スペシャルインタビュー my-Butterfly 5/6|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
my-Butterfly | スタジオラグ
阪本とは古くからのお知り合いですか?
Tac:なんだかんだ古いですね。
阪本:2009年とかにバンドで対バンしてますね。
当時からバンドマンとしてじゃなくエンジニアもやっていることは知ってらしたのですか?
Tac:やってるみたいな話は聞いてましたね。
阪本:それから自分のバンドが活動休止でもないし解散でもない、すごい宙ぶらりんになってしまってバンド活動してなかったんですけど、回りのバンドのライブに遊びにいったりしていて、Tac君とたまに会って「音源作ろうよ」みたいな話になって。
Tac:制作する前から「こんな音がいい」だの「あそこの盤のドラムの音がいい」だのそんな話を結構していて。その段階でコミュニケーション的な部分が僕の中では出来てたんで、話早いなと。ぱっと見僕ら4人が並んだ時、ビジュアル的にはやっぱりChiakiに目が行きがちになるだろうし、間違った印象というか、「このバンドやったらこの感じかな」みたいな印象を持たれた上で仕事することも無いとは言い切れないじゃないですか。それだったら最初から知ってる仲で、たまたま阪本君が技術もあって、頭も切れるという部分がすごく大きかったですね。人間的な部分で一緒にやることができて、すごく良かったです。阪本君がいなかったら楽曲の形も若干変わってた部分はあると思います。大きな影響を与えてくれています。
阪本:高速でボタンを押して。
Tac:チョコレート片手に(笑)
実際に仕事をしてみてエンジニア阪本はいかがでしたか?
Tac:センスがいいですよね。僕らが意図することろを察してくれるというか、意図を汲んでくれた上での解決方法だったり処理方法だったり。プレイヤー目線では分らないこととか。逆に僕が描くクリエイティブな部分でのビジョンを語った上で、その意図も汲んでくれるんで、相性という部分ではもう今後他のエンジニアとは仕事できないかもなんて思っています(笑)
Ryota:Tacはうちのプロデューサというか一番考えてやってるじゃないですか、こんな風にしようっていうアイデア一番出すし。ベースを録る時Tacが丁度作業に追われてて居なくて、僕はTacが居ないから逆に自由に弾けるわと思って弾くんですけど、「どうなんやろ?」って思う時は阪本君にすごい相談するし。「こんな感じでいいんちゃうの?」みたいな。Tacが来るまでにさっと終わらして後はもう任した!
Tac:エンジニアさんもやっぱり人間だからエンジニアさんの趣味趣向も入るじゃないですか。そこも、良くも悪くも似通ってる部分があるから、そういう意味でも話は早いですね。
阪本君としては?
阪本:録音制作物はそのバンドの作品でもあるんですけども自分の作品でもあると思うので、自分の作品リストに含まれる作品としては、やはり自分の好きな音楽を作りたいじゃないですか。そのバンドの作品であってほしいとは思うんですけど、そのバンドの作品を自分が好きになってもっと自分の好きなようにできればそれがいいじゃないかっていう発想で。どんなバンドでもしっかりコミュニケーションとるタイプのエンジニアだと思うんですけど、自分としては。結構言ってるし言われもするかな。「もっとこうした方がいいんじゃない?」とか、フレーズの中身とか音色も結構言ったりするし。ノリがどうだとか、ここはこういう系のフレーズが欲しくない?とか。それは言い合える仲だからと思うんですけど、大体どんなバンドであれ、そういう風なところが多かれ少なかれあって。自分がやりたいようには出来なかったとしても、それでもやっぱり自分が手がけたからにはいいものになって欲しいなというのはあるし、それがいいものになるために自分がこうなったらいいのに、というのを伝えるべきだと思うし。それがバンドの意図と違ったとしても、一つ別の視点を与えられている。こういう考え方もあるけどどうですか?とサジェストして、バンドからしたらその意見を聞くことによって、違うなと思ったとしてもそういうやり方もあるんやっていうのが選択肢としてそのバンドに生まれるだけで、またちょっと違う、次回作であったり先の制作にプラスになるんじゃないかと思って。基本的にはそういうのは絶対言うようにしてます。
今回の作品においても、阪本君としてやりたいことは出来た?
阪本:自分の思い通りかと言うと、自分の思い通りではないです(笑)。Tac君の思い通りになればいいっていう。Tac君がやりたいこと、バンドがやりたいことっていうのを理解した上で、自分が理解したその形をそのまま表現するって意味では、自分の思い通りにはなっています。
自分の手がけた作品として、満足度は高い?
阪本:前作も今作も密度が濃いですから、色々と。トラック数も多いですし。とにかく密度が濃いので、そういう思い入れとかはありますね。
エンジニア視点から、前作今作と手かげて、その間の変化は感じましたか?
阪本:リズム隊が良くなった、バンドにアジャストした感じ。特にHiko君のドラムは前よりロックドラムになったよね。ベースはHiko君が変わればすごく変わるから、リズム隊がとにかく良くなった。楽曲的には前作は自分の知っている曲だったというのもあって、イメージ出来ていた部分があったんですけど。
Tac:今回書き下ろしやしね。
Ryota:むしろ出来上がってなかったもんね。プリプロしながら録ってた感じで。
Tac:僕の頭の中にしかなかった。
Ryota:現場でどんどんコードも変わっていくし、キメも変わっていくし。「ちょっとご飯食べてきます」って戻ってきたらキメ変わってたり(笑)
それが「事件」の一つですね(笑)他の「事件」は?
Tac:一番大きいのは歌詞ですね(笑)
阪本:歌詞が録りの段になって7割ボツっていう(笑)どこかで心変わりが起きたのか分らないですけど、さあ来ました録りましょうという段になって7割ボツ。テーマがテーマだけに必死で脳みそ絞りましたよね。
Tac:の割りにはChiakiもいいテイクを重ねられたよね。
阪本:グッドパフォーマンスだったと思いますよ。
Tac:今回は追い込まれた時に生まれたいい感じ、そういう意味でのエモさはいい影響を楽曲に与えたと思います。この机の上で4時間くらい歌詞が180度変わったんで(笑)