スペシャルインタビュー J&K |スタジオラグ

スペシャルインタビュー
J&K | スタジオラグ

スペシャルインタビュー J&K

日本を代表する実力派ギタリスト、梶原順と安達久美による究極のギター・デュオ「J&K」。スタジオラグ西院店にてニューアルバムを録り終えたばかりのお二人にお話をお伺いしました。

インタビュー

今J&Kで出来ることは一通り出しきったって感じかな

2ndアルバムレコーディング及びミックスが終了、今からまさにマスタリングという段階ですが、率直に現在の心境をお聞かせください。
梶原:やっと終わるね。
安達:もう、力抜けちゃいましたね。
梶原:風邪ひかないようにしないとね。
安達:そうですね。
「やり尽くした」という感じでしょうか?
梶原:今J&Kで出来ることは一通り出しきったって感じかな?
今回はアコースティックとエレクトリック、2枚ということで制作期間も2枚分と長期に亘りました。アコーステッィクの方が2013年の8月に収録されていたのですね?
梶原:そうですね。一部10月に録ったのもありますけど。
バカボン鈴木さんと平陸さんのリズム録音ですね。
梶原:細かく言うと、エレクトリックバージョンに入れた8曲目の「Queen Ⅱ」っていうやつは、10月に録ったんです。
ではエレクトリックの中でその曲だけ、リズム隊がバカボンさんと陸さんなのですね?
梶原:そう。
今回半年間くらい制作期間が空いたというのは、エレクトリックに収録する楽曲の作曲期間ということでしょうか?
梶原:単純に、一気に2枚分曲を書くのは無理なので、アコーステッィクの方の曲をまず書いて、まとめてレコーディングできる期間というのが8月だったので、そこでまずアコーステッィクの曲を。その時点でリズム隊をまだ入れてなかったので、リズム隊を呼んで10月に完成させて。その時点で「Queen Ⅱ」は曲が上がってたので、上がってたというか「Queen Ⅱ」自体はライブでもちょっとやってたので、それを先に録ったんです。
「Queen Ⅱ」は、前作制作時のインタビューでも、続編を次回作に入れるかもとおっしゃってましたね。
梶原:有言実行(笑)!
安達:素晴らしい!
今回2枚、それぞれ別のアルバムとしてリリースされるということですね。アコーステッィク、エレクトリック、それぞれの作品におけるコンセプトやテーマのようなものはありましたか?
梶原:ないですね(笑)。コンセプトみたいなこと、必ずアルバムって聞かれるじゃないですか。久美ちゃんは久美ちゃんで意見はあるかも知れないけど、僕は今までの自分の作品も含めてコンセプトがあって作ったものは、J&B時代に大村憲司さんが亡くなって大村憲司さんのトリビュートアルバムを作ろうという話がバンドの中で出て、ミニアルバムとして「Leaving Home」というのを作った。それはトリビュートアルバムっていうことが始めにあって作ったアルバムだけど、それ以外はアルバムコンセプトみたいなのは特に立ててやったことは僕はなくて。
そうだったのですね。
梶原:大きな意味でのコンセプトっていうのは、逆にいつもあるって言ったら変だけど、「その時の自分から出てきたものを作品にする」。それを後から振り返って、10年単位とかで振り返れば、その時の自分がそこにいる訳だから、っていう。次のアルバムはこういうコンセプトでいこうって言って決めて、曲を書き出すとか、サウンド傾向を決めてやるとか、そういう発想は僕の中では今までもないんですよね。そういう意味では今回もそうなんですけど、だけど並べてみるとある時期の自分の傾向みたいなものが、何かの形で出てくるっていうのはあって。それは意外に聴いてる人には分からないところにあったりするんだけどね。分かりやすい意味でのコンセプトというのは、僕の中にはないですね、今回も。

ネイチャーを感じる。もう少し大きく言うと「ネイチャー」とか「地球」とかみたいなところ

並べてみると浮かび上がってくる自分ということですが、それでは今回はどのようなことが浮かび上がりますか?
梶原:アコーステッィクの方は、少なくとも僕の曲に関しては今まで自分の中でずっと続けてきた傾向がそのまま続けて現れている、特に目新しい感じはないんですけど、エレクトリックの方に関しては、今まであまり手をつけなかった形のものが多い。僕の曲として今までの傾向と違うものが、割と固まって出てきたかなという感じ。
そのあたりは久美さんとしてはありますか?
安達:私はアコースティックの方は、曲を書いた時期が春から夏にかけてくらいのすごいいい時期だったので、家の近所を散歩する、ジョギングとかする機会が多くて。曲の雰囲気とか、例えば「Long Trail Runnin'」とか思いっきりそうなんですけど、鴨川の景色とか、4曲ともそういう雰囲気が出てるかなと思います。景色が見える。
梶原:ネイチャーを感じる。
安達:そうですね、ネイチャーを感じますね(笑)。エレクトリックの方は楽しい曲にしたいなというので、2曲しか出来てませんけど。8曲くらいは手をつけてた曲があるんですけど、出来上がったのは結果的に2曲で、「Chattering」にしても「REM non-REM」にしても楽しい曲になった。ライブでやっても楽しそう。
アコーステッィクの方のアルバムタイトルが「TIDE」です。単語の意味としては「潮流」や「風潮」といった言葉ですが。
梶原:「潮の満ち引き」とか「流れ」という意味があるね。やっぱりネイチャーっぽい。もう少し大きく言うと、「ネイチャー」とか「地球」とかみたいなところ。そこまで大きく広げなくていいんだけど。「TIDE」と「TIME」っていうタイトルも完全に後付けなので、「TIDE」っていうアルバムに向けて曲を書いたというのとは違うので。これは「TIME and TIDE」なんですよ。「TIME」は「時間」で「TIDE」は「潮の満ち引き」でしょう。だから、人がどうあがいても流れていく・勝手に起こること、というので。「TIME and TIDE」って両方の言葉で熟語的に使うと、「歳月人を待たず」、要するに僕らがどうであれ、何とかしようと思っても何ともならないものっていう「TIME and TIDE」っていう英語の言葉があって、それぞれをアルバムのタイトルにして。あえて「TIME and TIDE」っていう言葉は提示せずに、「TIDE」っていうアルバムと「TIME」ってアルバムで、両方手にすると「TIME and TIDE」っていうことになって。「僕らは勝手にやってるよ。世の中のことあまり気にせずに」。
なるほど!そんな深い意味があったのですね!
梶原:後付けです(笑)。だから「TIME」の方の2曲目に「Wait for No One」がある。「TIME」という言葉がちょくちょく出てくるでしょう?「Now is the Time」=「今でしょ」、もう古いですけど(笑)。「Now's The Time」っていうジャズのスタンダード曲があって、それにもひっかけてるんだけど。「The Passage」なんてのも「時の流れ」みたいなニュアンスもあるし。特に「時間」とか「時間の流れ」を感じさせるようなタイトルの曲が意外にあるんだよね。後付けとは言え、何かそういう共通点みたいなものが出てくるんだよね。
「Season's Tidings」もそういうイメージですか?
梶原:自然とか、久美ちゃんの中では川の景色とか、鳥が飛んでいるとかっていうので。実はこの曲名が最後まで決まらなくてね。
安達:そうなんです。昨日?一昨日?決まりました。
梶原:季節っていう言葉、「Tidings」=「便り」と「TIDE」は違うんだけど、言葉としては違う言葉なんだけど共通点があるじゃない。「これいけるんちゃう?いいんじゃないの」と。
マスタリング前の段階ですが、どのような仕上がりの作品になっていますか?
安達:すごいいい!
梶原:いいと思いますよ。イマイチとは絶対に言わないけど(笑)。真面目にいいと思います。よく半年でこれだけ充実したものが出来たなと。バラエティに富んでいるし、現時点では満足してますね。現時点でこれ以上のことは出来なかっただろうなと。
ギターオーケストレーションのようなことも試されているとお聞きしました。
梶原:前回もそうだけど、ベーシックには「ギターだけでどこまでできるか」。それもここまで出来てるでしょ、すごいでしょっていう風にやるつもりは全然ないんだけど、曲が呼んでればオーバーダビングしていくし、シンプルなものを曲が望んでれば削ぎ落とした形でやる。曲ありきなので、ギターオーケストレーションをやるっていうことを前提にしてるってものは1曲もないんだけど、聴こえてきた音を重ねてるあいだに、バンドメンバーって言ったら変だけど久美ちゃんと僕なので、キーボードでどうするということではないので。結果的に曲に呼ばれるままオーバーダブしていったらギター10本くらい入ってるとか、っていうことになっているのもあるし。でも、ギター2本でほぼ終わってるのもあるしね。
曲に呼ばれるまま、ということですね。レコーディングの作業はどのような流れで進められるのでしょうか?アコギ2本の録音というのが、私達には想像がつきにくいのですが。
梶原:曲を作った時点で、リズム隊を入れた方がいい曲なのか、リズム隊がなくても成立する曲なのか大体想像がつくので、リズム隊を入れなくても成り立つ曲に関しては僕と久美ちゃんの演奏だけでいいのでギター抱えてすぐ録り始めます。
2人で同時に録音されるのですか?
梶原:そういう曲もあるし、ベーシックなところを僕が作り始めて久美ちゃんにそれを差換えてもらうなりオーバーダブするなりしていって、さらにそれを聴いて僕がダブして、みたいなのもあるし。そのスタイルも「こう」って決めてる訳じゃないんですけど、とりあえずクリックだけ鳴らしてどっちかが弾き始めるみたいな曲もあるし。2人でデュオで演奏できそうな曲は2人で一緒にやりつつ。でもスタジオライブっていうコンセプトではないので、2人でライブのように弾いてみてそれぞれやり直すとかっていうのもある。リズム隊を入れるという曲に関して、アコーステッィクの方は、8月のレコーディング期間中にバカボンさんと陸君もスケジュール合わせてということが出来なかったので、ドラム・ベースを入れるということが分かってる曲はコンピュータでドラムとベースのパートを作って、それに合わせてギターのパートを完成させておいて、10月に来てもらった時にドラムとベースを今度は僕たちの演奏に合わせて録音し直したっていう。
通常とは逆のパターンですね。
梶原:エレクトリックの方はそれとは全く別で、ドラムとベースを完成させることを先に頑張ったので、家で僕が作ってきた仮のギターパートを聴いてもらいながらドラムとベースと入れてもらったり。もしくは、久美ちゃんと僕を含めて一緒に演奏して、僕と久美ちゃんのは後で完成形をじっくり作り込むっていうのが前提で、とりあえず仮で僕と久美ちゃんが弾いてそれに合わせてドラムとベースをまず完成させて、今度は久美ちゃんと僕のパートを作り込んで弾くっていうような感じでしたね、エレクトリックの方は。

ビジョンがエンジニアにちゃんと伝わって、それをエンジニアが理解して録ってくれるっていう

アコーステッィクは生音ですので、レコーディングでは特にシビアになると思うのですが、録音に当たってこだわりのポイントのようなものはありますか?
梶原:アコーステッィクに関して、「いい音」で録ってもらいたいというのはあって、どれもそうなんですけど。エレクトリックも当然「いい音」で録って欲しいんだけど、アコーステッィクに関してはエンジニアとのコミュニケーションというか。僕らが「こんな音で録って欲しい」というのを理解してもらいつつ、それをどのマイクをどういう風に使って録るのかっていうのを決めるのはエンジニアなので、そこのへんのあるビジョンがエンジニアにちゃんと伝わって、それをエンジニアが理解して録ってくれるっていう、そこが一番大事なところかな。エレクトリックギターに関しては、音色を自分の方でいじるというのも結構出来るので、アコギに関してはね、出た音を僕らはいじれないんで、どう録ってもらうかにかかってくるから。前作と同じ阪本君にやってもらって、前作を踏まえてやってくれてるから、前作もすごい「いい音」だなと思ってたけど、比べてみると今回の方が格段にいいですね、さらに。
エレクトリックの方の「TIME」ですが、アコーステッィクの「TIDE」は非常に満足度の高い仕上がりとのことでしたが、こちらの方はいかがですか?
梶原:こちらも満足度は高いですよ。
安達:はい、高い(笑)。
梶原:「TIME」に関しての一番のトピックスは、J&Kはずっとバカボンさんと陸君のリズム隊でライブもレコーディングもずっと、ほぼ固定メンバーのようにやってきましたけど、今回レコーディングのスケジュールがどうしても合わないという状況もあり、視点を変えて僕と久美ちゃんのユニットなので、ドラム&ベースを違う人に頼んでみようと。ドラムは僕が信頼をずっとおいて、僕の活動とか僕の作品でも随分協力してもらった鶴谷君にお願いして。ベースの須藤君はもちろん昔から付き合いもあるんだけど、何せ京都在住ということなので、「これはお願いしない手はないでしょう!」と。そこがJ&Kとしては今回一番のトピックだね。
安達:すごかったです。私も鶴谷さん初めてだったので。順さんのライブにゲストで参加させていただいたことはあって、3,4曲一緒に演奏させてもらったことがあるんですけど、3年くらい前に。レコーディングも今まで則竹さんと陸君しか経験がないので。私がコントロールルームにいて、鶴谷さんが曲に合わせて叩き始めた瞬間に、「これはもう聴いたことのない世界だな!」って。ドラムでこんなに変わるんだとすごい衝撃を受けました。

鶴谷君が作ってくれた世界を今度は僕らが膨らますっていう状況になっていく

梶原:陸君は10代であのプレイだから末恐ろしいスーパードラマーだし、則竹君は日本のフュージョン界のトップドラマーなので、比べてどうのっていうのではないですけど。鶴谷君はリズム録りでギターがこの先どうなるかとか、完成図がほとんど見えてない状態で、僕たちとの会話の中でこの曲をどういう方向に持っていこうっていう、鶴谷君の中の設計図というのかな?青写真がものすごいはっきり見えた状態で叩こうとするんですよ。僕らがやろうとしている世界を膨らますっていう気持ちでもちろん取り組んでくれているんだけど、だけど鶴谷君の中にドラマーとしてこういう世界観を残そうっていう意志がものすごいはっきりしてる。ダビングしていて、鶴谷君が作ってくれた世界を今度は僕らが膨らますっていう状況になっていくくらい、方向性をばーんと打ち出してくるんで。それは演奏内容もそうだし、ドラムの音色、チューニングとかシンバルどれを選ぶとか、録り方をどうするとかということも含めて、エンジニアへの指示とかもものすごい的確だし。ライブの時の鶴谷君とは全然違うノウハウがいっぱいあって、レコーディングならではのノウハウっていうのをものすごい持ってる人だから。曲毎の音色とプレイの曲に合わせてのチョイスがものすごく明確。多分演奏内容だけじゃなく、そのへんに久美ちゃんが一番驚いたと思う。
安達:驚きましたね。しかもアイデアが満載で。
梶原:尽きることがないんですよね。
安達:どのテイクも素晴らしいんですけど。
梶原:出てくる出てくる(笑)。ものすごいいっぱいいいことをやってくれた中で、「これかな?」って選んだのが収まってるんで、結果的には選ばれなかったテイクもダメだった訳じゃなく。別テイクでもう1枚作っても(笑)。
それは是非聴いてみたいです(笑)。
梶原:また須藤君というのが、もちろん自分の世界というのも持ってる人なんだけど、ドラマーとのブレンド感を作るのがすごく上手で、鶴谷君の方向性が明確なだけに、ベーシストとしてグルーヴにしてもボトムのあり方にしても、鶴谷君がやろうとしていることを上手に寄り添ってブレンドさせて作っていく、そこがすごいなという風に、今回感じましたね。「自分を残そう」というよりは、「ドラマーと一つになっていいものを残そう」という。須藤満っていうハンコを押して帰ることを第一には考えてないっていうのがよく分かった。結果的にはしっかり残ってますけどね(笑)。ややもすると自分を残そうとするとアンサンブルが二の次になったりするけど、アンサンブル第一でやってくれてるというのがすごく分かった。音色も、ほぼ1本のベースでやってくれたんだけど、エンジニアの方で曲に合わせて音を作り込みやすい、すごく素直な音。その辺も計算の上でやってくれたんだろうね。
それはどういうことでしょうか?
梶原:ドラムとベース作った後にどんどんギター重ねていくでしょ。初めに「ベースの音はこうだ」って出してギター重ねた時に、音色がうまく合わないな、みたいなことがないようにっていう。すごいアンサンブル・ベーシストだなって。その2人が、J&Kにとっては新しい2人が参加してくれたっていうことが刺激になって、まだ2作目だけど今までとは違った色が打ち出せたかな。
ではお二人が重ねるギタープレイの内容も、リズム隊によって触発されたところが?
梶原:随分。エレクトリックの方は実際に「Wait for No One」はかなり重ねたけど、当初からそれはそういうつもりで書いた曲で、ギターだらけの曲にしようと思ってたんで。でも他の曲、特に鶴谷君が叩いてくれた曲は「こうしよう、ああしよう」と考えていた部分が「全部なしでいいや」ってなった曲が結構あって。ドラム&ベースで十分世界観を作ってもらえたので、ダビングが随分最小限で曲を表現出来るっていうことに結果的になった曲が何曲かありますね。
全曲聴かせていただいて、とてもシンプル・ストレートだなと感じました。それは「このリズム隊ありき」だったのですね。
梶原:そうですね。
同じエレクトリックでも1stのエレクトリックとは全く違う感じになっているということですね。
梶原:「進化系」と言っていいんじゃないですかね。
ギターのダビングにおいて、1stの時はベーシックな部分はある程度決めて現場のアイデアも反映していく形で重ねられましたが、今回はどのような進行でしたでしょうか?
梶原:今言ったドラム&ベースをしっかりいいテイクを録ってから進めたということ以外は、1stの時と基本的には同じですね。

鶴谷君と須藤君がサウンドをしっかり作ってくれたというのがあって、僕のギターを選ぶ趣向・発想も、いつもと少し変化したかな

今回も使用ギターについては、膨大な数のギターが登場したのでしょうか?
梶原:けっこう(笑)。横浜から持ってくるのに、ハイエースに積められる分は持ってきました。
メインギターはありましたか?
安達:私はストラトです。
梶原:僕は今回に関しては、いつもライブで使っているオレンジのストラトがメインになるかと思いきや、実はほとんど使ってなくて。今回はね、意外に335が活躍したかな?
安達:335いい音してましたよね。あと、3つの(?聞き取りづらかったですが在っていますか?)テレキャス。
梶原:うん、335とテレキャスだね。そのへんも、今まであまり出て来なかったタイプの曲を僕がたくさん書けたということと、鶴谷君と須藤君がサウンドをしっかり作ってくれたというのがあって、僕のギターを選ぶ趣向・発想も、いつもと少し変化したかな。
そこにも影響があったのですね!エレクトリックのサウンドメイクにおいて、今回新たなチャレンジ等はありましたか?
安達:アンプですね。ガンさん(イーストビレッジギターズの店長:東村さん)からアンプをお借りして。8曲目の「Queen Ⅱ」は、10月に録ったのでこの曲はライブでも使っているVOXのアンプとJC-120のミックスの組み合わせで弾いてるんですけど、それ以外はお借りしたビンテージのアンプで弾かせていただいてます。
どこのアンプですか?
安達:5曲目の「Handsom Deal」はFenderのVibrolux、それ以外はFenderのPro Reverbです。すっごいいい音してました。
梶原:うん、すごく存在感・説得力のある音。
梶原さんのメインのアンプは何でしたか?
梶原:僕は前回とシステム自体はそんなに大差ないんですけど。ライブで使っているEgnatorのRenegadeっていうアンプがあるんですけど、それは足下のコンパクトエフェクターを使って歪ませてモノラルで音を出す。割とミッドレンジの密度が濃いタイプの音が出るんですけど。メロディとかソロはそれが多かったかな、存在感のある音がするので。もう一つはラックシステムでベーシックにはステレオで音が出るシステムになってて、サウンドの中で包み込んだり広げたり、カラーリングをする時にそっちのシステムをベーシックには使う、その2つのセットの組み合わせでやっていったんですけどね。もちろんステレオの方でメロディ・ソロを弾いたのもあるし、モノラルの方でバッキングというのも当然あるんだけど、その2つの使い分けで弾きました。ステレオの方は上から下までワイドレンジな音で、モノラルの方はミッドレンジがしっかりしてるっていう。そのサウンドの使い分けとギターとの組み合わせ。どこを切ってもギターしかないので(笑)、そのへんでバリエーションつけていかないとね。

阪本君はいつも淡々と、飄々とやってるけど、若い世代の音楽もよく知ってる。よく聴いている

先ほど、アコーステッィクの音が1stより格段に良くなっているというお言葉をいただきましたが、今回エンジニアの阪本とも2度目のレコーディングということで、彼の成長のようなものはありましたか?
梶原:すごい、ですよ。彼はいつも淡々と、飄々とやってるけど、ものすごい勉強してると思いますよ。色んなものをよく聴いているし。世代としては僕の息子でもいいくらいの世代と思うんだけど、僕と話してもほとんど通じるし、若い世代の音楽もよく知ってるし、よく聴いていると思う。出てくる色んなミュージシャンの名前とかエンジニアの名前とかアルバムの名前とか聞いてるだけで、毎日本当に聴き続けてないとあんな名前は出て来ないっていう名前が出てくるから。少し誰かから教えてもらって聴いてますってレベルではない。ものすごいよく聴いてると思う。そういうのもよく分かるし、エンジニアリング、音の録り方にしてもミックスのことにしても、去年より格段に進んでいるのがよく分かる。すごく努力していると思う。それを楽しんでやっているから、そういうの一緒にやってて気持ちいいですよ。
ありがとうございます!
梶原:もうラグの宝だと思います。
レコーディングもミックスも、ストレスなく進行できましたでしょうか?
梶原:うん。本当に、阪本君のおかげです。
それぞれカラーも違う作品ですが、どういうシチュエーションならどっちというようなおススメの聴き方はありますか?
梶原:どうなんだろうね?大まかに言うと「TIDE」の方は場所とか時間とかシチュエーション、あんまり選ばない気がするかな。「TIME」は寝る時とか瞑想する時には向かないかな(笑)。
テンションが上がってしまう感じですね(笑)。
梶原:でも夜飲んでる時はOKだと思うけどね。
安達:でも、アコギの方もけっこうテンション上がっちゃいますよね(笑)。
梶原:両方買っていただいて、全部通して聴いてもらった後に、シチュエーションに合わせて自分でオムニバスを作ってください(笑)、1枚目も含めて。でも、この曲順で聴いてもらうと、またいいんだけどね。曲順によって聴こえ方とか感じ方とか違うからね。
1stは曲順にかなり苦労されたということでしたが、今回はいかがでしたか?
梶原:今回はそんなに苦労してない。レコーディングの半ば過ぎくらいまだ完成していない時に「こんな感じの曲順かな?」って、並べたのがほぼそれでいいんじゃない?って感じだったもんね。1枚目は何パターンも考えたんですけど、今回は曲順自体には苦労してない。でも、いい曲順だと思いますね。
発売が5/14ですが、それに伴うツアーも予定されていますか?
梶原:やるんじゃないですかね?
安達:ちょっと空くんですよね。
梶原:大々的に、集中的にやるのは世間の夏休みになりそうですね。
ライブでも、アコーステッィクセット、エレクトリックセットと分けて演奏されますか?
梶原:今までもリズム隊が入っているライブでもアコーステッィクの曲は必ずやってきたし、今回こういう感じでアコーステッィクの曲もエレキの曲もJ&Kの持ち曲が一気に増えたので、1枚目も含めると一気に30曲になったの。
安達:えらいこっちゃ(笑)。
梶原:ライブ2日分(笑)。
安達:長いですね~(笑)。
梶原:そういう意味ではアコーステッィクもエレクトリックも選び放題になってきたということで。アコーステッィクギターを弾くんだけどリズム隊が入ったりとか、そういうことも含めて、ライブのサウンドバリエーションも豊富になってくるかな。ただ僕らがライブで努力しなければならないのは、レコーディングの時にはライブのことは考えずに作品作りしてるから、ギターいっぱい重ねてるし、それを今度2人だけで表現する時に、ライブでの楽曲のあり方みたいなのもまた考え直さなきゃいけない曲っていうのも出てくると思うんだよね。ライブならではのアレンジとか曲の構成とか、そういうのも変化させてライブで演奏するっていう曲もけっこう出てくると思うんで。ライブはライブでまた別物として楽しんでもらえたら。
ライブをするとして、気になるのがリズム隊はどうされるかという点です。
梶原:ねえ(笑)。これはユニットのいいところでもあるんだけど、僕らと演奏してもらえるっていう人から、「じゃ、今回は誰に頼もうか」選べるというのがある訳で。選べると言うと偉そうだけれど。まずはもちろんスケジュールが合わないといけないので、誰になるのかまだ全然分からないです。でも、そろそろそういう話も進めていかなければいけないし、鶴谷君はライブもやりたいと言ってくれてるし、当然バカボンさんも今回エレクトリックの方のレコーディングにスケジュールが合わなくて参加出来なかったから「ライブはやるからね」って言ってるから。
ライブ情報の決定を楽しみに待っています!今後の活動予定や希望などをお聞かせください。
梶原:僕に関してはいつも言ってるんですけど、とにかく力まないでその時に出来ることをその瞬間瞬間集中してやっていくことを続けていって、振り返ってみて「ああこんなんだったな」というのが僕のいつもの考え方なので、今後も今まで通りの調子で、マイペースでいくつもりです。僕も今度53歳なので、「今年何かをやって一花咲かせたい」とかそういう感じはなくて、とにかく長く音楽をやりたいっていう気持ちの方がどんどん大きくなってきてるから、そういう意味では「ちょっとだけ無理して」くらいの感じでね。あんまり楽するのもあれだけど。少し頑張るくらいの感じで長くやっていきたいなと思ってるんで。久美ちゃんとのこのJ&Kも、長くJ&Kとしてやれたらいいなという感じです。
安達:私はこの「TIME」に書いていた曲が2曲しか出来なかったので、次の作品に向けて完成させたい。
梶原:その未完成だった8曲が組曲になって出てくるかもしれない(笑)。今の久美ちゃんの意見というのは、久美ちゃんとしてはすごく新しいことなんですよ。今まで、ある作品について書こうと思って書いた曲が間に合わなかったりボツにしたら、その曲は全部捨ててきたんですって。だけど今回はそれを捨てずに、次に向かって膨らませていこうと、久美ちゃんの中では新しいトライをしようということなんですよ。
では次回作に収録される可能性大ですね!最後に、アルバムの完成を楽しみにしているファンの方や、まだJ&Kを聴いたことのないリスナーに対して、一言ずつメッセージをお願いします!
梶原:いつも聴いてくれている方は、「新しいアルバム作り始めました」と言ってからもう半年以上なので、発売を含めてだとほぼ1年、随分お待たせしました。でも、待っていただいただけのものはある作品が出来たので、聴き尽くしてください。まだ聴いてない人は、聴いてください(笑)!ライブにも来て見ないと分からないので、特に安達久美や梶原順という存在を知っててもJ&Kは聴いたことがないとか、ライブ見たことないという人もいると思うんですけど、それぞれの活動とはまた全然違うので、それぞれの活動を足して想像できるものとは違うものをやっているので。そのへんをね、来なさい(笑)。
安達:今回はものすごく音がいいので、前回もよかったんですけど、それよりもずっといいので、聴きまくって欲しい。曲もいいですし、アレンジもプレイも全部、前回よりいい作品になっていると思います!
ありがとうございました!
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