マニアックパーツ研究所 第2回 『【三大歪み系エフェクター聴き比べ!!(BOSS編)】|京都の音楽スタジオ|スタジオラグ

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第2回 『【三大歪み系エフェクター聴き比べ!!(BOSS編)】

このコーナーは、ラグの機材マニアック代表せっきー&ざわしによる研究スペースです。『違うって聞いたことあるけど、わかんない』『比べる機会が無い』『なんとなくわかってるけど、どうなの?』という疑問にお答えするべく、ありふれた機材や普通はこだわらないようなパーツを比較・解剖して徹底研究していきます!

ごあいさつ

どもー。私生活もマニアック。な北白川店スタッフのせっきーでございます。

スタジオラグのホームページでコラムをやることになったのを前にブログで宣伝しましたが
、いよいよ執筆をしちゃいました。

はい、拍手!!(パチパチパチ)



さ、そんなことは置いておいて…。

今回のテーマはこちら!


【三大歪み系エフェクター聴き比べ!!(BOSS編)】


ということで、スタジオラグでレンタルできるBOSSのコンパクトエフェクターの中から

ファズディストーションオーバードライブの三種類を効き比べちゃっています!

ではでは、歪み系エフェクターのマニアックな世界へ、いらっしゃーい!!


研究開始!

歪み系エフェクターの誕生!!「ファズ」

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ファズと聞くと皆さんは恐らく
「グチャグチャした音」、「汚い歪み方」、「使いツライ」というものが多いのではないでしょうか?
それもそのはず、"Fuzz=毛羽立った" という意味の英語がそのままエフェクターの名前になっているのです。
歪み系のエフェクターの中で一番最初に誕生したファズですが、誕生には諸説あります。

ざっとしたものをあげると

・レコーディング中にミキサーが壊れ、ギタリストがその音を気に入った
・エンジニアが音を大きくするためのエフェクターを誤った回路で作った結果、ギタリストが気に入った
・真空管の音を再現しようとした…などなど(他にもサックスの音を再現しようとしたなんてのも)

このように文献や個人研究も含めて、その起源は諸説あるのですが、
当時のギターアンプは今のようには全然歪まなかったのは事実なようです。
(そもそも音が歪む=好ましくないものとされていました)

後述しますが、当時のギターアンプで今のような歪みを得るのは中々リスクが高く、
あまり一般的ではありませんでした。
その様な背景があり、Fuzzが持つ場合によってはギターの原音とはかけ離れる過激なサウンドは、
まさに刺激的で斬新なサウンド。時代の最先端だったわけです。
結果、ジミ・ヘンドリックスを始め、クリーム、ローリングストーンズなど、
名立たるアーティストに支持をされていきます。

その後ブームが去るとしばらくは表舞台から姿を消し、不遇の時を過ごしますが、
90年代のグランジロックやオルタナティブロックの台頭、Z-VEXから発売されたFuzz Factory のヒットにより、
不死鳥のように、第一線に復活をはたしました。

では早速、試してましょう!!今回試すBOSSのFuzzはFZ-5です!!

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60年代〜70年代にかけて使用されたビンテージ・ファズ・サウンドを、
COSMによって忠実に再現したコンパクト・ペダルです
それでは、さっそくどーぞ!!

実は今回の試走に際して、ギター側のボリュームもコントロールして演奏しています。
何故そうするかというと、実はFuzz(に限らないのですが)は
ギター側のボリュームが音づくりに大きな影響を与えるのです!!
聴いてもらった際に気付かれた方も多いかと思いますが、ボリュームのコントロールでFuzzの音は激変します。
そしてクランチのような音も実は出せちゃうんです。
ジミヘンなどが出す、独特で煌びやかなクランチサウンドの秘密はこれです!


ハードなる革新へ「ディストーション」の誕生!!

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ファズの次に誕生したのがディストーションです。

一般的なファズと比べると使える音域(ハイ~ロー)が広くなり、またギターの原音を残しつつも激しく歪みます。
ジェフベックが始めて使ったとも言われていますが、ファズとは違う、ギターの持つ自然な音を活かしながらもハードに歪んだ音は
ディープパープルなど、これまた名立たるハードロック、ヘビーメタル系のアーティストに強く支持をされていきます。

ビンテージのエフェクターに興味がある方はご存知かもしれませんが、
実は当初はディストーションという名前が一般的ではありませんでした。
その中でも有名な呼ばれ方として、サスティナー(今のサスティナーとは別物)というものあるのですが、
それでもメーカーが違うと別の名前でよばれたり、名前に統一性がなく結構バラバラだったりします。
(なんせこれも当時の時代の最先端の音だったわけで、名前も踏まえ、みんな試行錯誤だったのかもしれません)
現在のようにディストーションという名前が定着したのは当時人気を博したMXRのDistortion+の功績だとも言われています。

では、なぜしばらくサスティナーという名前が使われていたのかというと、
エフェクターのもつ力強い歪みはもちろんのこと、音が歪んだ結果、
ギターの残響音(サスティーン)が長く伸びるということが重要な要素になったからです。
つまり、これを使えば音を延々と伸ばすことができるようになったのです。

今でも歪ませた音を利用してズキューンと音を伸ばしたり、
伸ばした音を利用してフィードバック音を決めたりしますが、
これらの表現がディストーションの誕生で簡単にできるようになったのです。
(もちろんファズでもできましたが、ファズで行うより簡単に、そしてより自然な音でできるようになったのです。)

また、技術面でも新しいICチップというものが採用されていきます。
これがファズとの大きな音の違いを生み出す要因でもあったりするのですが、
この回路が発展され、後述するオーバードライブの誕生につながっていくのです。
(オーバードライブのお兄ちゃん、と言えるかもしれないですね)

ではでは、こちらも聴いていただきましょう!!
これはDS-1です!!

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ボス最初のディストーションとして1978年にデビューしたディストーション第1号機。
鋭く深い歪み、ピッキング・ニュアンスへの忠実なレスポンスにより世界中のギタリストから圧倒的支持を得ています。



ファズに比べ、硬質ですが原音を残し、かつ音がよく伸びると思います!
これがハードロックなメタルなどの、硬く、力強く、そして抜けの良い音を生み出す要因になっています。
(ちなみにハードロックやメタルなどジャンル名からして硬いです)


温故知新、メイドインジャパンが放つ世界標準
「オーバードライブ」の誕生!!


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さて、最後にオーバードライブですが、なんとこれを開発したのが我らがメイドインジャパン、
BOSSだったりします。

オーバードライブとは名前のとおり、「過負荷」「働かせすぎ」という意味です。

名前の由来は真空管アンプに歪ませる目的のゲインがついてなかったころ(つまりFuzz誕生の前後の時代)に
アンプの出力を最大して無理やり真空管を歪ませて、よくアンプを故障させることも多かったことから
このようなサウンドや音作りに「Overdrive」=「過負荷」という名前が付けられました。
そのサウンドをシュミレーションしたものがエフェクターのオーバードライブというわけです。

実は以前からこのオーバードライブサウンドをシュミレートしようとする試みはありました。
ただ、なかなか上手くいかず、意外にも誕生が一番遅くなったのです。

では問題のどのようにして真空管がドライブする音をシュミレーションしているか?というとですが
真空管特有の左右非対称の歪みを発生させる…といった波形関係や電気回路関係をしっていないと
結構チンプンカンプンなことになるのでここでは割合しますw

それは置いておいても、今ではおなじみになったこの音を世界で始めて再現したのが
実はギタリストにとっては馴染みの深ーいBOSSが開発したOD-1だったと言われています。
(蛇足ですがこのOD-1、実は他にも世界初の試みがいっぱいされていました)

今では真空管アンプでゲイン調整できるものが殆どですが、
従来の目的であった真空管アンプのシュミレーションとして用いるだけではなく
音の音圧を増すためのブースターとして使用したり、オーバードライブ独特の音色を愛用したりと
ギターリストをはじめ、現在は多くのプレーヤーが使用するエフェクターの種類になりました。

それではこちらも試してみましょう!!OD-3です!!

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デュアル・ステージ・オーバードライブ回路を搭載。美しい倍音と図太い低域、
粘りのあるサステインが特徴。コード・カッティング、
リフからソロまでオール・ラウンドに使えるオーバードライブです!



あとがき

今回は以上です。
楽しんでもらえましたか?

もし興味をお持ちいただけたら、スタジオを利用される際、
レンタルして聞き比べてみてください!!
なんせ、会員の方はレンタルが無料なんですからw
(※スタジオラグご利用のお客様が皆さん会員の場合)
余談ですが同じジャンルのエフェクターでも
各種メーカー、機種、製造年代によって音も全然違います。
「このジャンルのエフェクターは一回試した事があるし…」
とは思わずぜひ色々試して、「自分にピッタリの歪み方」を見つけて下さいネ!!

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みなさんの機材環境が良くなるお手伝いができたら嬉しいなと思ってます♪
ではでは次回もご期待ください!!

※注 今回の比較は個人の感想であり、かつ環境や奏法等により音が変化する場合があります。
予めご了承ください。

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