スペシャルインタビュー 六合 4/5|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
六合 | スタジオラグ
ちなみに構成にABCとレッテルをつけていくと、どこまであるんですか?
原田:録ってて「Fってどこ?」ってなったな。
内田:Fはざらに出てくるで。
積田:Jとかまでいくことある。
内田:JとかKとか。セクションだけで切っていったら、アルファベットの後半に差し掛かったりとかいうこともありますね。前半の4曲とはまたちょっと違った世界観・空気感で、アルバムの丁度真ん中、折り返し前の場所で、すごくいい場所に収まったなという感じですね。
折り返しての6曲目が「未来産声、過去亡骸(みらいうぶごえ、かこなきがら)」、これもエレクトロなテイストが入ってますね。
積田:これは前のバージョンを無料配布したり、WEB上で公開してたり、世間的には発表した曲ではあるんですけど、今回の編成でもう1度練り直してみようじゃないかという、何曲かそういう曲があるんですけどその中の代表格かなと。アップテンポでノリがいいというのがあるんですけど、アルバムの中間ちょっと空気が変わって、また終わりに向けてどんどん広がって行く、盛り上がって行く入り口になる曲かな、という感じです。
他の曲もそうかも知れませんが、すごいコード進行ですね。。
積田:基本的に曲を作っている時に、アレンジの方向性みたいな、大体こんな感じみたいなのを、打込みと自分でギターを弾いて仮歌録ってという形で渡すんですけど、そこからさらにキーボードの俊介がコード感を変えたものを鍵盤で乗せたりするので、結果的に複雑なコード進行になってるのはありますね。
仲出:デモをもらって音取る時に、あまりセオリーが通用しないですからね。真面目にちゃんと聴いて取っていかないと(笑)
原田:ラモーンズやったら聞き終わる前に多分全部分かるけど(笑)
内田:それはラモーンズやAC/DCの良さだと思うんですけど、僕らの場合は予測できないコード進行であったり曲展開であったりっていうのは持ち味の一つなので。この曲はやっぱりイントロのリズムかな。
積田:あのユニゾンは、やらしいな(笑)
内田:初めて聴いた人は何拍子か分からなくなる感じ。4/4なんですけど、ちょっと変わったことをやってるので。
原田:俺譜面書きましたからね。全然分からんかった、最初。。
内田:もともとデモにはこのユニゾンはなかったんですけど、もっとインパクトのあるイントロが欲しいなと。曲がカッコ良いから、頭からガツンと来て欲しい。サビに来てカッコ良い!とかじゃなくて、最初から、聴いた人が「え?何これ?」って思うようなインパクトが欲しいなと思って。変拍子にするとノリにくくなってしまうので、4/4は崩さずにその中で変拍子的なアプローチをやってみた感じです。
確かにインパクト絶大ですね!
内田:自分で思いついた時に、「これかっこいいな!」って普通に思いましたからね(笑)「絶対かっこいい!メンバー嫌がるやろうけど。。」と(笑)そこは結構聴きどころですね。イントロのインパクトを、Aメロ・Bメロ・サビと全部それを引き継いでテンションが高いまま曲が終わる。凄く勢いのある、ライブ向きな曲です。
積田:それを6曲目に持って来るという。「この緊張感、6曲目?」(笑)
内田:僕の中ではB面の1曲目という位置づけですね。
7曲目は「分仁(わかつびと)」です。この曲はすごく低く重く聴こえたのですが、7弦ギターを使ってますか?
仲出:6弦を1音半下げのさらにドロップでやってるので、7弦と同じBが出てます。
積田:「ズッズッズッズッズ」っていう刻みが珍しく入ってるのもあるかも?
内田:メタルっぽいよね。
積田:ああいう感じの刻みは珍しいよね。
原田:最初は8分だったんです。何か違うな?と思ってる時に、Megadethの「She Wolf」を聴いて「これだ!」ってなって。
内田:ヘヴィなところはあるんですけど、リズムはそれほどヘヴィな感じではないんです。ドラムだけちょっと跳ねたようなリズムで、ロック寄りなアプローチではありますね。
原田:チャド・スミスみたいですよね?ずっとゴースト・ノート聴こえるみたいな。レッチリとMegadethが混ざるとあんな感じ(笑)
内田:ベーシックな部分はそんな感じではあるんですけど、現代的な感じのキメとかアクセントになる部分もあったり。
仲出:そこからあのサビがあるからキャッチーに聴けるんですよね。
内田:サビがなかなか出て来ないからね、この曲。
仲出:ギターはずっとコードトーンとか使ってあまりコード感の出るようなフレーズはないままで、サビで一気に広がって聴こえるようなギターを入れてますね。
内田:アルバムの中では一番短い曲ではあるんですけど、その割には色んな要素が入ってるかな。ドラム的には最後のサビ前のフィルを、大好きなRUSHのニール・パートに捧げてます(笑)
8曲目「荒霊(あらたま)」はアコースティックな曲ですね。
仲出:もともとアコギは入る予定なかったですもんね、プリプロの段階では。最初はエレキのクリーンでやってて。
内田:これはアコギが絶対あった方がいいと思って、このフレーズをアコギで弾いて欲しいとお願いしたら、それがすごくいい感じにはまって。アルバム前半にある「薄暮へ」と同じスローな曲ではあるんですけどまた違った世界観を持っている曲ですね。
積田:「薄暮へ」なら、最後に向かってどんどん盛り上げていって盛り上げていって終わります、みたいな感じですけど、「荒霊」はAメロBメロと言われる部分の歌のメロディを聴かせて、そこにぐっと耳を持っていくのをイメージして作っています。サビはサビで盛り上げてるんですけど、それ以外の部分に他の曲よりは比重があるかなというのが、歌的にはありますね。そういうところも意識して聴いてもらえると面白いかなと思います。
内田:この曲は音数という意味では凄く少ない。空間が空いてて、音を詰め込む方向でのアレンジというよりは音を抜きつつ色んなフレーズで聴かせる、みたいな。一つ一つのギターも、アコギのフレーズとエレキのフレーズでの絡みがあったりとか。六合の中では少数派なアレンジの仕方。聴きどころはやっぱりあれじゃないかな、渾身のギターソロ。
ギターソロ部分はリズムが複雑ですよね?
内田:変拍子ですね。変拍子の中で、ギターソロはワウを踏んでいる。
原田:唯一70年代風ですよね、あそこが。
内田:現代的、ではないギターソロ。あそこに行くまでの雰囲気が、映像が見えるような展開になってるんですよね。そこがこの曲の中では一番聴きどころじゃないかな?
積田:サビが終わって、間奏に向かうところから神秘的な空気になって、ちょっとレトロ感のあるギターソロに入って行くところが。
内田:あれ、変拍子の上でソロ取るのって大変じゃなかった?
原田:大変やった。。
仲出:きっちり書き譜したソロなら考えていけばっていう感じですけど、ああいうフィーリングから出るギターソロはなかなか。
内田:作曲されたソロもそれはそれで好きなんですけど、あの感じでそれをはめても多分それは合わないなと。ほぼアドリブで弾いてもらって。リズム隊は変拍子で演奏してるんですけど、ギターソロはそこにかちっとは乗ってないんですよ。それがすごく漂ってるような感じで気持ちいいというか。ギターソロもぴったりリズム隊のリズムに合わせちゃうと、心地良い感じが出ない。
なるほど!それであの独特な感じが生まれているのですね!
内田:拍子自体ちょっとややこしいんですけどね。5・5・6・6になってます。
積田:逆やったら六合(65)になるのにとか、しょうもないこと言うてたな(笑)
内田:試してんけどな(笑)
積田:試してんけどあんまりかっこよくなかった(笑)