スペシャルインタビュー ワゴンズ|スタジオラグ

ワゴンズ | スタジオラグ

スペシャルインタビュー ワゴンズ

初めて会った10年以上前から、梶本浩司のメロディには色があった。3人編成となったワゴンズが放つ新作「醒めて見る夢」は、変わらぬ良質のメロディと変わりゆくバンドアンサンブルが交錯する意欲作。ロングジャーニーの途上、ワゴンズの"現在"に迫る!

本日は5/26発売の新譜「醒めて見る夢」を中心にお話しをお伺いしたいと思います。現在の3人編成になったのはいつくらいでしょうか?
梶本:2009年の7月ですね。 ギターの林君が抜けると決まったのが3月だったので、もう1年以上ですね。
斎藤:前作のレコーディング中にギターの音を録り終えた段階で抜けるという話になって、その撮影であったりとかが始まる前だったんで、前作は音は4人で名義は3人という形でしたね。
梶本:4人のアレンジしか作ってなかったし、いきなり3人にするというのも現実出来なかったから。アルバムは今回3枚目ですけど、全作メンバーが違うんですよね。2枚目が出るとなって、林君が抜けると決まったから、アルバムとは違う音でツアーを回らなければならなくて。ツアーが終わって即座に「3人の音を出したいよね」という意見がまとまって、9月には今作の企画段階に入って11月から録音開始予定になって。だから前のアルバムが出て半年経たないうちに、今回のアルバムの制作に取りかかったっていう。そこまでは良かったんだけどね。
え?そこから後は…
梶本:精神的にかなり追い込まれまして。
大変な期間を経て、ようやく完成した、ということですね。3人編成になって、特にアレンジや、曲作りにも変化がありましたか?
梶本:3人で出すという音のイメージはちゃんと出来上がりつつあって、フレージングとかもすごい変わった。3人で音を出すってなった時に、俺自身はギタリストじゃないんで、ソロで埋めるとかそういう発想はないんですよね。元々がヴォーカル&リズムギターなんで。プレイ面でのアイデアはリズム隊二人に思いっきり頼って、俺はその素材を作る、みたいになりましたよね。作曲の方法は変わったけど、あんまり難しいコードは使わなくなったかもしれない。
必ず曲のどこかでは仕掛けが登場しているとは思うのですが。
梶本:ディミニッシュとか、曲のフックになる部分は作りますけどね。「ちょっとひねってんな」って聞こえるような感じの使い方はしてます。
特にベースプレイやライブでの動きは大きく変わったのでは?
北村:大分変わりましたね。前4人でやっていた時はやっぱりリードギター含め上モノの音があるから何もしなくていい部分とかも、3人だと何かちょっと物足りないなと思ってしまって。スペースがあるからここでオブリ入れたりとか、自分のプレイを前面に押し出していかないと、埋もれてしまうんですよ。個性をどんどん出していかないとバンドの色にならないというか。その辺はすごい意識するようになりましたね。ライブでのパフォーマンスとかも、(梶本さんが)ギター持って歌ってるし、(斎藤君も)ドラムで座って動けないじゃないですか。だから動きとか、前の方出て行ったりとかは、意識してやるようにしています。
フロントマンという感じ?
梶本:3人ともフロントマンやね。
斎藤:4人でやってると、やっぱりギターってちょっと前に出る楽器というか。リズム隊と言われるから、ドラムとベースが下で支えて、上にギターとギター&ヴォーカルがいる感覚の、音作りもそうだし、立ち位置・見え方も多分そうなると思うんですよ。3人になって、僕からしたら梶本の立ち位置がずれたのでお客さんから直接見えるところになった訳ですよ。フロントマンが2人だったのが、ある意味3人になった感じなんです。一人減ったというよりも。ライブ感とかが逆に増してると思うんですよね、3人になったことで。自分も直接お客さんの顔が見えるとか、自分のプレイがダイレクトに伝えやすいという感覚になってますね。
今のワゴンズサウンドは3人のサウンドという感じですね。これまでの活動を見てきて、梶本さん的には「4人」のサウンドにこだわりがあるのかなと勝手に思っていたのですが。
梶本:あったけどね、正直。ギターソロとかすごい好きやったし、かといって3ピースのバンドを認めてなかった訳でもないけど。3人でやり始めてから、小手先というか難しいことが出来なくなった分、すごいストレートに表現ができるようになった。これが3ピースの醍醐味か、みたいなことは感じるようになって。4人でやってた時より3人になってからの方が、ちゃんとバンドしてんな、っていう気持はありますな。かといって今度は4人バンドを否定している訳ではないんですけどね(笑)。方法論として、4人という編成はガチで正統、正攻法な感じじゃないですか。でも3ピースになって、正攻法なこともできるけど、それよりもストレートに感情をぶつけなければ楽曲の良さが出ないとか。あと、変化球的なバンドアレンジもできるというか。3人になってから可能性の無限さみたいなのは感じてますね。
完全に3人での制作となった今回の新譜ですが、書き溜めた曲を録っていったのではなく、録りながら書くという同時進行だったんですね。
斎藤:当初の予定では2009年中に元の音は出来上がって、年明けてからミックスという予定だったんですけど、楽曲作成が難航しまして。アレンジが完成しないというのなら自分らで頑張ればいいんですけど、どうしてもうちのバンドは楽曲の元を作ってくるのが梶本なので。もちろん別に俺らが作ってもいいんですけど、もともと梶本浩司の歌と曲に賛同してる人間が集まってるんですよね、ワゴンズって。そこで感じるプレッシャーもあっただろうし。12月1月は相当しんどかったと思うんですけど、結果的には1月に録り終わってそのままミックスに入って。納得のいく6曲に仕上げられた感じはすごくしてるので、良かったなと思います。大変でしたけどね。
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