スペシャルインタビュー Live House nano もぐら店長 2/6|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
Live House nano もぐら | スタジオラグ
出会いの力というところですね。
ところで、もぐらさんはPAをやってらっしゃる時に盛り上げるダンスを踊ったり、転換時には歌を歌ったりしてるとお聞きしたのですが。
いやいや、ダンスはやってないですよ、普通にオーバーアクションなだけで(笑)歌はね、労働者は…歌いますよ(笑)
ああ、基本ですね(笑)
そう、基本(笑)転換中には歌いますね…好きな曲流れてたら歌うやん(笑)
そうですね(笑)でも、そのようなところからフェスやライブに行った事のないような子達に、音楽の聴き方や楽しみ方を伝えているように感じられるのですが。
そうですね、それを意識しているところもあります。僕は演奏はしないけど、その夜を作るわけじゃないですか。…遊びに来てくれたお客さんが楽しめるように、PAもして転換中のSEも自分で選んでかける。中には自分のやりたいように遊んでくれる人もいますけど、そうじゃない人もいますよね。“誘われて遊びに来てみた”みたいな。そういう人やライブハウスに初めて来たという人が楽しんでくれるようにしたいですから。思うに、自分から進んで楽しもうとしてくれるお客さんというのは、僕が理想とする数にはまだまだ届いてないんです。…でも、30~40人くらい入ると「客が入ってる」空気が出るnanoのキャパだと、3・4人くらい盛り上がっている人がいたら、全員が盛り上がれるんです。「あっ、いいんや、それで」「そうやって楽しめば自分も盛り上がるな」という感じで。「このイベントはこうやって遊ぶんやで、楽しむんやで」という方法を教えてあげる事がオーガナイザーの仕事だと思ってます。
自ら実践してみんなが楽しめるようにしてゆくのですね。
正直、僕はよくPA放ったらかしにして客席で見てます。6割くらい生音ですし、編成の簡単なバンドとかだったらですけど(笑)「このバンドかっこいい」って思ったら自ら盛り上がりますし、ダイブとかもしますから(笑)
Live House nano もぐら | スタジオラグ
店長自らダイブとか面白過ぎますよ(笑)
僕はダイブとかモッシュは、むしろやるべきだと思ってます。あまりにむちゃくちゃ暴れてたり、何か壊してしまった時は「あかんぞ!」とは言いますけど、でもそういうものって自然にしてしまうものですし。あらかじめ、“モッシュ・ダイブ禁止”って公表しておけば、何かあった時に責任問題とか気にしなくて済むのだとは思いますけど、僕は書きたくないんです。「ボロフェスタ」でも、モッシュ・ダイブを禁止してないんですよ。
普通はどのフェスでも諸注意のところに結構書いてありますよね。
でも、書かないんですよ。「自己責任で行ってください」って感じで。1回MCとしてステージ上で公言したこともあって、すごく盛り上がりましたね。思いっきり楽しんで欲しいし、それを体裁とか形式上のためとはいえ、表立って言いたくない。むしろドンッとやって欲しい。主催者が楽しみ方を教えるのが基本だと思ってますから。
nanoでも立ち上げ当初からそういった精神でやってらっしゃったのですか?
うーん、どうだろう…。そういうオーガナイザーとしての哲学みたいなものは「イベントを組む」という文化の中で育ってきて、意識的に身に付けたものではないんでね…。自然と培われてきた事ですから…
なるほど、いつの間にかというわけですね。
ところで、もぐらさんはPAをされる時、どのような事を注意してやってらっしゃるのでしょう?
そうですね…中音についてはよくアドバイスします。例えば、よく出演している子達だったら気分によって「今日、ギター出したいんすよ」「おうおう、出せ出せ」というやり取りをしますけど、やっぱりやり慣れてない子達や初めての子達だと、多分音の作り方が他のハコと全然違うように感じられると思うんですね。特に出音の出し方が全く違うから、こっちが言ってあげないと中音が爆音なのに「ボーカル浮かせてください」とか言われてもPAの方では如何ともし難い。「うちではこういうやり方でやってるから、こうやらないとよくならないよ」って言ってあげたりしてコミュニケーションを取る、それがPAというものですしね。限られたリハーサル時間の中で、どうコミュニケーションを取りながらやっていくか、どこで“バンドとPAの最大公約数を見つけるか”という事がなによりの作業だと思ってます。だから、バンドの人見知り加減とかは置いといて「自分はこう作ります」っていうPAがいるけど、そういうのはすごく嫌だな。
すごくバンドと対等な目線なんですね。
そうですね。例えば、割とがっつり音楽やってるバンドが初めて出る時、「なめられたらアカン」という気持ちで来るだろうし、そのケンカを大いに買おうという感じです。でもそれは、うちの音作りが特殊だからそういうコミュニケーションによって、「うちではこうやるとええ感じやで」っていう事を教えてあげつつ、且つ向こうの美学も尊重するという事に繋がるんです。楽しくライブやってもらいたいですしね。
なるほど、特殊な音作りなんだという事を独特の方法で伝えてるのですね。
音作りに関連しますが、ライブハウスはそれぞれ、箱の鳴り方や中音の作り方が様々であるために、同じバンドでもライブハウスによっては見え方が違ってきたりすると思います。そういった違いがあるからこそ、ライブハウス毎に個々のバンドに対する評価が生まれると思うのですが、その点についてもぐらさんはどのようにお考えなのでしょうか?
そうですねぇ…「ここで見るこのバンドはカッコいい」とか、そういうのは精神論だと思います。ホームではすごく良いライブをするのにアウェイには弱いバンド、逆にアウェイでやる方がケンカを売ってる感じが出てカッコいいバンド、色々いますけど、それは本当にメンタルな部分であって、フィジカルな“音そのもの”の話になると、このバンドは「どこどこで見る方がカッコいい」というのはない。と言うのも、色んなところでライブを見て来て思った事だけど「カッコいいバンドはどこでも同じ音が鳴ってる」んです。絶対的な音量差があるだけで、どこでも同じ音が鳴っている。FANDANGOに出てもスッキリした音を出して、nanoでも良い音廻りを見せる。それは自分達で「この箱はこういう音だから、ここを突いたら(もしくは抑えたら)俺らの出したい音が出る」という事をちゃんとコントロールできてるんですよね。もちろん最初は難しいかもしれないけど。…そういう事が出来るバンドがやっぱり音楽家としてカッコいいバンドであると思っているから、箱によって“音そのもの”のカッコ良さの感じ方というものは、あまり変わらないですね。
詰まるところ、「カッコいいやつはカッコいい」という事でしょうか。
そう、結局はそういう事なんです。でも、最近はPAシステムがしっかりしている所が多いから、それに頼り過ぎてるバンドも多いですよね。どこでやってもドラムが「ドン!カーン!ドン!カーン!」て鳴る。そういった所でやり慣れてしまってるバンドがうちでやると「バシ、パス、バシ、パス」という感じになってしまって「ドラムが鳴ってないよ」って言う。…やっぱり生音を飛ばすのは大事だと思うんですけどね。
そうですね、ホントにこのnanoの空間だと生音がメインになって来ると思います。
特にドラムに関してはPAの方で如何ともし難いところがあるので、専門家にメンテナンスをしてもらったり、よりアタックが飛んで来るようにするにはどうしたら良いか等相談したりしてます。
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