スペシャルインタビュー 安達久美クラブパンゲア|スタジオラグ

スペシャルインタビュー

スペシャルインタビュー 安達久美クラブパンゲア

〜記憶を失うくらい記憶に残るレコーディングでした〜

2005年春のデビュー以来、全国各地でライブハウスやジャズフェスに出演し、旋風を巻き起こしてきた安達久美クラブパンゲア。最新音源を収録するためのレコーディングが、2007年12月2日より京都のスタジオラグ伏見店にて行われました。その忙しい合間を縫ってメンバーの皆さんにお話を伺いました。

レコーディング(=トラッキング)を終え、トラックダウン前の段階ですが、現在の手応え及びどう仕上げていくかをお聞かせください。
清水興氏(以下、清水):ええのが録れてますよ〜。前作でやっていなかった世界とかもたくさんあります。また、トラッキングがすごくいいのが出来ているので、バンドならではの息吹というのが、ミックスでどう強調出来るかなってことを詰めて行きたいですね。
則竹裕之氏(以下、則竹):もう、この段階で前作を上回るクオリティのものが出来てるんじゃないかな。よりカラフルな楽曲達も揃ってますし、それぞれの曲に込める各々のイメージがそのままトラッキングされているので、どう膨らませて行くのかものすごく楽しみですね。
河野啓三氏(以下、河野):1stアルバムよりどの曲もいい音が出ているんじゃないかな。安達久美さんの、1年間でこれだけ成長したっていう面がストレートにみせられればいいな。もう全然違いますからね。
安達久美さん(以下、安達):1作目が思っていたよりも評判が良かったので、今回はそれを超えられるかっていうプレッシャーがすごいありました。これからどんどん触って行くんですけど、録り音が結構満足しているんで、仕上がりが楽しみです。
各楽曲解説をお願いします。(紹介順は曲順とは関係ありません)

Catch Ball(安達久美)

安達:季節は春。桜の曲を書こうと思って彦根城に行ったんです。夕方くらいだったんですけど、少年が二人キャッチボールをしてたんです。それを見て、感じるものがあって頭にぱっと浮かびました。

Delusion(安達久美)

安達:訳すと、「妄想」なんです。好きなミュージシャンと好きな音楽、あり得ない組み合わせを考えました。エレクトリック期のマイルスに、ジミヘン、ジェフベック、ツェッペリン、とか好きなミュージシャンを合体させました。そういう、妄想ですよね。自分もその中に入った、みたいな感じです。
清水:妄想を現実とするために、楽器は75年製のベースを使いました(笑)。

Winners!(安達久美)

安達:小さい頃からモータースポーツが大好きで、高校生の頃にはもちろんスクエアの「truth」をコピーしていたりするんですけど、やっぱり自分でモータースポーツの曲を作りたい、と前から思っていました。曲としてはちゃんとストーリ-の展開があって、スタートから始まり、バトルあり、給油シーンもあって、ピットスタートして、終盤のバトルにもつれ込んで、表彰台までついてる(笑)
次回F-1のテーマソングに?(笑)
安達:はい!
則竹:まぁ、まずはF-NIPPONぐらいから(笑)「truth」は強敵ですので。
河野:ゲームをしている感覚なんですよね。スピーディーに場面がどんどん切り替わる。
安達:この曲は河野さんがアレンジしてくださったんです。
則竹:よりスポーティーになりました。

All One(安達久美)

安達:以前車で一人本州の海沿いを通って、色んな海の景色を見ながら書いた曲です。リズムが色々変わるんですけど、それも理由があって、波のスピードとか高さとか全然違うっていうのを表現したかった。

X-Wing Fighter(河野啓三)

河野:よく難しい曲を作るんですけども、この曲に関しては一番難しいかも。以前のツアーで曲を書いてってオファーをいただいて、それなら新しい感じの曲をと、世界一の安達久美さんに失礼のないような(笑)
「X-Wing Fighter」は映画スターウォーズに出てくる戦闘機なんですよね。
河野:主人公が搭乗する、翼がX型の戦闘機です。
戦闘機に乗って空中戦をしているっていうイメージですか?
河野:いや...フォースを使っている(全員爆笑)フォースを使って演奏をしている(笑)
清水:イントロからフォース飛びまくってますからね!えらい勢いでフォース聞かされてから、テーマが始まる。

Touch Me Gently(安達久美)

安達:これは私の曲の中で唯一のラブ・バラードです。今まで景色とかばかり書いてきたんですけど、人間の気持ちとかも表現してみようかと思い書いた曲です。お客様からもバラードのリクエストは多かったので。素直に書けたと思います。

Peaceful Time(安達久美)

安達:タイトル通り、ピースフルな曲です。休日の平和な感じが出ればいいな、と。

Breeze改めTribe Drive(安達久美)

安達:曲を書き下ろした時点では、爽やかな風、みたいな涼しい曲を作ったつもりだったんですけど...
清水:俺ら演奏したら、全然爽やかじゃなくなった(笑)
安達:タイトルを変えなければならない程、熱くなった(笑)清水興さんにタイトルをつけていただきました。

Europa 〜 哀愁のヨーロッパ(カルロス・サンタナ)

安達:毎回名曲のカバーは入れていきたいと思っています。名曲は名曲なんで、やっぱりやってみたいんです。
カルロス・サンタナの名曲ですが、PRSゆえの選曲ですか?
安達:逆ですね。この曲をストラトで演奏してるのを、PRSの方がお知りになって、「使ってください」と。
レコーディング中のエピソード等をお聞かせください。
清水:MVPは河野さんですね。寝ていない。僕らの60,000倍の働きをしてるからね、彼は。
安達:レコーディング前から、仕込みについてやり取りをさせていただいて。
河野:1stを作った時は、クラブパンゲアの初めての録音だったんので、どうやって録るっていう方法論がない状態で手探りだった。その経験を生かし、次回作ではできるだけのことをしよう、と前から思っていました。
清水:プリプロダクション、ポストプロダクション共強力でしたからね。精度はかなり上がっています。則竹氏も、言葉を失うくらい、今回は太鼓叩いたよな。最後の一番難易度の高い曲が続いた日、それのトラッキングチェックしてる時やけど、あまりにも集中力のピークが増して、言葉が飛んでくるんですよ、だんだん。もう日本語が出て来ないくらい。そのくらいの時間帯の会話は面白いですよ。ほとんど日本語として成立してないのに通じ合うっていう。究極の状態でのトラッキングでしたからね。相当肉体と精神を使い果たした日があったよね。
則竹:逆に楽勝なレコーディングって、僕の経験でいうとやっぱり楽勝な音しているんですよ。強烈に思い出に残っているアルバムっていうのは苦労したアルバムなんです。今回は決してネガティブな苦労ではなくて、すごくいいものがそこに見えていて、それに近づきたいなっていうものだから、すごくポジティブで。多少言語中枢やられながらも、それでもそこに行きたい。
清水:ビジョンが見えてるから強いと思うねん。ビジョンの見えてない闇の中でええもの作らなアカンって、もの凄い辛いねんけども、見えてたらその苦労はええ感じの緊張に繋がって行くからね。ビジョンが見えてたってことが良かったんじゃないかな。それを絶対に実現するっていう執念は横で感じましたね。
則竹:さっきもall one の話が出たけど、あれももの凄い大変な曲なんですよね。凄い変拍子の嵐で、同じリズムのマトリクスがある中でどんどんとスピードをキャッチするリズムのモーフィングが続くんですけども、それにプラスしてリタルダントしたりアッチェレランドしたりとかする部分が、ライブならでは、なんですね。初めて僕がアマチュア時代の久美ちゃんを見て衝撃を受けたのがこの曲なんですよ。この曲を録音するにあたっての、河野さんのプリポスト、用意周到さは凄まじかった。普通我々のレコーディングではクリックを使うんですが、この曲はない方がとか、色々選択しながらやるんです。河野さんはライブのベストな音源からこの曲にハマるクリックをアナライズして作ってきてくれました。綿密な、凄く優秀な指揮者が、まず地図を書いて、凄いタイミングでタクトを振る。普段僕がやっている活動の中でここまでして、あの曲の状況をオケにするっていうプロセスをしたのは初めてなんで、発見だったし、出来上がったものも凄く満足してるし。
記憶にも残る凄絶なレコーディングだったと
清水:記憶を失うくらい記憶に(笑)
河野:1stの時、今回のエンジニアさんはトラックダウンからの参加だったんですが、普通だったら絶対あり得ないような、やれるだけのことをやってくれてあの作品が出来た。この人となら絶対いいものが出来るっていう、すごい信頼感が出来ました。そういう意味で今回は録りから安心してお任せできました。また、そのエンジニアを支えているスタッフの力も素晴らしかった。
今回初めての伏見店でのレコーディングでしたが、ご感想をお聞かせください。
則竹:音的なことを言うと、メインブース(Ast)が最初に入った時の印象と実際に音を出してみたときの印象があまりにも開きがあって。清水興さんの言葉でいえば「空気が動こうとしていう」というか、ちゃんとドラムが一体で鳴るっていうか。「あぁ、これいい音がとれるんじゃないか」っていう。それがもの凄く嬉しかったですね。あとは最後全ての作業が終わって帰る時に、よく一流の名門旅館であるような、お客さんの姿が見えなくなるまで頭を下げるスタッフ。あれは僕はスタジオ業界ではここしか知らない。
清水:凄いね、ホスピタリティが。天下一です。
ありがとうございます!!!
今後の活動への抱負をお聞かせください。
清水:こういった精度の高いレコーディングを経験したからには、ライブはさらにこれをぶち壊すべく、更なる境地に行かなければならないと思うし、それが多分出来るバンド。まずはミックス頑張らないといけないんですが、年明けのツアーはまた面白いことが起きるんじゃないかな。
則竹:レコード屋さんの棚に商品が並ぶまでがレコーディング。各段階でやらなければならないことがあって、そこは今回のスタッフにも切にお願いするとともに、発売を首を長くして待っています。今回、前回よりも更にグルーヴを高められたのは、たゆまぬライブ活動の力がとても大きいと思うので、2008年も皆さんお忙しいですが、なるだけスケジュールを合わせて今まで行っていないところにも今回のアルバムを引っさげて行きたいですね。
河野:インストゥルメンタル・ミュージックは作曲の部分が非常に大事で、このアルバムには本当にいい曲が収められています。
安達:ツアーで、今までよりパワーアップした姿をお見せしたいです。またもっともっと曲を書いて、3rd、4thと発表していきたいです!
ありがとうございました!
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