スペシャルインタビュー
スペシャルインタビュー|ギタリスト 岡本 博文
ギタリストとして、作曲家として、アレンジャーとして、多方面で活躍する岡本博文さんは、スタジオラグではギター講師の顔も持っています。豊富なキャリアの中から抽出された芳醇なエッセンスを後進に伝える、ギター講師:岡本博文。メソッドは独自性が高くも、ジャンルを超えて応用性のある、レッスンの秘密に迫ります。
- 岡本さんはレッスンをされるようになり、どれくらいになるのでしょうか?
- 25年くらいですね。
- レッスンをされる前というのは、どういうことをされていましたか?
- 僕は「眼鏡屋」をしていました。「眼鏡屋」に就職して、それから脱サラしてプロになりたかったんですけども、そう易々と食える訳でもなく、「パン職人」をしていました。
- そうだったのですね。想像もつきませんが。。岡本さんのレッスンは、例えば「バンド志向」「プレイヤー志向」、あるいはジャンルで言うと「ジャズ」「ブルース」、「ポップスが大好き」「いやいや私はJ-ROCKが好き」、色んな人がいると思いますが、特に専門分野というのはありますか?
- 僕はギターを教えるというのは、どんなことにも役に立つことを教えたいと思うんですよ。今は色んなジャンルがあって、色んな音楽に枝分かれしてると思うんですね。特に1980年代後半位からというのは、新しい音楽が色々熟成してきて、もういっぺんリバイバルみたいな音楽がまた色んな音楽と混ぜ合って、また様々な姿になって来てると思う。僕は1970年代というのは、色んな種類の音楽が始まって枝分かれした年代だと思っていて、どういう音楽を学ぶにしても枝分かれする前の音楽に遡ると、誰にも共通するものになると思う。ロックがやりたい、J-POPがやりたいといっても、元々は1970年代もしくは60年代くらいまで遡ってみると、いくつかの音楽の掛け合わせで出来ていることがすごく多くて、だから僕は音楽のヘリテージっていうか、古くさいことだけれどもこれからも将来も変わらない基本のことを、教えていこうと思う。どういうジャンルの人でも役立つことを教えたいから、ジャズというのとブルースというのを教えることにしている。
- 経験者の方もおられれば、どんなギターを買ったらいいか分らない初心者の方もおられると思います。
- 自分が好きなギタリストが持っているのと同じギターを買ったらいいと思う。
- そうですか!
- ジャズギタリストだったら、昔の古いレコードジャケットを見てもらったら分るんだけども、皆フルアコースティックっていうギターを持っている。だからフルアコを買うべきだね、ジャズをやるなら。ロックを弾こうと思うんだったら、もちろんストラトキャスターを持つか、レス・ポールを持てばいいと思うね。カントリーミュージックだったり、カントリーに影響を受けた音楽をやるんだったら、テレキャスターかストラトかな。
- レス・ポールはもともとジャズギターだと思うのですが、レス・ポールでジャズを弾くことに対してはどう思われますか?
- 僕はありだと思いますね。
- レス・ポールの中でもジャズに合うタイプはこれだ、というのはありますか?
- レス・ポールというギターは「レス・ポール」という名前の人が開発したギターで、レス・ポールという人はジャズギタリストなんですよ。だからレス・ポールというタイプのギターでジャズを弾くのはどれでも大丈夫だと思いますね。特にギブソン系のギターというのはハムバッカーが付いていて、アンプ直で弾いても太い音がするので、ハムバッカーを使ってジャズを弾くというのは一般論として弾きやすいと思います。
- ジャズというのはシングルコイルとハムバッカーで言うと、ハムの方がトーン的に合ってるかなというのはありますか?
- とってもあってると思います。Fenderのギターというのは元々カントリー&ウェスタンから始まっているギターなので、カントリーとかファンキーなアコースティックギターの替わりにジャンジャカやるのがすごく得意な楽器なんで、そういうルーツがある楽器だと思っていて支障はないと思うね。
- 一応ジャズギターとしてのおすすめとしてはフルアコということで、生徒さんの趣向にそってアドバイスもいただけるということですね。
- ハムバッカーだね。ハムバッカーということでいいと思う。
- と言いつつも岡本さんはシングルコイルであるストラトを使っておられますが、その理由は?
- 昔は、弾きにくかったですね。はっきり言って。何回もハムバッカーも戻ろうと思ったことがあります。 ただ、現在は、何でどんなジャンルを弾いて良い時代だと思いますし、先入観を捨てて考えるべきだと思います。僕も今は、オリジナルなスタンスが出来て来たと思います。
- 岡本さんのストラトは何年製のストラトですか?
- 1966年ですね。
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