スペシャルインタビュー ばんばひろふみ 5/5|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
ばんばひろふみ | スタジオラグ
今後も京都で制作される可能性はありますか?
それはもう、是非やりたい。また、このメンバーで。第二弾を作れるんやったらね。
ありがとうございます!一般発売は10/17、そして、10/13には円山公園音楽堂(以下、円山音楽堂)での「フォークコンサート 京の旅人」で先行発売ですね。このコンサートはばんばさんが発起人として立ち上げられたのですか?
僕がまず京都市から依頼を受けて、僕一人ではあれなんで、杉田二郎さんを誘ってそれ以来二人でずっとやってきた。
1970年代は京都でフォークブームだったとのことで、円山音楽堂が若者の憧れの場所だったのですね?
だってキャロルがやったりさ、ロックもばりばりやってた。毎週土曜日は京フィル(京都フィルハーモニー合奏団)が、弦カル(ストリングス・カルテット)がずっと演奏してた、タダで。だから観光客の人が音楽聴こえるわ、ちょっと休もうか言うて入ったら、ステージで弦カルが弾いとる訳や。お茶飲みながら休んで、ほなまたいこか、みたいな、そういうね。夜はガーンとキャロルとかがやっとる訳だから。あとはよくデモがあって、祇園、四条通でデモしてきて、そっから円山音楽堂行って集会する訳よ。あるいは同志社と立命の野球の時は、応援団が四条通を同志社と立命の応援団が練り歩いて、円山音楽堂行って、半分ずつ立命と同志社の生徒が分かれて、言い合いする訳や。それはそれは円山音楽堂というのは、市民に根付いてた。ところが、やっぱり野外やから、騒音というのがどうしてもあって、時代とともにそういう声が大きくなっていって、ほなもう使えへんやん。使えへんかったら当然施設もぼろぼろになるし、ある意味見捨てられてた。そこを京都市がもう一回なんとかしたいって言うから、ほんなら俺フォークやろかっていうことで、売上から椅子を直したり楽屋直したり、トイレ直したり。ちょっとずつ新しく作り直して、今に至ってんねんや。もったいないんだよ、やっぱり野外音楽堂っていうのが市町村にあるって少ないし。
言われてみたらそうですね。
東京日比谷野音とか大阪の天王寺とかあるけど、どこにでもはないでしょ?そういう施設を持ってるっていうのは、誇りなのよ。だからそれを上手く活用しないと京都市民も損だよ。そういう思いで、円山を復活させようと、始めて8年です。
そうだったんですね。8回目の今年は「メイド イン 京都」発売が大きな目玉の一つですが、その他今年の見どころ・聴きどころございましたらお聞かせください。
今年は「復活」というのがテーマにあって。僕は今井ひろし、高山厳と3人で「バンバン」というバンドをやっていたんやけど、高山が来てくれて、「バンバン」の当時の歌を2人で歌う。杉田二郎さんは、「ジローズ」というグループ、「戦争を知らない子供たち」などで知られるね。そのグループの森下氏が来てくれて「ジローズ」を再結成をする。森下氏は今、ラジオ関西の偉いさんになってるね。あと、元「アリス」の矢沢透君、元「シグナル」の住出勝則君、ベーヤン(堀内孝雄)と一緒にデュエットをしていた滝ともはるくんの三人が結成した「HUKUROH」っていうグループが来てくれる。この三人もある意味再結成やね。そこに、上田正樹、平松愛理が加わって。で、秋人と山田兎の京都のミュージシャンっていうラインナップかな。だから結構昔懐かしい感じがあるかも知れない。
これはなかなか見れないラインナップですね。
そうやね、復活コンサート。
12月7日にはライブスポットラグにて発売記念ライブがあります。
お客さんよりもミュージシャンの方が多いんちゃう?ミュージシャンにお金もらってお客さんになってもらわな(笑)
この日のライブはどのようなライブになりますか?
まだ分らんけど、まぁ、一つお祝いや。わぁわぁ言うてたらええんちゃう?ステージで顔合わせてやるのが楽しいんちゃう?それぞれの曲で会うてない人もいるやん?アルバムには入ってるけどみたいな。だからそういう交流も含めてね。俺のアルバムを中心とした同窓会みたいなもんや。
今回のプロジェクトの一大打上ですね。
せや。俺の歌を延々やるんと違ってさ、「誰かやれや~でも別にええやん」って(笑)「ちょっと歌えや」とかでもかめへんやん、西野も一人でギター弾けやとかブルースやれやとか。そんなんがあってもええやん。「ほな次俺やろか」、とか。アルバムをフルにきっちりやる必要もないんちゃうか。みんながわぁわぁやってることがええ。俺の紹介でもあって、メンバーの紹介でもある訳やし。
フルメンバーでというのは難しいと思いますが、このメンバーでのツアーというのはお考えですか?
行けたらええよ、行きたいけど。それはこれから状況がどう変わるか分からへんし。このアルバムがめちゃくちゃ売れたら行けるわ(笑)
今後のばんばさんの音楽活動の上で、目指すところ、やってみたいことをお聞かせいただけますか。
新しい何かをやろうというのではなくて、淡々と音楽をやっていきたいと思うけど、今回この「メイド イン 京都」を作ったということは、自分の人生の中で非常にテンションかかったことであって。で、これを通り過ぎる前と通り過ぎた後での俺は違うと思う。それが「何か」は分かれへんけど、絶対違うから。それでまた、歌を歌い続けていけば、きっと見てる人が判断してくれると思う。だから、淡々と、歌っていくと思う。
「歌を歌い続ける」理由というのは、何なのでしょうか?
それしかないからさ。それしかやって来なかったから。他のこと知らんねん。だから比べられへんねん。例えば俺が別のことでとても秀でてれば、比べて「だから歌がええねや」って言えるかも分らへんけど。分らへんねん、ずっと歌ってるから。サメみたいなもんや、泳いでなあかんねん(笑)止まったら溺れんねん(笑)
体的にできるところまで、歌い続けられるのですね。
体と感性っていうか。一番最初に言った、美意識というか。そういうものがある限りは歌ってたらいいと思う。やめた時に初めて「歌ってなんやったんやろう」って分かると思う。今は分かれへん。
これだけ長い期間歌ってこられても、音楽や歌というものを追い求められてるのですね。
分らへんね。こんなん結果って無いねん、きっと。歌って例えば同じ歌でも、今日歌うのと明日歌うのと、全く違うからね。それに正解なんて何もないし。正解だと思ってるから歌ってる訳で、ある時自分の中で「不正解だ」って思ったらやめたらいい。不正解って自分が思えるまでは、俺は「正解や」って思って歌っていきたい。それは昨日の歌とはまた違うって思うけどな。だから生きてんだよね、歌はね。
言葉が出ない程深いですね。。ありがとうございました!