スペシャルインタビュー SILVER WINGS 登山 正文 ブッキングマネージャー 6/6|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
SILVER WINGS 登山ブッキングマネージャー | スタジオラグ
SILVER WINGSに出演したい!という方はどうすれば出演できますか?
出演希望のメール窓口がホームページにありますんで、それでも結構ですし、直接店に来てもらっても結構ですし。あと飛び入りライブというのもやってて、これもバンドでも何でもOKなんで、飛び入り来てもらうとかでもいいですし。出演する形は様々で、たまたま呑みに行ってて隣に座ってた子がギター持ってて、という話から「俺こういう仕事してるし出てや」みたいなんで決まったとかも結構あるんで。基本的には大体まず1回はライブやってもらってるんですよ。音源もらって、この日ライブ出てくださいっていうパターンもあるんですけど、僕ほとんど音源を信用してないんで、ライブハウスやからライブが面白いかどうかで決めたいというのがあって、だからまずはライブを1回やってくださいという感じでやってますかね。
月に一度ジャムセッションの日がありますが、どのような内容のセッションですか?
基本的にはソウルとかファンクとかブルースとかの定番曲をやってますね。ボスからのメールを引用すると「1コード・3コードでブルースやファンクをやっています。コード譜や譜面等があれば曲を持ち込んでもらうこともあります。ヴォーカリストももちろん参加してもらえます。」べたな曲をやってますよ。例えば、ジョニー・B・グッドとかやってるし、ミーターズやったりとかSweet Home Chicagoとかブルースの定番みたいな。その場で進行決めてKey決めてみたいなんも結構やってますね。例えば3コードの曲をちょっとやってソロ回ししてとか。
ある程度有名曲などは聴いてから行った方がいいですか?
何も考えんと来てもらっても、ホストバンドの方で合わせるんで、まずは一緒に音出してもらってという方がいいですかね。
目的としては「ミュージシャンを育てる」ことでしょうか?
正直に答えると苦肉の策、埋めるところから始まったんやと思うんですけど。セッションのミュージシャンとブッキングに出るミュージシャンと全く別物なんで、僕育てる気もなんにもなくて。セッションの人達とは仲いいですけどね。セッションに来る人は結局どういう風になりたいかと言うと、オリジナル曲をやって頑張って有名になっていこうって意識でやってる感じではなくて、スタジオミュージシャンやったりとかツアーについて行くサポートのミュージシャンとかになりたいんかなという気がします。音楽学校を出た子とか、そういう子がいっぱい来てる感じですかね。
セッションに参加するにはどうすればいいですか?
ちょっと今、内輪ノリになりつつあるんですよね。1回一緒に音出したら仲良くなる部分ってあるじゃないですか。ホストバンドの子達の友達連中とか1回来た人が2回目来てみたいな感じなんですけど、音楽的な好みもファンクやったりブルースとか、そういうブラックミュージックが好きな人が基本来てる感じになってるんで、僕としてはもっと色んな人に参加してもらって、空気を壊して欲しいんですよね。外に向けてどんどん発信していって、例えばラップする人が来てもいいし、スクラッチする人とか、色んなジャンルの人が、かっこいい言葉で言うと「クロスオーバー」と言うと思うんですけど、ドパンクの人が来てブルースを歌ってみるとか、ブルースセッションで一人だけメタルの人が来てずっと3コードだけどタッピングしてるとか。
それめちゃくちゃ面白いですね!
そういうなんの方がお互い刺激になるんちゃうかなと思って。店に楽器も置いてますから、ホストの子も貸したりするんで、手ぶらで来てもらっても大丈夫なんですよ。好きな時に来て好きな時に帰ってもらっていいんで。オリジナル曲のバンドやってるやつっていうのは、しょうもないプライド持ってるやつが多いんで、セッションに来ないんですよね。ヘタクソと思われたらどうしようとか、あっこのバンドのあいつは大したことないぞ、みたいに言われるのが嫌で。プライドつっか、もう自尊心ですよね。だからあんまり来ないんですよ。そこが結びつくことがないんで、なんとかそれを変えたいというのはあります。
これを読んで面白い人が来てくれたらいいですね。ここ数年京都にもたくさんのライブハウスが出来ています。15年京都でバンドを続ける登山さんから見て、今の京都音楽シーンをどのように感じてらっしゃいますか?
自分の完全に主観ですけど、少し前までは何か閉塞感というか、ありましたね。バンドやってる人間の立場としても、微妙に派閥みたいなのあるんですよ。この系のバンドはここに出てるとか、あいつらはあの辺系の店に出てるからこっち誘っても出えへんやろみたいな。でも、今少しずつ京都のシーンみたいなのも外に向かって開かれてきたんかなという気はしますね。皆割と仲良いんですよ、上の人同士。モグラさんと牧野さんやったりとか、江添さんとかもそうですけど、行貞さんもそうやし、僕も会ったらしゃべるし、全然敵対心は持ってないと思うんですよね、お互い。15年くらい前の京都って個人的にすごい楽しかったんですよね。つじあやのがいてとか、くるりがいてとかみたいな感じで、ママスタジヲ出て行ってチェルシーとか騒音寺とかいて、色んな方向の型破りな人がいたと思うんです。今それをあんま感じないんで、シーン変えていくようなめちゃくちゃするやつですね、めちゃくちゃするような若者が欲しいんですよね、僕個人的には。SILVER WINGSの出演者に多いと言いましたけど、おとなしい人が多いんで、めちゃくちゃしてほしいですね、正直なところ。精神的に不良性を持ってる人が出てきてほしい。
登山さんはSILVER WINGSをどうしていきたいとお考えですか?
もともとは自分の働いている店をナンバーワンにしたいという思いがあって、色々頑張って来たつもりなんですけど、どうもそれは違うなということに気がついてきて。そうじゃなくて、高校生もそうですしいわゆるおやじバンドとかも出てもらえる店であって欲しいし、なんというかステップアップのための店になりたいんですよね。ここで頑張ってやって、ここでワンマンをやったとなったら、次は磔磔でやれとかMUSEでやれとか、そういうステップアップの店にもなりたいし、しかし一方で「SILVER WINGSに出れた、嬉しい!」っていうステータスみたいなふうにもなりたいです。自分やっぱ磔磔とか拾得とか初めて出れた時ってすごい嬉しかったんですよ。「ああ、やっとここまで来たか」みたいな。「やっとバンドやってるって言えるな」なんかそういう気分がすごいあったんで、そういう風に思ってもらえるような店にはしたいですけどね。ステータスになれたらいいなと思っています。
ブッキングマネージャーの立場として、今後どうしていきたいですか?
僕のブッキングに関して言えば、ファンをつけるというか、「あの人の組むイベントは面白いな」と言われるようにはなりたいですよね。個人的には、ライブハウスの店員の言うことなんか聞かへんような、血の気の多い若者と言うか野心家みたいなやつとか、そういう元気のいい若い人となんかおもしろいことやりたいですね。
今日のお話しをお伺いしている感じでは、そのあたりがキーワードになりそうですね。
僕ちょっと不満なんは、この店やっぱ健康的なんですよ。僕がもともと働いていた難波のロックライダーや千日前にあったクラブウォーターっていう店が、自分のライブハウス観の根底にありますから、この店をもっと不良化させたいんですよね。しかし、それはこのハコの雰囲気とはまた違うんかなとも思って、そこのバランスを取りながらやってます。ただ、個人的にはワルいやつが好きです(笑)。
2014年、どのような年にしたいですか?
店として、2013年はもう5年目突入してスタッフも大幅に変わったので、「SILVER WINGS変わったな」というような新しいことをいっぱいやって、そういう風に言われる年に出来たらなと。僕、いろんな占いでずっと「大器晩成」と言われて来たので、晩成したいですかね(笑)。もう37歳になるんで(笑)。1月に名古屋で自分のバンドのワンマンライブがあって、2月にCDをリリースするんで、1・2月で仕事もプライベートもバーンと行きたい感じです。
最後に、スタジオラグをご利用の皆様にメッセージをお願いします。
出演希望はお気軽に受付けます。自分は高校の1年くらいから音楽好きになってバンドはじめて、おっさんになった今も音楽やめれないですから、やっぱり、音楽最高ですね!
ありがとうございます!