スペシャルインタビュー Live House nano もぐら店長 3/6|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
Live House nano もぐら | スタジオラグ
話は変わりますが、もぐらさんと言えば毎年秋に行われる京都の名物フェス「ボロフェスタ」の主催者のお一人ですが、そちらについてお聞きしたいと思います。主要メンバーにはどなたがいるのでしょう?
僕とゆーきゃんと、『Limited Express』の 飯田仁一郎です。あと、『ロボピッチャー』の加藤さんがいるんですが、今年は絡んでないですね。
非常に多彩な方々ですよね。その中でもぐらさんはどういった役割をしてらっしゃるのですか?
基本的にずっとやっているのは、フェスには欠かせないドリンクカウンターの仕切りとケータリングや炊き出しの仕切りですね。企画段階ではブッキングも担当して、全体的には見てますが、一番担当してるのは“賑やかし”だと思います。MCとしても、またスタッフに対しても。なんというか、主要メンバーの中では僕が一番楽観的なんです。例えばチケットの売れ行きが全然伸びなくて、みんなが焦り出してる時に僕だけ「まぁ、まだ時間あるし大丈夫やろ」って思ってたりして(笑)結局は上手くいったりするんで、「お前はとにかくはしゃいどいてくれ」って言われるんです。普通、みんな与えられた仕事でバタバタしてライブとか見る時間は無いんですね。でも僕が自分の仕事にかまけてると、「お前は中にいろって言うたやんけ!」って言われる。…なんというか、“得”やなって思います(笑)
(笑)
それもまた、僕が人前で恥ずかし気も無く「オワー!」ってなれる人間だからなんでしょうね、きっと。やってる人間がいかに楽しんでいるか見せるという事が大事で、それはボロフェスタでも箱でやるライブでも一緒ですから。
大抵の人はお酒でも飲まないと理性が邪魔したり、壁があったりしますもんね。特に音楽やってる人って、もともと人と話すの苦手だったりする人も多いですからね。
すごいよ、ナチュラルハイっぷりが。これが自分の一番の才能だと思います(笑)
(笑)
先日ボロフェスタ2012の第一弾アーティストが発表になりましたね。
これから何回か段階を踏んで発表になります。最終的に全部発表されるのが8月の末くらいかな?毎年のスケジュールでいうと、第四弾くらいまでいくのかな?大体約2ヶ月弱くらいまでに全部出揃って、チケットも発売されてという感じで。
第一弾発表アーティストがヘッドライナー的なアーティストですか?
そういう訳ではなくて、まだ出し惜しみしてる部分もあるし、オファー中ってところもあるし。アーティストの都合で告知解禁というのもあるから、まだ発表できないのもあったりして。7/1に第二弾発表があって、7/11にプレイベントの情報リリースがあります。
現時点では全貌が明らかではないので一概には言えないかも知れませんが、今年の見どころ・聴きどころはどのようになってますか?
去年がちょうど10周年でして。僕としては西部講堂で数年間やった後KBSホールで3年間やって、3年目でKBSホール型の、西部講堂型とはまた違うKBSホール型ボロフェスタの完成形を見せることができたかなというのがあって。それはボロフェスタのスタッフ一同、「かなりいいボロフェスタを見せることができたね、いい10周年だったね」と皆で思えたんです。僕としてはその完成形を継続できれば、それはそれで京都でボロフェスタっていう大きいイベントをやり続ける役割みたいなのは担えるとは思ってたんです。でも、その「でも」は否定的な意味じゃなくて、続けるからには「去年まではこうやったから、じゃあ今年は何すんねん」って言う。特に10周年を終えて、丸10年終えて、11年目新しいスタートっていう意味合いは必要なんじゃないの?次なる20周年目指すために、この先10年間ボロフェスタは何をやっていくねん、という風な話になって。やっぱ京都でやる意味というのは、皆京都っていう街に、京都の音楽っていうものに、それぞれ大きい感情を置いてたりして、京都の音楽を無視するのは嫌だなと。例えばお金かけて東京からビッグなミュージシャンを呼べばお客さんは入る訳ですけど、そうじゃなくて。もっと地元で話題に上っているバンドとか、京都からの発信で今全国区の名前になったバンドが、ボロフェスタの規模の中で出ても見劣りしない、こいつら今めちゃくちゃかっこいいよっていう、「京都感」みたいなのを今年はあらためて出していいんじゃないかと。京都でやっているボロフェスタなんだなっていうのをしっかり見せて、見せた上でかつめちゃくちゃいいロックフェスにするっていう。今年のコンセプトが「めっちゃいいフェス」ていう馬鹿みたいなやつなんですけど、「めっちゃいいフェス」は何がありきなのかって言うと、「京都でやってるボロフェスタなんだよ」ありきで「めっちゃいいフェス」にする。そういう思い・考えがあっての第一弾発表で。ホストバンドだけじゃなくって、地元のバンドがどんと発表されているという。だから『tricot』とか『Turntable Films』とかそうですし、『モーモールルギャバン』は京都から始まってどんと売れたミュージシャンですし、ずっと出て欲しくて今年やっと初めて出てもらえて。第一弾発表に関しては今年のボロフェスタ京都枠はこれだけいきましたよっていう。まだまだ増えるでしょうけど、第一弾アーティストに関しては今年の京都はここ推すよっていうのが見せれたかなと。
11年目にあらためて「京都感」が出せるというのは、京都のバンドシーンのアーティストのクオリティも上がってきているからでしょうか?
上がってきてるとは思いますけどね。もともとかっこいいバンドはたくさんいはったし。地元のバンドで全国区の名前になっているバンドは増えたかも知れないですね。ちょうど10年前くらいにあった、京都系と言われる、『くるり』に始まり『キセル』や『つじあやの』、『ママスタジヲ』や『Chains』、次から次へとデビューしていった、その時の粒の揃い方に続くくらいバンドのクオリティは揃ってるんじゃないかなというのは、端から見てて思いますね。最近だってリリースラッシュじゃないですか、京都のバンドが全国流通でリリースするって常に聞いてる気がするし、それだけ全国的に注目されるバンドが増えたのかな?とは思ったりしますね。
ボロフェスタの前哨戦として、9/1,2にはnano BOROFESTAが、9/23にはMETROで「BOROFESTA vol.うるさい友達」が開催されますが、これらはどういう位置づけ、イベントでしょうか?
もともとプレイベントっていうのはここ2年はnanoで2日間やるnano BOROFESTAしかやってなかったんですよね。なんで本祭とプレイベント1個しかないかっていうと、その前の年にプレイベントやり過ぎてすごい分散したんですよ。それはあかんかったねってシンプルにしようや、入り口1個作ってプレイベントnanoで出来る限りのことやって、本祭やろうということになったんです。じゃあ今年のnano BOROFESTAは何しようかという話をする中で、nano BOROFESTAの位置づけってボロフェスタの入り口としてあるプレイベントとしての存在意義と、勝手な僕のnano店長としての考え方なんですけど、nanoが年間やってるイベントの中で一番大きなイベントの一つなんです。そこに来はるお客さんというのがボロフェスタのお客さんであると同時にnanoのお客さんであって欲しい、普段からnanoに遊びに来てくれてはる人、普段からnanoに来てくれているミュージシャンが、nanoでやるでかいイベントやから来てほしい。普段あまりnanoにかかわり合いのない人、ミュージシャンに出ていただくのも何か違和感あったんですよ。基本的にnano BOROFESTAのブッキングは僕が中心で進めるんですけど、nanoで見たいアーティストであったり、最近nanoでめちゃめちゃいいライブができるようになった若いバンドであったり、nanoに過去出演したときめちゃめちゃかっこ良かったしっていうミュージシャンであったりとか、そういう風な選び方をしてるんですよね。