スペシャルインタビュー ワゴンズ 3/5|スタジオラグ

ワゴンズ | スタジオラグ

スペシャルインタビュー ワゴンズ

では3曲目「光の向こう」です。
梶本:これも俺的にあまり推すつもりがなかったというか。去年の8月くらいに作ったんですよ。歌詞もなにも考えずに前後の繋がりとかも一切考えずに作ったんですよね。でも端々から匂ってくるフレーズのおいしさみたいなのは感じてて、これも真面目に素材と向き合って、自分と向き合ってどう料理するか考えた時に、これは大サビを変えた方がいいとか、ハーモニカを足してみるとか、自分で自分の作品リメイクみたいな感じを施していったら、結構壮大なバラードが出来上がった、みたいな。
斎藤:大分生まれ変わりましたよね。元々真ん中の大サビの部分とかハープの部分とかなくて、違うものが入ってたんですけど、それではちょっとライブでもまだやれない、固まり切ってない状態だったんです。個人的にはメロディの入りであったりサビであったりがすごい好きだったんで、何とかしたいなと思ってたんですよ。という話をしてたら、新しいハープのアレンジだったりとか、大サビの部分を作ってきて、それがすごくハマって、「これはいいぞ!」となって。レコーディングして、ミックスして進めていったときに、今回全曲鍵盤で杉本君っていう人が弾いてくれてるんですけど、
梶本:元ワールプールっていうバンドの。
斎藤:「光の向こう」に関して、オーケストラアレンジを作ってきてくれて、それがもうバッチリハマって。最初入れて聴いた時めちゃテンション上がったんですよ。「これは生まれ変わったぞ」と思って。ライブでは当然3人でやってるんで、3人の音なんですけど、自分の中で聞こえてくるんですよ、その鍵盤の音が、オーケストラの音が。すごく曲の雰囲気であったりとか壮大な感じというのがマッチングして、大曲な感じに仕上がったなって。
北村:ストリングスとかが入ることによって解釈とかも変わって、ノリとかグルーヴ感とかも重厚な8ビートのバラードという感じに変わりました。ライブでやるにあたってのイメージ的なものがすごく変わりましたね。
梶本:ライブとレコーディングではフレージングが違うことは往々にしてありますけども、ベースに関してはかなりライブでのグルーヴ感が変わりましたな。それは是非ライブで確かめていただきたいと。
ライブでのお楽しみですね。
梶本:やってる俺らの耳ではストリングスがライブの時流れるし、お客さんにもそういう風に聞こえるんじゃないかな?この大サビの歌詞とか、どんどん切実になってきてるんですよ。これもレコーディング中に作ったので、「辛い時代を超えたら」ってあるでしょ。辛かったんですよね。
斎藤:全体は8月くらいに出来てた曲なんで、大サビの部分だけ歌詞も含め後で出来たんです。大サビってちょっと他の歌のパートとかよりもちょっと浮き立たせたくて、作った時期が違うからより浮き出たメッセージ性になったと思うんですよね。それがすごく曲のアレンジにすごくあったなと思いますね。一番訴えかけてくるところというか。
北村:現実味をすごく帯びた感じが、時間が経って付け加えたことで、今の自分の気持とか向き合っている気持とかが出てるなと思いますね。
では4曲目「ロングジャーニー・センチメンタルブルース」です。
梶本:これはゴリゴリのロック曲を作ろうと思って。前作「夏のぬけがら」ツアーが終わった時に、所謂盛り上がる曲、ライブ曲がないなというのを自分で痛感したし、バンドとして爽やかなイメージでみられがちやったんです。でも俺達バンドも長いし色んな音楽好きやし、方法論としてはそれぞれ持ち合わせてる、色んなバンドもやってきたしね。ゴリゴリのロックというのはポテンシャル的に全然出来るんですけども、あまりにもイメージが違うんじゃないかっていう危惧はあったんですね。でも俺はそれ作った時に、そこで俺が歌ってたらそれはワゴンズやし、そこで皆メンバーが演奏してたらそらワゴンズやし、何やったって大丈夫やっていう予感があったんですよ。ゴリゴリのロック曲にしては、Bメロがゴリゴリのロックバンドにはできないメロウな感じも出るんですよね。けど当初持ってきたときは、ちょっと違和感あったでしょ?
斎藤:あったけどね。例えばギターのリフが特徴的な曲ですけど、それだけを聴くと、「これワゴンズでやんの?」みたいな。というか「梶本浩司が歌うの?」と思ったんですよ。ですけど、メロディが入ると途端に梶本の曲になるんですよ。これがすごい面白くて、多分このリフ、このコード進行でこういうメロディが出てくる人って、いないんじゃないかなと思うんですよね。そのワゴンズの色があって、それによりライブ感が出せる、よりロックな色が出せるアレンジがしやすい曲でもあったし、最終的には全然違和感なくだったんですけど。メロディ聴いてすごく納得した感じですね。
イントロだけ聴いたら、「オルタナやん?」ってなりますもんね。タイトルはどういう意味なのですか?
梶本:ロングジャーニーというのは長い旅ですよね。人生のことで。センチメンタルブルースは。。。長い人生は感傷的なブルースである。
斎藤:センチメンタルジャーニー?
梶本:そうセンチメンタルジャーニー、松本伊代か!16だからか!みたいな。
斎藤:センチメンタルジャーニーもねらいとしては同じ意味だよね?
梶本:いや、あれはただのあれやろ?
斎藤:いや、それの大人の男版。
梶本:一番面倒くさいやつだね(笑)
斎藤:意味合い的なところでは(笑)
梶本:あれは渚に誘われただけやで(笑)センチメンタルジャーニーは傷心旅行ってことでしょ?
斎藤:それはじゃあ、違うね。
梶本:東京からやってきた女の子が、疎水のほとりを眺めながら、あの人を忘れよう、としているみたいな(笑)それがセンチメンタルジャーニー。
斎藤:多分4人のときのワゴンズだったら、OKが出てないタイトル、なかっただろうタイトルですね。ストレート過ぎて。
ブルースという単語もよく登場しますね。
梶本:ブルースを感じるね。ブルースってね、命そのものやと思いますよ。背負ってるんちゃうかなって。
斎藤:ブルースって背負ってないと出来ないと思いますよ。所謂ブルースって、苦しみとか悲しみから生まれてくる音楽じゃないですか。それこそ人生の縮図的な部分でもあると思う。だからあの切なさだったりとかが出ると思うんで。そういう凄く広い意味でのブルースと言ったら、ワゴンズの音楽もブルースですよ。ジャンル的には違うけど、メッセージというか、そういう意味では。
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