スペシャルインタビュー PSYCHO küi METALLICS 5/6|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
PSYCHO küi METALLICS | スタジオラグ
では収録各曲について、曲解説をお願いできますでしょうか。1曲目「BREAK」はインストですが、敢えてインストをド頭に?
佐藤:アルバムを通して、「IS (not) DEAD」というタイトル通り、「生きる・死ぬ」みたいなことを歌っている曲が多くて、「BREAK」というのはめっちゃ簡単に言うとテクノブレイクってあるじゃないですか。いわゆるセクシャルな死に方みたいな、について書いた曲です。3拍子と4拍子の繰り返しなんですけど、ちょっとそういうセクシーな雰囲気が出たらいいなと思って。テクノは個人的に好きなので、テクノっぽい加工の仕方をしています。
サイコキの曲の中にはインスト曲も結構あるのですか?
佐藤:なくはない、くらいですかね?そこまでは多くないです。
2曲目がアルバムタイトル曲でもある「IS (not) DEAD」です。
佐藤:この曲が 出来た時、やっぱりアルバムの方向性はこう行こうと思いましたね。このアルバムは全体的にHIROCKがしんどい時に作ったんで、俺の色合いが濃いんですよね。シリアスなことが多くて、「IS (not) DEAD」もそういう感じで、ホンマにしんどい時に書いた曲。歌詞も一番は俺が書いてんのかな?
HIROCK:「IS (not) DEAD」はウチもプレッシャーやったんですよ。レコーディングしたんも一番最後やって。この歌をこのタイトルで大層に歌うことはすごいプレッシャーやったんですよ。自分達を認めて、自分達は何かというのを書いていかないといけないし、結局は自分との闘いやし、佐藤翔との闘いやったんで。そこは、絶対負けられへんって思ったんですよね。一番しんどかったです、この曲書くのは。タイトルもすごい大袈裟なこと言ってるような気もするし。けどそれに見合った内容にしないといけないというのもあって。結局歌詞は一緒に書いたんですよ。アンサーソングみたいになってて。佐藤が思っている自分、佐藤になってもらいたいHIROCKというのをイメージして書いたんですよ。
佐藤:作る曲は歌詞のイメージみたいなのはざっくりはあるんですけど、基本的には見せないんですよ。自分の中でこうしたい、というのがあって、でもそれを見せるとそうなるんで見せないんですけど。今回のアルバムはHIROCKがしんどい時期というのがやっぱりあって、HIROCKが歌うこと前提に俺が歌詞書いてる曲が結構あったりします。この曲もそのパターンで。
HIROCK:お互いがお互いをイメージして歌詞を書いたんやと思います。こんなん書いたら多分嬉しいやろうなと思って書きましたけどね。それが結果的に良かったんですよ、バンドっぽくなって。これはこのメンバーじゃないと出来ひんかった曲やなと思ってますね。
佐藤:意味合い的にはサビで言っているように、痛みとかがあること自体、感じてること自体が生きてるって言う意味じゃないのか、それが生きることじゃないかっていうことですね。音的には割とメタルっぽい雰囲気かな。
HIROCK:LUNA SEAぽい。
佐藤:ギターソロはLUNA SEA(笑)サカモスにLUNA SEAと同じディレイ掛けてって(笑)
3曲目は「それだけで」、これはis not remixの曲ですね。
HIROCK:これは歌詞は私が書いてるんですけど、曲は佐藤さんが書いたのと、たまたま3拍子になった曲やね。
佐藤:これはドラムがリンリンの時にあった曲で、リンリンがよく分からん理由でサビが3拍子やったんですよ。逆に3拍子いいやん!ってなって、サビが3拍子の曲になりました。レコーディングは結構難航したな?4拍子から3拍子に切り替るとこがあって、それが2・3なんですよ。5拍子になってるんですけど、俺の中では2/4と3拍子なんですよ。その解釈がめっちゃ揉めて(笑)
HIROCK:それのおかげで歌詞は書きやすかったんですよ、この曲は。窮屈なとこからトンネル抜けたみたいな気持ちなんですけど、外に出る感覚があるじゃないですか。歌詞もそのまんまなんですよ。誰かを好きになることってすごい苦しいんですけど、すごい窮屈やのにすごい解放されるような。曲があったから出来た歌詞なんかなと自分的には思ってるんですけど。
佐藤:今までは、「これこれこういう理由で好き」「これこれこういう理由で嫌い」っていう歌が多かったのに、この曲の歌詞上がってきた時に、「これこれこうやから嫌い、だけど好き」みたいな「それも含めて好き」みたいな意味合いがあって、いままでと逆やなぁと思って。
HIROCK:よく分かってんなぁ、、
佐藤:新しいことするようになったんやと思いましたね。
HIROCK:謎の上から目線で言われました(笑)
では新境地な曲、ですね。
佐藤:歌詞的には。
HIROCK:本当に愛してる人がいて、それやし書けたんですよ。
佐藤:結構面白いアレンジやと思うんすけどね。皆どう思ってるんやろな?
HIROCK:今回のアルバム歌詞が重た過ぎて、皆重いと言ってるけどな。
4曲目が「君をさがしてる」、これは爽やかな曲ですね。
HIROCK:これは佐藤さんの曲なんですよ。歌詞も佐藤さんがほとんど書いてるけど。
佐藤:もう投げて、こういう感じやと。でもなかなか伝わらへんくて。
HIROCK:レコーディングして、4ヶ月後くらいにやっと歌詞の意味分かりました。
佐藤:HIROCKの中でラブソングやと思ってたらしくて。違うって言ってるのに、それが分からへんみたいなこというから。小学校から幼なじみの友達が結婚した時に、写真をね、通学路とか遊んでたところとかばーっと回っていっぱい写真撮ってきて、それをあげたんですけど、その写真を見た時に気持ちが残ってたんですよ、その風景の中に。それを探してしまう自分がいて。そういうことを歌ってて。恋愛じゃなくて、「君をさがしてる」というのは、そういう前のみたいな(笑)そういう爽やかな気持ちっていう歌なんですけど。
HIROCK:うちは知らず知らずに恋愛やと思ってレコーディングも録ってしまったんで、ちょっと恋愛ぽくなってしまってるんですけど(笑)ウチが恋愛してもこの気持ちにはならんから、分かれへんって話をしてたんですよ。めちゃ喧嘩しましたね、この曲は(笑)
佐藤:音的には空間とかはすごい意識しましたね。この曲の音圧に合わせたくらいですね、他の曲の音圧も。かなりこのギターの空間のセレクトはこだわりがあって、めっちゃ綺麗に鳴ってると自分では思うんですけど。奥行きがあって、クリアで。音圧どこまで上げるかって話になった時に、1回目は最近のバンドやったらこれくらいは上げるところまで上げて、そしたらベタベタになるから、ちょっと嫌やとなって。もうちょっと大事に奥行きがあるような感じにしてほしい、この曲だけでもって言ったんですけど、この曲だけ下げたら他と音量差が出るから全部下げなあかんってなって。それでもいいよ、くらいの曲です。
たしかにギターの音すごく綺麗に鳴ってますね。
佐藤:自分の中でもかなりいい感じに録れたなと。
HIROCK:私はこの時一番最初のレコーディングやったんで、このアルバムの中では。一番キツかった時ですね、逆に言えば。
佐藤:病気がちょっとしんどかったんやな。
HIROCK:一番しんどかった時なんですよ。声も全然違う、これは。
ガラッと雰囲気が変わって、5曲目が「LOVEちょな-ゥ★」。
HIROCK:これはもう、聴いたまんまなんで(笑)
勝手にラモーンズへの愛を感じましたが(笑)
佐藤:元はと言えば曲は俺が書いてるんですけど、最初書いた時に、ガールズ系のパンクバンドっているじゃないですか。それ系のバンドって、コール&レスポンスとか振りとかめっちゃ多くて、俺実はそれめっちゃ好きじゃなくて。けど、やった方がいいよというのを言われてて。じゃあ、やろうかと。皆めっちゃ甘い感じのメロディにポップな感じの曲調でコールアンドレスポンスをやるから、面白んないと思って。じゃあゴリゴリのメタルでやったろかなと思って。
HIROCK:マキシマム・ザ・ホルモン的なね。
佐藤:俺の中では、メタリカとかメガデスのイメージでやったろかなと思って書いたんですよ。歌詞は、、めっちゃぶっ飛んでてびっくりしましたけど(笑)
HIROCK:ウチが歌詞書いたんですけど、いつもブログに書いてる内容を書いただけで(笑)曲タイトルだけ先にあったんですよ。それはウチのブログタイトルで、そういうことか!と思って書いたらめっちゃびっくりされてるんですよ、皆に(笑)
サイコキらしい個性に溢れた曲だと思いますが(笑)
佐藤:ギターの録り音はすごい好きですね。
HIROCK:オケはめちゃかっこいいですね。ウチの中でこれが評価されているのは結構辛いです。
佐藤:この曲はゆうが5弦ベースを使ってるんですよ。だから結構効いてますよね。ヘヴィな音になってますね。
HIROCK:ゆうちゃんこだわりのベースラインのやつやな(笑)
次の曲がまたインスト曲の「sound-zoo-river」です。
佐藤:これは「三途の川」と読むらしいんですよ。
あー!なるほど!
佐藤:もう解散してるんですけどCHICK-CHICK FOR PEACEというバンドがいて、そのバンドと僕らすごい仲良くしてもらってて、そこのリーダーのMASAKIさんて言う人がいるんですけど、その人達に呼んでもらって俺ら関東とかでツアーできるようになったくらいの、ホンマにお世話になった人なんです。チキチキが終わってからも、何かやりたいなみたいな話をずっとしてて。MASAKIさんが自分一人の活動を始めはったタイミングやって、良かったら聴いてみたいな感じで、その時にめっちゃいいんじゃないですかみたいになって。じゃあ次アルバム出すんですけど、真ん中に繋ぎを入れたいなと思っててって言ってて。1,2分くらいの曲を考えてるんですよって。じゃあやるやる、って言ってはって。じゃ、やってください!ってなって。完全に自由にやってもらってます。
じゃあこの曲はMASAKIさんの曲なんですね。
佐藤:ほぼ100%そうですね。最初ギターだけ録ってギターと川の音だけ流して投げたんですよ、向こうに。この優しい感じで1,2分の曲が欲しいんですよって投げて、返って来たやつが最初の前半部分やったんです。やりとりしてるうちに、MASAKIさんが、後半に向けてどんどん派手にしていって盛り上げていくんとかよくない?って言われて、それめっちゃいいですね!ってなって、その感じで「HOLIC」次の曲に挿すんで上手いこと流れるようにしてくださいって感じで。
なるほど!それで後半カオスな感じになっていくんですね。
佐藤:タイトルとかも全部任すんでって言って。俺はアルバムの真ん中に川が流れている感じがいいなと思ってそれだけ投げたんですけど。その線超えると死ぬよっていう川じゃないですか、三途の川って。「IS (not) DEAD」に対してなんですよって言ってたから、意識してそういう風に返してもらって。
つなぎもめっちゃかっこいいですね!そこからつながる「HOLIC」、リズムやテンポが心地いい曲ですね。
佐藤:これはディスコ的な。
HIROCK:この曲と「それだけで」が繋がってるんですよ、ウチストーリーの中で。曲のグループがあるんです。「アイル・ビー・全部」と「ずっと変わらないと」は繋がってる、むしろ一緒みたいなところはあるんですけど、「それだけで」と「HOLIC」はウチの中で繋がってるんですよ。主人公が同じ人なんです。「いつか死んでもいい日が来る」も同じ人。
佐藤:ホンマはダウンロードは「それだけで」のところで「L.O.V.E.ちょな-ゥ★」にしようかと思ってたんですよ。でも「HOLIC」が予想以上に皆に好評で、好評のされ方が今までやったらかっこいいとか面白いとかポップとかそういう言い方やったんですけど、センスある!みたいな言い方されて(笑)前からあるし!と思って(笑)何かそういう言われ方されるようになったから、次「L.O.V.E.ちょな-ゥ★」は違うかなと思って。「それだけで」にしようか、あっちの方がそれっぽいし、みたいな。
HIROCK:ちょっとシリアスなとこ見せていこう、みたいな。この「HOLIC」は一番反響のある曲なんですよ。一番人気級。
佐藤:分かりやすいし一番まとまりがあるし。狙ってるところもあるし。
HIROCK:あと当時ね、「HOLIC」っていう漫画があって読んでたんですよ。主題歌がBUCK-TICKなんですけど、BUCK-TICKはあまり知らなかったんですよ。その「HOLIC」っていう漫画をイメージして書いた部分はあるんですよ、正直。世界観にすごいハマってしまって。BUCK-TICKも同じような曲書いてて、ヴォーカロイドになってるんですけど、そこではこの曲はBUCK-TICKのパクリと言われてます(笑)けど、これきっかけでBUCK-TICKとウチは似てるということに気付きましたね。
佐藤:きよたき曰くサイコキは似てるらしいんです、よく分からないですけど。
HIROCK:ウチは櫻井敦司さんに似てると思ったんですよ、それがきっかけで。BUCK-TICKにインスパイアされたというのは、本当にあると思います。主題歌やったんで。
佐藤:アルバム通してなんですけど、俺の音楽の中でリズムっていうのはすごい大事なんですよ。いいバンドってリズムがいいんですよ。どんだけテクニックがあっても、リズムがよくないとやっぱ聴けないというのがあって、ベースとドラムの関係性とかすごい大事にしてるんですよ、いつも。技術的なことよりもそういうところがレコーディングの時にも言うこと多くて、これはやっぱりディスコやから、踊れるリズムやないとあかんつって。ヘヴィなサウンドなんですけど、でもやっぱ踊れなあかんし、それじゃ踊れへんとかめっちゃ言って。ベースもファズ踏んでるし、ベースリフの曲ですよね。ギターは割と重なってますね。常時4,5本とか。シンセサイザーとかも初めて使ったりしましたね。