スペシャルインタビュー 安達久美KUNOICHI JAPAN 2/4|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
安達久美 KUNOICHI JAPAN | スタジオラグ
この3名でバンドKUNOICHI JAPANが結成される訳ですが、その経緯をお聞かせください。
安達:私は2007年にデビューして、その前からもずっと10歳も20歳も年上の先輩ミュージシャンと一緒に活動してて。アルバムを3枚出して、あまり同世代とか年下とバンドしたり音を合わせたことがなくて。そういう人達とやってみたいなというのはあったんです。クラブパンゲアでも毎回アルバムの中でカバー曲を1曲やってるんですけど、それが私が影響を受けた60年代70年代のロックの音楽なんです。カバーをしてきた理由の一つに、私がカバーすることで、私と同じ世代、それよりも下の世代にいい音楽がいっぱいあふれていた時代というのを伝えられるかな、というのがあったんです。そろそろ自分もその下の世代の人達と音楽をやってみたい、どうせやるなら女の子で高い技術を持った子が増えて来たんで、女の子とやった方が面白いかな、と。女の子同士の方が面白いものができる、という直感ですけど。それが形になり出したのが去年の11月。全国的に安達久美ガールズバンドオーディションをやってみました。百何十というデモテープが全国から寄せられて来て、勿論全部聴きまして、そこからチョイスした十数名と西院店のスタジオで実際に音合わせてやってみて。そこからまた絞って絞って。何名か決まったんですけど、半年くらいリハーサルをして、そこからさらにメンバーチェンジして今年の7月にようやくこの3人に固まったという感じです。
いくつもの段階を経て来た訳ですね。色々苦労がありましたか?
安達:デモテープが、きょうびProToolsで色々触れるじゃないですか。皆凄く上手く聞こえるんですよ(笑)だけど、実際にやってみると「あれ?」という方もいて。あと、ハードロックとかメタルとかは得意だけども、バラードとかは出来ませんとか、そういう偏っている人も多くて。
これからKUNOICHI JAPANで目指していく音楽も、幅広いジャンルを?
安達:もちろんロックがしたいんですけども、やっぱり土台がしっかりしてないと、音が薄っぺらくなるんですね、そこは厳しく見て、この3人に固まりました。土台がすごくしっかりしていて、あらゆるジャンルに視野が向いていて。優羽ちゃんもずっとジャズでやってきたけど、ロックで合わせてみると面白いフィーリングを持っていてどんなジャンルにも柔軟に対応してくれる。洋子ちゃんもエレクトリックベースだけじゃなくて、ウッドベースもいけるし。だけど、そういう人がロックをすると、ものすごく幅の広いサウンドになる。頼もしいメンバーが集まりました。まだまだ伸びしろも大きいと思いますよ。
バンド名「KUNOICHI JAPAN」の由来をお聞かせ願えますか?
後藤:このバンドは元々視野を世界に向けているバンドで、だったら名前を付けるのに日本であったり、日本語で世界にも出回れるような名前がいいなと思って。最近サッカーで「なでしこ JAPAN」が1位になって世界中に「なでしこ」という名前が広まったと思うんですよ。だから、私達もそうなれればいいなという思いも込めて。「くのいち」は女性のバンドというのも伝わるかなと。
「くのいち」というと忍者、トリッキーなイメージを感じますが、プレイやサウンドにもそういう面がありますか?
安達:今、カバー曲のデモ音源をスタジオでもオンエアしてもらってるんですけど、収録されているのはローリング・ストーンズの「Jumpin' Jack Flash」、私が1stでもカバーしていた「Little Wing」です。club PANGAEAと何が違うかというと、ハウスのミックス、デジタルロックサウンド、そこが大きく違うところですね。やっている曲はものすごく古い曲だけど、私達の新しい感覚でアレンジをして。洋子ちゃんがメインでアレンジしてくれてるんですけど、彼女はLady GAGAとかもすごい大好きで。こういう感覚をすごい大事にしたい、これで皆を驚かせたい。そういうことができるのが、このバンドの特長です。
KUNOICHI JAPANとしてのサウンドイメージもそういう感じでしょうか?
安達:全体的に、そういうハウスミックスな、デジタルロックなサウンド、そこに本物の男前なプレイを重ねるのがテーマですね。方向性としてはデジタルロック、ハウスでも普通のフュージョンの世界でもどこでも通用するような、ジャンルなき世界に飛び出す。例えば海外に行ったらハウスが流れるクラブみたいなところで演奏することもあれば、ジャズフェスのようなところにも出る、色んなところで楽しんでもらえる斬新なバンドにしたいですね。打込みは使ってるけども、決まりきったことをやるんじゃなくて、ものすごく自由度の高いプレイをライブでは毎回見せていけるグループです。それだけの技術があるので。だからライブとしてもものすごく面白いし。