スペシャルインタビュー JABBERLOOP | スタジオラグ

スペシャルインタビュー
JABBERLOOP | スタジオラグ

スペシャルインタビュー JABBERLOOP × 安達久美

安達さんはジャズ~フュージョン、JABBERLOOPさんはクラブジャズというシーンで活躍されていますが、それぞれのシーンはどのように映っていますか?
DAISUKE:「ジャズ」って付くものの、僕らのクラブジャズって、普通のジャズからはすごく離れたところにいるんですよね。やるハコも、ライブハウスじゃなくてクラブがずっと多くて、デビューして2年くらいほとんどクラブばっかりでしたね。「ジャズ」って付きながらいわゆるフュージョンでもなければ4ビートでもないし。何が近いんやろね。
MELTEN:リスナーさんがすごい分かれてると思うんですよ。ジャズ~フュージョン、正統派なタイプとクラブジャズとは。ルーツを辿って行くと同じアーティストに辿り着くと思うんですけど、そういう意味では共通する部分もあって、聴き比べると面白いんじゃないかと思いますね。ジャズとかフュージョンが昔から根強い人気なんですけど、クラブジャズってここ最近ちょっと盛り上がってきたジャンルで。
安達:お客さんのファン層とか全然違うよね。多分もっと私らよりも、年齢層若い気がする。私のお客さんは大体40~50代とかの世代の人が8割くらい。若い人が、逆にほぼいない。お父さんに連れられて来た子供達がいるくらいで。JABBERLOOPはどんな感じですか?
YOHEI:結構幅はあるけど、同い年か下くらいが多いですね。
MAKOTO:多少ポップスライクなところがあると思うんですね。言い方色々あるんでしょうけど、聴きやすいとか。クラブジャズって「ジャズ」って付いてるけれども、ジャズっていうのが付いてるのが一つの軸にはなってるけれども、それで守られていることろがあって、モラルというか。ジャズって付いているだけで、以外となんでもあり。色んなジャンルの音楽、エッセンスが混ざっている気がするんですけれども。
JABBERLOOP | スタジオラグ DAISUKE:ジャズなのかロックなのかってとこでよく言われるんですけど、どっちもなんですよね、僕ら。ただインストってところと売り手側がどこに行けばCDがあるのかとかというところで、ジャンル分けされているという感じはありますね。
MAKOTO:ビジネスな香りがするとか、ファッションとか。
DAISUKE:デビュー当時からずっと言ってたんですけど、ジャズって常に時代の最先端にいる音楽だと思ってるんですよ、僕ら。ジャズっていうとスイングだったり4ビートだったりっていうのが最初に入ってくるところが多いじゃないですか。だけどマイルスだったり常に尖った人多いじゃないですか、先端の人達って。貪欲に色んなジャンル取り入れたり奏法取り入れたり多様性が凄くあって、色んな音楽の中でもかなり間口の広い音楽がジャズなんじゃないかと。だからそういう、奏法的なジャズっていうよりも、精神的なジャズが出来るバンドになりたいよね、ってところが最初のコンセプトだったりしますね。
MAKOTO:同じインストバンドで、安達さんはギターでメロディとられるじゃないですか。僕らはトランペットとサックスなんですけど。歌が無いっていうところで、プラスもマイナスも考え方次第であると思うんですけど、メロディで聴かせる訳じゃないですか。曲作りとか、ステージングとかの面で、何かこだわりとかありますか?
安達:曲は、ただセッションぽくやっているような曲じゃなくて、しっかり作りますね。構成とかアレンジとかしっかり考えて作って。歌が無いので、お客さんにどうアピールするかっていうのは私も常に課題ではあるんですけど、ステージングであったりとか。よくジャズ~フュージョンの人とかのライブを見に行くと、譜面を見て下向いて難しそうな顔して弾いてたりするじゃないですか。ああいう風にはならんとこ、みたいな。そういうのはあって、最近でもステージ衣装であったりとか、パフォーマンスっていうか、私の場合はギターを弾く、ステージングっていうのは、のけ反りながら弾くとか、派手なアクションはするようにして。それだけでは駄目なんかな、と思って日々試行錯誤してますけど。楽曲作りでは最初は映像を彷彿させるようなテーマで作ったり。
MELTEN:構成とかアレンジに拘って作るのは僕たちも一緒だと思います。例えば2回同じメロディが続くところだと、どう同じ風に聴こえないようにするか、というのを結構考えて。歌詞がないので。
安達:「All One」という曲があって。私は譜面は読み書きしない派なんですよ。その「All One」という曲を書いた時は20歳位の頃で、実際譜面が読めなかったんですよ。とりあえずマップみたいなのは作るんですけど。自分が本州の海沿いを車でずっと一人旅していた時の道順をずっと書いてたんですね。太平洋とか行ったり、津軽とか行ったり日本海行って、瀬戸内海通ってとか。そういうマップを作って、各所の海をイメージして曲作りをしたのを、ブロック的に組み合わせて。だからテンポは一緒なんですけど、リズムの取り方を変えたりすると、スピード感とか変わってくるじゃないですか。そういう作り方をした曲なんですけど。ライブでは、できるだけお客さんにイメージを伝えて一緒にはまれるように、工夫したりします。出来るところではPVを使ったりとかして。
YOHEI:なるほど、映像と演奏をリンクさせて。
安達:結構効果ありますね。
DAISUKE:確かに、歌詞がない分、そういう絵が描けるっていうのはインストの強みですよね。本と違うから、世界ってお客さんによってそれぞれ違うと思うんですよね。そこはいいですね。
MELTEN:歌詞があると想像力が限定されてしまうと思うんですけど、歌詞がない分、聴き手が色々な捉え方ができるんで、その辺はいいですよね、強みが。
YOHEI:1回RAGで、このメンバーじゃない時のJABBERLOOPの時やけど、全部真っ暗にして、VJ入れてオール同期でやったことありますね。深夜になったら降りてくるあのスクリーン使って。
DAISUKE:あれ面白かったな。
安達:VJさんはVJさんでアーティストなんで、こだわりがあったりしてそのコラボがけっこう楽しかったりする。
DAISUKE:実際やってる方は悲しいことに見えないですけどね(笑)
安達:「Winners!」っていうF1をテーマにした曲では、スタートからバトルになってピットインもあって、またバトルになって、ゴールしてシャンパンファイトっていうテーマの組曲で、その時にバックでF1をスクリーンで流したりとか。
DAISUKE:映像と合わせてるんですか!面白そう!
安達:キーボードと私が延々Xタイムでバトルするところがあるんですけど。そこのバトルも、VJさんがついてきてくれるんですよ。バトル終わったところで、切り替えて次進むっていう。
DAISUKE:へ~!凄い!毎回やってるんですか?
安達:出来るところではやりたいと思ってるんですけど。名古屋のボトムラインとか、Vがしっかり出せて、ミュージシャンの邪魔にならない高さがあるところで。
MAKOTO:初めからこういうのがやりたいというイメージを持って、パンゲアはやられてるんですか?
安達:そうですね。メンバーの皆さんが、私の絵画的な曲をどうやって料理するかっていうところで楽しんでくれてるんで。譜面もここは日本海のイメージとか、夕焼けの波とか、文字で書いて、それぞれのテクニックの中でイメージ、インスパイアしてサウンドになっていきますね。
DAISUKE:僕らも最初の頃はそういうのが多くて、曲の場面場面でイメージするというよりは、もっとざっくりなんですけど、例えば1stの「Missing My Bird」ってバラードがあるんですけど、これは皆で熊本行った時に夕日見てMELTENが思いついたり。こういうメロディをこの風景ぽいのでやってみたい、とか。1枚の絵を想像しようっていうのはよくやったよね。
MAKOTO:最初闇雲のときは、いいメロディができたらそれで作り込んで1曲出来てでライブでやるんですけど、やっぱり歌詞がないからいい曲というのも人それぞれだし、何か発信するものがボケると言うか。そういう中で歌詞がないとかインストバンドっていうことをもう少し自分らの中で掘り下げてみようということで、何かをテーマにしようと。「6th Continent」っていう曲を作ったときとか、「6番目の大陸」がもしあったらどんな大陸なんだろうな、っていう想像から、大地創造の雷が落ちて雨がガーと降って、木が生えてとか。
DAISUKE:隕石が落ちて来てできたんじゃないか、とか。地下から湧いて来たんじゃないか、とか、それ違うな、とかね。
MAKOTO:曲も安達さんのF1の曲みたいに細かい描写とかじゃないんですけど、総合的に何かメッセージを、という。
MELTEN:曲タイトル先に付けて、イメージを固めてからアレンジとか構成を決めると早かったり。逆のパターンもあるんですけどね。曲があって、大まかなイメージだけ作曲者が伝えて、構成とかアレンジとかが出来上がっていったら、じゃあタイトルこういうのでいいんじゃない、っていうケースも。
安達:私達のバンド名にもなっている「パンゲア」は、「6th Continent」の逆ですね。5大陸の前の、地殻変動で分裂する前の1つの大陸がパンゲアで、パンゲア大陸が地殻変動で分裂していく様を描いた曲で。その曲がもともとあって、それからバンドを結成してclub PANGAEAという名前をつけようということになって。何か共通点ありますよね。
MAKOTO:ヴォーカルを迎えたいとかいうことはないんですか?
安達:迎えるより歌いたいという(笑)できれば歌いたいです(笑)
MAKOTO:今のところまだないんですか?
安達:この3作目でベースの清水さんが1曲書いてくれたんですよ。その曲が「Lady Plays Guitar For You」という曲で、タイトルを叫ぶ部分があるんですけど、その部分だけを、ライブではメンバー全員でハモってやってますね。
MAKOTO:インストっていう括りがあって、ヴォーカルを入れる入れないとかは意外に大きなことだったりすると思うんですけど、楽器と言う意味合いで声を使ったりするのは色々広がりがあっていいのかな、とか。人の声っていうのは安心しますよね。ずーっと楽器だけの音の中で、ちょっと声が入ってると。
MELTEN:お客さん的にも、そういうやってる人達の違う一面が見れたりして面白いんじゃないですかね。
安達:そうそう。
DAISUKE:誰でもできる楽器の一つやからね。一番とっつきやすい。
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