかりやすく説明いたします。
チケットの取り方を知らない
突然ですが、わたしは長いこと決まった美容師さんに髪を切ってもらっています。
わたしと同い年の男性で銀座でサロンを経営している、いわゆるやり手の美容師さんです。
ちょっと、いや、かなり中身がヘンなんですけどね。
腕は確かです。
彼は最近同棲している彼女の影響でONE OK ROCKを聴いているそうです。
もともとELLEGARDENを聴いていたらしいので、エモやオルタナが好きなんですね、きっと。
昨年末にヘアメンテへ行ったとき「ワンオク、ツアーやりますね~」なんて話を振ったら、こう返ってきました。
「え!
ほんとですか!
行きたいんですけど、莉子さん、チケットってどうやって取るんですか?
僕でも買うことができるんですか?」
ライブに通い続けて早ウンじゅうウン年のわたしですから、その言葉に驚いてしまいました。
ネット社会になって随分経ち、チケットの入手もかなり容易になったと感じていたのに、まさかチケットの取り方を知らない人がいるなんて……!
でも、買ったことがなければそりゃ分かりませんよね。
思えば職場でも良くチケット取りの相談(?
)をされたりします。
メジャーアーティストのチケット入手方法
これから書くチケットの入手方法は、あくまで筆者が一般的に多いパターンと認識している方法ですので、全てのアーティストに共通していないことをご了承ください。
また、主にメジャーアーティストのチケット入手方法を念頭に記載しております。
アンダーグラウンドなアーティストのチケット入手方法については、需要がありそうなら別途ご紹介しようかと思います。
ファンクラブ先行
まず、最速でチケットを入手できる方法がファンクラブ先行です。
その名の通り、アーティストのファンクラブに年会費を支払って入会しているガチファン向けのチケット販売となっています。
それだけに確保されている枚数は会場キャパシティの半分以上を占めていることが多いと思われます。
最速かつ確保枚数が多いので、まずこれが一番手っ取り早く高確率でチケットを手に入れられる方法です。
絶対にライブに行きたい気持ちがあるのなら、早急にファンクラブに入ってこの先行に参加しましょう。
参加方法はインターネットの会員専用ページにて期間内にエントリー→抽選が一般的です。
まれに先着順での販売がありますので、しっかり注意書きを読んでおきましょう。
多くはファンクラブ先行だからと言って必ず前方席が用意されているわけではありませんが、確保されている中には確実に前方席も含まれています。
逆を言うと、ファンクラブ先行以外で前方席を手に入れるのはほぼ不可能でしょう。
(※サイド、見切れ席を除く)
オールスタンディング公演だと入場順が必ずファンクラブ先行からとなっていますので、もし前方席にこだわりがあるのならばファンクラブ先行に参加することが必須となります。
繰り返しますが、あくまで前方席が含まれているだけで、必ず前方席が入手できるわけではないことを念頭に入れてください。
(筆者は最後列を引いたこともあります。
苦笑)
また、アーティストによっては席種(いわゆる舞台などのS席、A席のような感じ)を複数用意して、前方席を確約していることもあります。
この様なS席の多くはファンクラブ会員しか購入できません。
(まれに非会員が同行できるケースも有り)
限定グッズまでついていてお得なことも多いですが、価格も数万円とかなり強気な設定となります。
それでも激戦であることが多いです。
ファンクラブ先行のメリット
- 一番早くチケットを入手できる
- 確保枚数が多いので、入手できる可能性が最も高い
- 前方席を入手できる可能性がある
- ピクチャーチケット(アーティストの写真入りなど独自デザインのチケット)の場合がある
- 会員しか購入できないS席が用意されていることもある
ファンクラブ先行のデメリット
- ファンクラブの入会にお金がかかる
- チケット代金の他に先行手数料やチケット送料が多くかかる可能性が高い
- 周りの席もファンクラブに加入しているガチ勢ばかりなので、ノリを知らずに軽い気持ちで行くと浮く
モバイル会員先行
ファンクラブの次に行われることが多い先行が、アーティスト公式モバイルサイトの有料会員の先行です。
こちらも課金しているガチファン向けですが、金額はファンクラブの年会費(推定5,000円程度)に比べて月額(推定300円程度)利用料のみとなりますので、入会のハードルはだいぶ下がります。
それだけにファンクラブ先行に比べて敵が増えてきますので、人気公演の場合はこの辺りで入手しておかないと後々つらい戦いになることが予想されます。
座席はファンクラブ先行の次にステージに近い席が含まれている可能性があるでしょう。
もちろんファンクラブ先行と同様、必ず前方席が入手できるわけではありません。
モバイル会員先行のメリット
- ファンクラブ先行より安い金額で早い段階の先行に参加できる
- ファンクラブ先行の次にステージに近い席を入手できる可能性がある
- 一般客(熱心なファンとまでは言えない層)より早めにチケットを確保できる
モバイル会員先行のデメリット
- モバイル会員になるのにお金がかかる
- ファンクラブよりハードルが下がるので敵が増える
- 課金しなければならない割に、用意されている席数がファンクラブ先行に比べ少ないことが多い
CD購入者先行
全国ツアーなどの場合、CD(アルバム)をリリース後、そのアルバムを引っさげて公演を行うケースがあります。
その場合、先行して発売されたアルバム(の主に歌詞カードの中)に先行案内が封入されていることが多いです。
この先行はCD購入者が対象ではあるものの、ファンクラブ先行やモバイル会員先行でチケットを入手できなかったファンがこぞって狙ってきますので若干倍率は高くなります。
ファンクラブ会員やモバイル会員になるほどの熱意のあるファンは、大概CDを購入しますから。
しかし一般客は見逃しがちな先行なので、これより後に行われる先行より圧倒的に取りやすいと思います。
CD購入者先行のメリット
- 比較的早めにチケットを入手できる
- 一般客は見逃しがち
CD購入者先行のデメリット
- CDを買わなければならない
- お金がかかっている先行ではあるものの、席位置の期待はできない
公式ホームページ先行
一般発売の数週間前頃、アーティストの公式ホームページに掲載される先行がこの公式ホームページ先行です。
一般プレイガイドでの戦いの前の最後の入手方法となりますので、まだ入手できていない場合はここで確実に仕留めましょう。
これまでの先行とは違い、チケットの入手にかかるお金以外は無課金であることが多いですが、徐々に一般客の目に触れ始めますので、倍率はうなぎ登りとなるでしょう。
抽選や先着などさまざまなケースがありますので、できるだけ早く先行内容を確認する必要があります。
公式ホームページ先行のメリット
- 比較的早めの先行であるにもかかわらず、チケットの入手にかかる費用以外にお金がかからないことが多い
- 一般客参戦前の最後の先行である
公式ホームページ先行のデメリット
- 余計なお金がかからない分、一気に敵が増える
プレイガイド先行
一般発売前のいわゆる「先行販売」の最後の入手方法です。
チケットぴあ、イープラス、ローチケなどのプレイガイドに無料会員登録をし、抽選エントリーをできます。
(まれに先着先行も有り)
無料会員が参加できる分、人気公演だと当選がかなり困難となります。
また、ファンや一般客だけでなく、転売目的の層もこぞって参加してくるので、SOLD OUTが予想される公演ではかなりの激戦となるでしょう。
この様な人気公演は一般発売で購入するのはよほど手なれていないと難しいので、プレイガイドのアカウントを持っている友人などに先行エントリーに協力してもらうことをオススメします。
余談ですが、以前は「イープラス最大枚数最強説」(イープラスの先行で最大枚数(たとえば1人につき1~4枚までエントリーが可能だとしたら、4枚)でエントリーをし当選すると、良い席が回ってくる)なんてものがありました。
結構有名な話ですよね。
実際以前はこれで良い席が回ってきていました……が、どうやらここ最近この最強説は崩れているようです。
完全に運任せですね。
プレイガイド先行のメリット
- 無料会員登録で先行に参加できる
- 初心者でもエントリーしやすい
プレイガイド先行のデメリット
- 会員登録が必要
- 人気公演だと倍率がかなり高くなる
- プレイガイドによっては多額の先行手数料がかかり割高になる
一般発売
各種プレイガイドにて行われる、先着順の入手方法です。
主にインターネットを利用し、プレイガイドのホームページから直接会場や枚数などを選択して購入します。
早い者勝ちなのでできるだけ回線の早いPCを利用したり、スマートフォンではなく回線数の少ないガラケーを利用したり、ネット環境に自信がなければいっそロッピーやファミポートなどコンビニに設置してある端末から直接購入をする方が勝率が高くなるでしょう。
ちなみに同じことを考えている人はたくさんいますので、チケット発売開始時間(午前10時が多い)より早めに端末の前にスタンバイしましょう。
(チケット取りに関係のないお客さんが後ろに並んだ場合は、必ず譲ってあげてくださいね。
)
また、人気公演だと瞬殺(一瞬で売り切れること)も珍しくありません。
が、ここで諦めず、“予約流れ”(購入画面まで進んだものの、最終購入ボタンを押す前に回線が途切れた等の理由で購入されなかったチケット)や“入金流れ”(購入確約まで済ませたものの、入金締め切り期日までに入金を済ませず、購入されなかったチケット)を狙って根気強くページをチェックしましょう。
最後は諦めない人が勝ちます。
一般発売のメリット
- 購入した時点で席の位置が分かる
- 余計な手数料がかからないので、もっとも安くチケットを入手ができる
一般発売のデメリット
- 先着順なので、人気公演だと購入が絶望的
- 軽い気持ちでチケットを取った層も多くいるので、本気のノリでいると周りから引かれることもある
さいごに
以上、チケット入手方法の主なケースを紹介しました。
他にもアーティストによってさまざまな先行方法があると思います。
また、チケットがSOLD OUTしなければ当日券の販売もあります。
公式ホームページをしっかりチェックして、行きたい公演に確実に行けるようにしましょう。
その日のライブはその日しかありませんし、次あったら行けばいいやと思っていても、活動休止に解散や引退となれば二度とそのアーティストのライブを見ることができない可能性もあります。
今はチケット入手にもインターネットでの抽選エントリーや購入、クレジットカードでの支払いが可能となり、自宅でチョチョイと申し込みができるとても便利な時代になったなぁ、と思います。
昔は電話がメインの手段でしたので、家の電話より回線が繋がりやすいとうわさの公衆電話まで出掛けて延々テレフォンカードを差し込み続け、なんとか一般発売を乗り越えたものです。
ぴあの店舗に早い時間から並んだこともありました。
かなりの体力を消費する我慢勝負でした。
なんとファンクラブ先行もプッシュ回線の電話でエントリーしていました。
当然ながら当落確認も電話でしたので、複数公演をエントリーした時は本当に大変でした。
結果を調べるのに何時間も費やしたことがあります。
「残念ながら、ご希望のチケットはご用意できませんでした」という自動音声を聞く度に、電話代返せ!!
と思ったものです(笑)。
昨今は気軽に入手できるようになった分、変な転売屋も増えました。
チケットを転売屋から高額で入手したところでアーティストには1円の得にもなりません。
また、詐欺などのトラブルに巻き込まれることも少なくありません。
最近では主催側が規制を強め、転売席を特定して入場を断られることもあります。
挙げ句の果てにブラックリストに入れられる、なんてことも。
そうなればせっかく入っていたファンクラブは強制退会となり、二度と先行販売には参加できません。
売った側も買った側もさまざまなペナルティーがあります。
チケットは必ず正規のルートで入手するようにしましょう。
自力で頑張って入手したチケットで見るライブは、転売チケットで見るものよりも絶対に特別な公演となりますから。