スペシャルインタビュー Gulliver Get |スタジオラグ

スペシャルインタビュー
Gulliver Get | スタジオラグ

スペシャルインタビュー Gulliver Get

2007年より活動の場をメジャーシーンへと移し、またLive Spot RAGとも縁の深いアーティストでもあるGulliver Getのメンバーをお迎えし、お話をお伺いしました。

ライブって自分らの楽曲とか演奏に対する、その反応が一番ストレートに返ってくる場やと思う。

バンド結成のいきさつを教えてください。
山田(以下山):Live Spot RAGで定期的にセッションをやってるじゃないですか。それに僕と山本と阪口がよく出入りしていて、そこで出会うきっかけになって、意気投合したんですね。RAGのセッションがきっかけなんですよ。当時はフリージャズみたいなインストをやってました。
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アヤヲさんが入ることになったきっかけとは?
山:そのインストやってたころ、僕ら名刺代わりになる音源がなかったんですよ。そのCD制作にあたって、メンバーで言ってたんは、声が欲しいなあと。僕も山本も知り合いのヴォーカリストでそのイメージにパッとあてはまるヴォーカリスト知らなくて。阪口が、普段めっちゃ喋らない人間なんですけど、人を褒めることもほとんどないんですけど、「リーダー、一人だけいますよ」と(笑)。こいつが言うんやから、間違いはないやろと。連れてきてって言って。当初はその音源制作だけのため、というコンセプトだったんです。そっからずるずるライブもし出して、効果音的な扱いから始まったのが、歌詞もあるような楽曲も作るようになって、正式加入もないまま、4,5年過ぎていって。こないだ街を歩きながら当時の話をしてて、「そういえば正式加入の依頼されてないよねぇ」って(笑)。
あれ?実は正式メンバーじゃなかった?
山:その時に、依頼した...みたいな(笑)メジャーの話とかあるんやけど、どう?みたいな(笑)。
インストバンドからヴォーカルグループへのシフトはあまりない例だと思うのですが。
山:アヤヲがとどのつまり、偉かったなと思います。最初半年くらいスゴい距離を感じてたんですね。彼女自身もどうしたらええか分からへんと思ってたし、スゴい旋律が難しかったんですよ。インストの時のキーをそのままアヤヲが入ってからもやってたから、無理させてんのやろなってのは分かってたんですけど。半年、一年とやってて、アヤヲが何か吹っ切れたな、って瞬間が分かったんですね。ある日リハが終わって、山本と「メシ食いいこか」って話をした時に、今まで誘ってもアヤヲとかは全然乗って来なかったんですよ。でもその日初めて「私も行く」って。「お?!」と思って。ごはん食べた後も2,3時間話して、今まで悩んでたけど、全く新しいものを一から作るって考えを変えてから、新しい気持ちで取り組めるようになったって言って、そっから変わりだしたのかなって。そんな気がしますね。
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楽器編成も珍しいですよね?
山:そうですね。サックスっていうパートが正式メンバーでいるっていうのは珍しいと思うんですけど。阪口は大変や思いますわ(笑)
阪口(以下阪):そうですね、インストやっていた頃、僕がフロントやったんですね。だからポジションが変わっていく中で、色んな葛藤なり悩みがあったんです。バンドとして固まり始めたのはここ最近で、鶴田が入ってから、じゃないですかね?皆それぞれが悩みながら葛藤しながら試行錯誤して。ここ1,2年の間でバンドらしくなってきたかな?ホントに色々試して、段階踏んでやってきたので。昔を思い出すと、今やから笑い話なりますけど、結構スゴかったですね(笑)
山:インストの時なんかは、「イントロ2分、間奏2分、エンディングXタイムで3,4分」とか、普通にあったので。それが歌ものになってからもそのままやってて。最初はリードをとる側のプレイヤーが大変やったよな。
阪:アヤヲちゃんはアヤヲちゃんなりの葛藤があって、僕は僕なりの、ってのがありましたね。二人で色々話し合ったこともあります。今までにない音楽を目指してたので、ホントに分からなかったんですよ。フロントとしてどうあるべきなんか、みたいなのはスゴい悩みました。
山本(以下モ / 愛称「モッティ」から):あれはあれでよかったよね。今でもたまに古い音源をひっくり返して聞いたりすると、こんなんようやってたな、って自分らでも思うんですけど。当時のこと思い出すと、これが自分らがええもんやと信じてやってたことやし、あれはあれでよかった。
秋葉(Live Spot RAG ブッキングマネージャー)からも、色々チャチャ入れとかあったんですか?
山:秋葉さんとの話し合いで半年間マンスリーライブをやって、20曲できたんですよ、半年で。一月最低3曲作ってこいっていう条件やったんで、5ヶ月目まで月3曲作ってきて、最終月に「1人1曲作ったれ!」って思って、5曲作ったんで計20曲。その中から今セットリストのメインにあがっているような曲も何曲かあるんで。ホンマに大きかったですね。
阪口さんも色々葛藤があったとおっしゃられましたが、モッティさん的にはどうだったのでしょう?ギタリストとしての立ち位置など。
モ:変わった編成ってよく言われますけど、自分の中で描いている画っていうのは3ピースのバンドなんですね、基本のサウンドは。ベース、ドラム、ギターで組み立てていくって感じで。ただ、それに単音楽器といいますか、フロントが2人居るから、変わってるって感じ。そういうのがよく変わってるって言われる理由だと思うんですけど。コード楽器が一人なんですよね、僕。ギターって、3ピースのバンドでも間奏をとったりとか、するじゃないですか。そういうことをやってしまうと、今度3人フロントみたいになってしまうんです、その瞬間。自分の置かれているポジションっていうのはスゴい悩みました。今でもそうですけど。でもそこが、Gulliver Getの面白さやと、思ってます。可能性がめっちゃ広いんですよ。ポジションが丁度真ん中にあるから。僕がどっちに行くこともできる。そういう意味で、スゴいやりがいがあるバンドですね、一ギタリストとして。
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2006年の鶴田さんの加入によって、バンドとしてのかたちが固まってきた?
山:大変だったんですよ、彼が入ってきた時っていうのは。自主制作の期間がホント長くて、そん時ってレコーディングにしてもライブ活動にしても、第三者の視点から意見を言ってくれる人がいないじゃないですか。でも、自分らを信じてやってて。まあ、イントロ2分とか、その時は間違ってないと思ってやってて。GREENSの「ぐっ」ってイベントでグランプリをとった頃にインディーズに所属して、こんなイントロあり得へん、間奏ありえへんって言われて。僕らからしたら、「なにいってんねん」って(笑)とこがありましたけど、信じてやってみようと思って、やり始めて。鶴田の入った最初のライブが、GREENSのオーディションのライブやって。
鶴田(以下鶴):いや、1回目はハンコでした。
山:ああ、そうか。1回目のライブがインディーズの契約書のハンコを押したライブ。で、2回目がオーディション(笑)
鶴:それで1位をとってしまった(笑)
モ:申し訳ない(笑)
山:だからGulliver Get的には大激動の渦中に彼は加入して、まだ曲も10曲も覚えてないぞって時に入ったので、最初は大変やったと思うんですけどね。元々ロックしかやってなかったですし。楽曲も覚えてない中でどんどんライブも切っていって、彼も努力したと思いますけどね。
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鶴田君の加入によって、バンドサウンドはどのように変わっていったのでしょうか。
山:聴きやすくなりました、単純に。今までやっぱ、インスト上がりなんで、複雑な構成の曲もあったんですけど、シンプルになったっていうか。ミュージシャンってやっぱ凝りたくなったり、ちょっとややこしくしたりするじゃないですか。そういう足し算じゃなくて、彼が入ってからは引き算で考えるようになったというか。出来るだけ、シンプルに、ストレートにお客さんに伝えたいと思うようになったんで。昔の難しい曲とか引っ張り出して久しぶりに彼が入ってからやったら、「めっちゃ聴きやすいやん」とかあって。
鶴:まぁでも、単純に小難しいことができないっていうだけなんで。僕が出来ることをやっているだけで、っていうのがホントのとこなんですけど。何となくのイメージが共感できた時っていうのは、やっぱり余計なものはいらないよね、っていう感じやと思います。 [次のページへ]
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