スペシャルインタビュー モーモールルギャバン 6/10|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
モーモールルギャバン | スタジオラグ

【新譜『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』】

苦悩苦悩3ヶ月、プリプロ3日、レコーディング1ヶ月

それでは、新譜についてお聞きしたいと思います。3月21日に待望のニューアルバム『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』がリリースされますが、現在の心境をお聞かせ下さい。
ゲイリー: そうですね、ツアーでバッタバタしているので…中々そういうドキドキに浸る間もなく…ただただ、“死刑台に向かう死刑囚”のような気分でその時を待ってました…。…でも、やはり全力で作ったのでみんなに聴いて欲しいという気持ちでいっぱいですね!
ユコ: アルバム発売に関してはすごく楽しみでした。早くみんなに聴いてもらいたい♪
先行曲「サノバ・ビッチェ」を拝聴させて頂きました。こんな言い方は失礼かもしれませんが、非常に中毒性が高い仕上がりになっていますよね。…プリプロ3ヶ月、レコーディング2ヶ月とお聞きしてますが。
ユコ: 苦悩3ヶ月という感じですけどね、プリプロというか(笑)
ゲイリー: …苦悩苦悩3ヶ月、プリプロ3日、レコーディング1ヶ月の間違いじゃないですかね?(笑)
モーモールルギャバン | スタジオラグ
それだけ綿密に練られた作品だということですね!
ユコ: 今までの中では一番、準備はきっちりした方かな?…今までと方法論が全然違って…。今までは、ある程度形になったものをレコーディングでは録るだけというやり方だったんですけど、今回は録りながら作ったような感じでした。
新たな試みでもあったわけで!…全曲録りおろしなのでしょうか?
ゲイリー: 昔作った曲も一応二曲程入ってますが、音源化するのは初めてですね。…『カレカノ』って昔、コンピレーションアルバムにギターがホワイト版で入れたんだよね。。
ユコ: そうだよ!『Donca』でしょ?
『Songs For "Donca3!!"』の四曲目に『彼と彼女の日常』が収録されてますね。
T様: あの高値になったやつ?
ゲイリー: そうそう、ヤフオクで高値になったやつ!
ユコ: ホントー!?家に『Donca』あるかも♪(笑)
ゲイリー: ちゃうちゃうちゃう、ミニアルバム『ユキちゃん』のおまけで『Donca』のCD付いてるやつが!…最近、結構高値で取引されてました。…ヤフオクで(笑)
ユコ: マジでー!?…他に何かないかな?(笑)
(笑)

上手く行かなかったというトラウマがあるから今の自分がある

数々の苦悩を乗り越え作られたこの新譜、どのような作品に仕上がっているのでしょうか?
ゲイリー: いやぁもう…ストレートに…ストレートにロックです!
ユコ: テーマは“直球投げろ!”だったんです!!
ストレートに自分達の音楽を表現した、と。…タイトルにも深い意味合いを感じますが、どのような意味が込められているのでしょう?
ゲイリー: そうですね……“道無き道をこれから歩いてゆく、、真っ暗闇な中をね…。それでも頑張って生きてゆこうよ”……そんな意味が込められています。シンプルに。
なるほど…。…“若さ”という言葉もキーワードだと思われるのですが、いかがでしょう?
ゲイリー: もうあんまり若くないんでね(笑)そろそろちゃんと若者目線でストレートに歌っておきたかったんです…。
ユコ: でも“若さ”と言っても、そういう本当に若い…所謂「年が若い」って意味だけでもないんじゃない?
ゲイリー: まぁ、ちょっとオッサンになったから分かる“若さ”の本質みたいなもの、ですかね。
ユコ: …情熱的な何か、みたいな?
ゲイリー: う~ん、それもあるし…。…自分が“若さ”を語るにはそろそろ厳しくなってくるわけですよ、32・33にもなると。だから31歳の今のうちに“若さ”を叫んでおく、という意味があり同時に、31歳の今だからこそ「ああ、22の頃はああだったな、24の頃はああだったな…、…28の頃はああだった、、あぁ、なるほど…“若さ”というものはこういうものなのかな…」という、何となく漠然とした20代の総括みたいなものを自分の中に感じたんです。…「“客観的に見た若さ”と“主観的に見た若さ”の両方が上手い具合に出せるのって、もしかしたら30・31歳の今なのかなぁ」という思いを漠然と感じたんですね。
なるほど。では、ずばり“若さ”とは?
ゲイリー: そうですね…若いって基本的に“残念な事”ですよね…
ユコ: ええー、そんな事ないよー
ゲイリー: 特に男にとって。男の“若さ”は基本的に“残念な事”です。
ユコ: ああ、男の人ね。。男の人はねぇ…。…女の人の若さは私好きですけどね、…“良い年の取り方してる人”って自分の中の“若さ”を上手く保っている人だと思うんです。女性目線で言うとね。
T様: そうですねぇ…あ、でも残念は残念ですね…
モーモールルギャバン | スタジオラグ
(笑)
ゲイリー: ホント若い男って残念だと思うなぁ。。(笑)…だってさ、高校生の時に戻りたいと思わないもん。
ユコ: ホント?うち、戻りたいよ?高校生の頃はちょっと…不発弾みたいな感じだったからね(笑)
逆にやり直したいとか思わないのでしょうか?
ゲイリー: ダメですよー、高校時代を30歳の感覚でやり直しちゃ!そんなの絶対全てが上手く行くに決まってるじゃないですか!!上手く行かなかったというトラウマがあるから今の自分があるんじゃないですか!!
ユコ: そうだよねぇ、それはあるね!…あの頃もうちょっと青春しておけば良かったと思って大学で青春したもんねぇ。
ああ、なるほど!…残念だけれども、その“残念”という“若さ”あったからこそ、今の自分があるというわけですね!!
ユコ: やっぱり“燻っていた時代”というものは、あった方が絶対良いですね。
ゲイリー: …まるで今が燻ってないみたいな言い方だな(笑)
(笑)
ユコ: あの頃さ、「寝暗だったなぁ」とか、「もうちょっと友達いっぱい作っとけば良かったなぁ」とか、そういうのがあったから今「頑張ろう!」って思えるよね。
そうですね、今の自分が残念にならないように頑張れるようになりますね!なるほど!!

“背伸びもせず出来る事をきっちりやる”という目標がありました

今回のアルバムの曲を聴いていると以前より落ち着いて聴けるという印象を受けたのですが。
ゲイリー: …年食ったのかなぁ(笑)…でも、暴君という人が意外と激しい曲をあまり好まない方なんです。…それにユコさんも落ち着いたものが好きですし、僕も昔は「ドッパン!!!ドッパン!!!ドッパン!!!ドッパン!!!」みたいなドラムしか叩けなかったんですけど、最近は「ドッ、パン!ドッ、パン!ドッ、パン!」というのも、ちょっとずつ叩けるようになって来たんですよ。
プレイに艶が出て来た感じですね。
ユコ: なんというか、突っ込んでいく音楽も好きですし楽しいんですけど、やっぱり「残るビート」というもののカッコ良さというのが自分の中ではブームかもしれないです(笑)まぁ、『野口、久津川で爆死』っていうアルバムがもう勢いしかないものでしたから…。またそこをなぞっても発見が無いというか(笑)
ゲイリー: だからライバルは黒人のドラマーです!…すいません、そんな全然考えてないですけど…。ただ一応、毎日マイケル・ジャクソンとか聴いて「この8ビートのこの感じが出せたらカッコ良いんだけどなぁ」って研究してます。…新譜の中の『午前二時』とかは、ホントに8ビートだけで頑張って勝負したんですよ。それは初めての試みなんですね、自分の中で。…結構黒人さんの音楽とか好きなんで、そういうカッコ良いグルーヴが出せるところまで行きたいんですけど、なんせスキル追いつかなくて…。…今まではバカで誤摩化すような事をしないと持たなかったんですよ。
ユコ: 今回は本当に「等身大のロックを」というテーマだったんで、“背伸びもせず出来る事をきっちりやる”という目標がありました。
そのようにメロディーもリズムも洗練されて来た『モーモールルギャバン』さん、歌詞の方もやはり大きな魅力だと先程もお話しましたが、あの歌詞はどのようにして生まれて来るのでしょうか?
ユコ: 歌詞も今回は…感情的かな…。日記を読んでいるようなスタイルで…。
ゲイリー: そうですね、今までは良くも悪くも“サービス精神旺盛”というか“露出狂”というか…。…「パンティが好き」という気持ちを歌うだけなのに、「なんで頭に被って自転車まで盗まにゃイカンの?」みたいな。そういうサービス精神過剰な歌詞ばかり書いていたんです。でも今回はそうじゃなくて「もっと良い曲作ろうよ、良い曲でモーモールルギャバンにしか書けない歌詞書こうよ」という感じになって…ま、それが一番難しいんですけどね。
個人的な意見ですが、今までの過激さというものは抑えられた歌詞なのに、“やっぱり『モーモールルギャバン』だ”という印象は受けました!
ゲイリー: そうですね…「あ、俺達意外と直球な事やっても自分達らしさって残るんだ」というのは発見でした。
ユコ: 最初に「直球ストレートなロックをやろう」となった時、イメージしていたのは“もうちょっと真面目な”というか、“カッコ良い感じのロック”になるのかなと思ったんです。…でも、蓋を開けてみるとやっぱりこうなっちゃいました(笑)「あれー??」って…まぁ、それは良くも悪くも個性なんだなって(笑)
ゲイリー: ユコさんの作詞とかヒドイですよー(笑)
ユコ: 私、今回、作詞がんばりました!
(笑)