スペシャルインタビュー 騒音寺 3/4|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
騒音寺 | スタジオラグ
4人編成となることで、サウンド的にも、ビジュアル的にも、ライブの見せ方も聴かせ方も大きく変わったのではないかと思いますが、そのあたりの変化はいかがですか?
こーへー:楽器が1個減ってるので、ギターだけじゃなくてベースもドラムもヴォーカルも、楽曲を構成する割合、5人やったら20%の役割が25%になった訳じゃないですか。そういう意味でもそれぞれの責任は増えたし。ギター、ベース、ドラム、ヴォーカルのバンドっていっぱいあるしむしろそれが普通なくらいですけど、僕らにとってはすごく新鮮やったしあんまり今までなかったことやし。細かいこと言ったらベースラインからステージングから全部変わる。僕とタムさんと二人でステージ下手の立ち位置やったんですけど、タムさん上手行って。ライブから音作りから、全部変わると言うか。
タム:でも、変わって当然やし。最初は5人いたサウンドと比較して「足りひん」とかあったりするけど、「そんなもん、いいひんやし足りひんに決まってるやんけ!」と思ったり(笑)誰かが代わりに入った訳じゃなくて抜けたんだから、そこはどうあがこうが変わる訳であって、そこに対してどれだけ自分らが面と向かってやれるかがポイントやったんですけど。それが割と早く出来た。
こーへー:楽しんでますよね、僕ら。古い曲でライブでよくやってる曲とかも、もう1回見つめ直して4人用のサウンドを作り上げるのは、ドラムも入ったばかりというのもあって、いい機会といえばいい機会でしたね。
タム:サウンドもそうやし、音楽に向き合うスタンスも、抜けてちゃんと向き合えるようになったというのもデカいんで。そこはすごく楽しいし。今までで一番バンドっぽいとは思いますね。
それでは今回新たなリリースとなる「OOH YEAH! 13HITS!!」についてお伺いしたいと思います。録音やマスタリングか終わり、3/24にリリースとのことですが、現在の心境をお聞かせください。
こーへー:いつもなんですけど、達成感というのはあまりなくて。。
タム:俺はあったよ(笑)自分の思ってるイメージと実際の出来とは、無限のところがあると思うんですよ。100点出したら、逆に言えば終わりみたいな。
こーへー:今回はベスト盤、新曲も1曲だけで昔の曲を録り直してるというのは特殊な感じはありますね。
タム:4人になったばかりで、4人のサウンドを具現化するには丁度いいタイミングやって。
こーへー:「今はこれやぞ」っていうのを皆に分ってもらうっていう。
たしかに「新生・騒音寺」を強く感じます。
タム:自分らもレコーディングすることで見えてくるものがたくさんあるし、丁度本当に良かったなと。僕は昔の曲を録り直したことが良かったなと思うんですよ。新たに作るよりも、今まであるものをこの4人でどう料理するかっていうのが、すごいためになるというか、今後やって行く上では絶対必要な作業だったと思うんで。
アレンジやフレーズもかなり変わったりしましたか?
タム:曲に一番適しているものは何かとか、そういうのを考えて変化したものもあるし、今まで通りやっても面白くないなと思って変わったのもあるし、無理矢理変える訳でもないですけど。答えというのは曲によって無限にある訳でその中で一番いいのはどれかと探していったら、必然として変化した曲は結構ありますね。前よりもクオリティを絶対下げずに、かつ変化を恐れないっていうのを肝に命じて取り組んだつもりです。結構、いい作品になってるよな?
こーへー:いや、めっちゃいい作品です!
タム:前の曲の美味しい部分と、新しい部分が、ちゃんと混ぜられたかなと思うんですよ。激変はしてないかも知れないけど、今までの騒音寺とこれからの騒音寺がいいバランスでアレンジできてるなと、そこは自信がありますね。
選曲に関しては、ここしばらくでのライブ演奏曲中心とのことですが、原曲が収録されているアルバムや曲が出来た時代も万遍なく、という感じでしょうか。
こーへー:2008年にベストアルバムを出してるんですけど、今回は2008年以降のアルバムの中からのベストなんですよ。割と最近の騒音寺のベストで、ライブでやってる曲中心に、それを聴いてライブ初めて来てくれたら、がっつり楽しめます、みたいな選曲ですね。
タム:「ベスト2」みたいな感じですね。
今までの騒音寺とこれからの騒音寺の絶妙なブレンド、聴きどころはやはりそのあたりでしょうか?
こーへー:聴きどころは、タムさんのギターじゃないでしょうか(笑)横から見てて、単純にギター二人で録ってたものを一人で録った訳ですから。前居たギタリスト岡さんが得意としていたフレーズがあったからこそ出来た曲もあって。
タム:騒音寺の特徴の一つというか、和音階っぽい、「和の世界」は騒音寺の大きな個性の一つで、それを岡さんは担ってたんで。そこが無くなるとどうなるのか?っていうのはあったんですけど、そこにも僕は一人でやるんやったら挑戦しようと思って。だから自分の音楽を広げるすごいチャンスやったと思うし。こんなに騒音寺のCD聴いたん初めてですからね(笑)どんだけ聴いたか、ほんまに。
こーへー:普段はそこまで聴かないですからね。
タム:あらためて細かいところまで聴いたことで、意外とからくりみたいなのが解けたりして、それがすごく面白くて。「なるほどな」というとこと、「これはこうした方がいい」という感じが、すごく自分の中から出て来て、大変と言えば大変やけどやりがいがあったし楽しかったですね。その辺のアレンジを、楽しみの一つとして聴いていただければ(笑)
すごくバラエティに富んだ楽曲でそれでいてロックンロールの芯が通っている、さすが老舗バンドの貫禄を感じさせていただきました。このアルバムをきっかけにファンになる人も多いと思うのですが、このアルバムをどのような方に聴いてもらいたいですか?
こーへー:大きい話をすれば、最近音楽シーンにあまりロックバンドがいないんですよね。「ロックって雰囲気として知ってるけど、あまり聴いたことないわ」っていう人多いと思うんですね。そういう人達に「こんな楽しい世界があるんだぞ」っていうのを知って欲しいし、今まで騒音寺好きな人にも聴き比べなりそういう楽しみ方もあると思うし。やっぱりベストなんで、入り口・入門編なんです。
タム:一番大きい名刺なんで。
こーへー:分りやすく、「これ騒音寺です」って言える作品なんで、触れたことのない人に聴いてもらって、「あんまり行かないけどライブハウス、磔磔行ってみようかな」って思っていただけたら最高ですね。