スペシャルインタビュー モーモールルギャバン 7/10|スタジオラグ

スペシャルインタビュー
モーモールルギャバン | スタジオラグ

【各曲解説】

それでは、曲解説等をお願いしてもよろしいでしょうか?

●Tr.01『スシェンコ・トロブリスキー』

ゲイリー: この曲はですねー、…そもそもアルバムの締切が最初12月いっぱいだったのが1月15日に伸びたんです。そしてその後、1月31日までに伸びて…。その31日を過ぎると契約違反で訴えられるという日だったんですよ。
T様: 本当のデッドラインだったね。
ゲイリー: この曲は1月29日に完成しました(笑)
ユコ: 1曲目ですけど最後にできた曲なんです(笑)
ゲイリー: まず、僕がギターの弾き語りで大体の骨組みとメロディーを考えて、ある程度の歌詞や世界感を作るんですけど、それに合わせてアレンジを考えていたら「このメロディ合わねぇな…」となって。
ユコ: すごくパワフルで良いトラックが録れたので、「それじゃ、メロ乗せてみよっか」となった時にメロが弱かったんです。「なんか…合ってないね…」ってなっちゃって。…それでメロを書き直そう、と。
ゲイリー: ついでに「歌詞も書き直そう」ってなりました。
想い出深い曲ですね(笑)

●Tr.02『サノバ・ビッチェ』

ゲイリー: これも完成したのが1月25日だったかな?これもメロディー書き直して…(笑)
こちらは先行発表曲になってますね。その理由は?
ゲイリー: まぁ、ここ最近のPVを作った曲が結構メロなものが多かったんですね。
ユコ: 『ワタシハワタシ』『悲しみは地下鉄で』…『地下鉄』は映画になって…その後『Good Bye Thank You』と。
ゲイリー: その間に『Hello!! Mr.Coke-High』もあったよ。…その辺の結構メロな曲が多かったんで、「モーモールルギャバンはもう『野口』の頃のようなバカな曲はやらないのか!」っていう思いがあったんです。…別に避けているわけじゃないんですけどね…。僕達だってバカな曲は好きだから。…「じゃあ次これやろうか」って事で、多分このアルバムの中で一番分かり易くバカになるであろうと思っていたこの曲をリードにしました。…個人的にはどれをリードにしても良かったんですけどね(笑)

●Tr.03『MY SHELLY』

ゲイリー: 『MY SHELLY』はねぇ…良い曲ですよね。…これは珍しく僕が書いた歌詞を、最初から最後までユコさんにもプロデューサーにもダメ出しをされなかったんです。多分、今回のアルバムで唯一僕がマクドナルドで書いた歌詞が、全て一字一句違わずに採用になった曲です。
マクドナルドで書いてたんですか(笑)
ゲイリー: はい、マクドナルド大手筋店で書いた曲です。
ユコ: 近い!知ってるよ、そこ!みたいな(笑)

●Tr.04『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』

ゲイリー: これもね、実は大手筋のマクドナルドで…(笑)…今回は結構、僕の歌詞が比較的採用になってるものは、マクドナルド発が多いんです(笑)…大阪の『OTODAMA~音泉魂~』っていうフェスが台風でおじゃんになっちゃって、その次の日くらいにヤケクソで書いた歌詞です。…「台風が来た、全てが変わる…変わらない事を望む、でも人は変わるぅ!」って泣きながらね…。…あの“股間強打事件”の後、ようやくたくさんの人の前で「ゲイリー・ビッチェふっかぁぁぁつ!」ってライブできると思ったら、台風でおじゃんになって「ふざけるなー!!」と。でも「台風が来た~、全てが変わる~♪」って書いたら、ユコさんに「“台風が来た”…気に食わない」って…
ユコ: 「アホか!ちゃんと考えて!」って電話しました。
ゲイリー: 冒頭と他、ちょこちょこ変わったんです。まぁ、でも9割5分くらいは僕が書いた歌詞が採用になりました。…マクドナルドで若者達を見ながら「ああ、おめぇらバカだなぁ…I Love You♥」って思いながら、書いた歌詞です(笑)

●Tr.05『いつか君に殺されても』

ゲイリー: これは27歳くらいの時に作った曲なんですよ。三人に成り立ての頃だから2008年にできた曲ですね。…この度、発音源化となりました!

●Tr.06『午前二時』

ゲイリー: 僕が作っていた段階でメロディーの雰囲気から、ユコさんが歌うんだろうなと思ってました。「歌詞、こんな感じでどう?」ってサイゼリヤ会議をしたんです。伏見店でスタジオ練習終わってから、すぐ近くのね。…その頃、僕は色んなサイゼリヤに行って、色んな所で作詞していたんです。“ワインを飲みながら赤裸裸な言葉を綴る…”という感じで。それで、一人で泣きながら書いた歌詞を「ユコさん、どう?」って訊いたら「…うん、サイゼリヤで安いワインを飲みながら書いた歌詞の香りがする。…ダメだよ、矢島君。せめてボトル1本1,200円くらいのワインの香りさせて」って、半分くらい直させられました。
ユコ: 1,400円のワインだよ(笑)…無言でピーって消していったよね。「もうちょっと大人の女にして」ってwww
結構辛口なんですね(笑)
ユコ: めちゃくちゃ消しますねー(笑)大体、女の人の歌を歌ってる時っておかしいんですもん。「こんな事思わないから、女の人は!」って事書くんで、ピーって消します。それで「あたしが書く!」って(笑)
そして女性らしい曲になっていくと(笑)
ゲイリー: まぁ、あれは半々くらい…意外と僕が書いた部分も残っていました。

●Tr.07『J・O・E』

ゲイリー: 『ジョー』と読みます。この曲はもう「大地の鼓動」系の曲にしようという予定だったんです。…ユコさんがどんな歌詞にしようかと悩んでた時に、僕がちょっとナヨっとした歌詞を書いたら、、
ユコ: 「ダメだよ、女々しーーー!!!」
ゲイリー: 「“悲しい男”で始めるんだったら、“悲しい男が盗んだバイクでハイウェイ・ランナウェイ”くらい書かなきゃダメだよ!!」と、ユコさんにポッと言われて「…面白い、それ、採用!」と(笑)そしてさらに「その後に“捕まえてみろ、俺はチーター”って入れてみる。スケール感ってそういう事なんだよ、矢島君!」と。じゃあ、「悲しい男が盗んだバイクでハイウェイ・ランナウェイ、捕まえてみろ、俺はチーターだ!」ここから歌詞を書こうという事になりました。。
ユコ: すごく冗談のつもりで、…例えばの話で言ったつもりだったんですけどね(笑)えらく気に入ったらしく、「それを使いたい!」と。「じゃ、そういう曲にする?」って、サイゼリヤで…
またしてもサイゼリヤwww
ゲイリー: …ほとんどユコさんが書きました。8割5分くらい…9割かな!(笑)
ユコ: 増えたねwww

●Tr.08『それは悲しい唄のように』

ゲイリー: これはユコさんが作詞作曲を全部した曲なんですよ。今は亡きペルちゃんという犬を思い描いて。
ユコ: 愛犬というものを通じて、“生きてるとどうしても別れは付きもの”…別れを経験する人達に向けて歌いました!

●Tr.09『彼と彼女の日常』

ゲイリー: これは再録となります。…26歳くらいの時にしょうもない歌作りましたねぇ…。この時は何を思っていたのか分からないですけど、歌詞を見ると「バカだなぁ」と…。…でも、こういう曲って「若いうちにやった方がきっと説得力あるんだろうな」と思ってたんですけど、意外と今やった方が説得力出るんだなぁと思いました。…当時作った音源より断然説得力があるんですね。それは単純にMIXの問題とかもあると思うんですけど、…僕は結構がむしゃらにやるという事しか出来なかったタイプなんですけど………最近、“あの頃の感じを思い出してやってみよう”という、微調整みたいな事が出来るようになってきたんです。その結果、若い頃にがむしゃらにやっていたドラムプレイよりもすごく瑞々しくて。歌も昔は一生懸命ガナって叫んでいただけなんですけど、最近「こう持って行くならここはシャウトだろう、こう持って行くならここは丁寧に歌わないと…」という事ちょっと考えるようになってきたんですね。…意外とこういう“勢いオンリー”みたいな曲も、そういう事考えながらやった方が説得力出るんだなという事に録ってみて気付きました。「あぁ、やっぱり若いというだけじゃ“若さ”は表現出来ないんだ」という事に気付いたんですね。だから、26歳の時に録った音源より遥かに良くなったんだと思います。
この曲は元々アルバムに収録しようと思ってらっしゃったんですか?
ユコ: ん~、パッと出て来たよね…まだ入れてない曲でやりたい曲ってあったっけ?という話をした時に…『いつか君に殺されても』と『カレカノ』かな?みたいな感じで。
それで録ってみたら良いものに出来上がった、と。
ユコ: 当時は嫌でしたからね、私はこの曲やるのが。…でも『彼と彼女の日常』を入れるとなった時に「今やってみたらすごく面白そう!」と思いまして。

●Tr.10『気まぐれのように揺れる世界から』

ゲイリー: 『Hey Jude』みたいな曲が作りたくて作ってみたんですけど、全然そんな感じにはなりませんでしたね(笑)もっとダークで「どうしようもない感じになったなぁ」という事がまずあるんですけど…。…僕、群馬県出身なんですけど、スーパーに行った時に原発事故の影響で群馬産のキャベツが安くなってたんです。すっごく悲しくて「ふざけんなー!!」と、その怒りと悲しみを曲に込めまして…。作っている間は、もう毎日吐きそうになりながら曲を描いていたんですけど、完成してユコさんに「こんな曲作ったんだけど、どう」って見せたら、思いの他気に入ってくれたんです。…そういう事あんまりないんですけど、「あぁ良かった…俺、この曲作るのにスゲェ時間掛かったんだぁ…」「よし、ユコさんがそういうならアルバムに入れるの決定!…じゃあ、詩を書こう」となったんです。でも…もう多分十回くらい詩を書き直す事になって…。全く腑に落ちなかったんですね。そこで軽い気持ちで「ユコさん、試しにポンと思い付いた言葉で良いから、最初の“俺は歌う~”の続きから書いてみてよ」って言ってみたんです。サイゼリヤで。
またしてもサイゼリヤですね(笑)
ユコ: (笑)いつもそこでやってたんです。。
ゲイリー: で、その時は僕が書記をやったんです…「ああ、この手に全てを握っちゃうのねぇ、ハハハハ、なるほどね~」ってワインを飲みながら…
ユコ: うん、単なる酔っぱらいでした。
ゲイリー: 「あ、ユコさん、この流れはちょっと暗雲が立ちこめて来たけど…大丈夫か?ダイジョブかぁ?…おお!そこで満点の星空出て来た~…ユコさん、一筋縄じゃ行かないわね、あなたという女は~」とか言いながら(笑)
完全に出来上がってますねwww
ゲイリー: ワイン飲みながら「もう一声!もう一声!う~~ん、もっとない?もっとない?…ああ、なるほどぉ、いいねぇ~♪」って、すっごい適当に言ってました。ユコさんはと言えば一所懸命頭使って、その瞬間瞬間を頼りにして…。僕も「こいつすげぇな~」と思いながらとにかく書記をしてたんですよ。でも、酔っぱらってるからよく分かんなくなって来ちゃって、その時も書き終えたあと「サイコーだよ!ユコさん、あなたサイコーだよ!!」とか、すごく適当に言ってたんですけど、酔っぱらっててよく覚えていないという…(笑)
(笑)ちゃんと書記はできていたんですか??
ゲイリー: ええ、その程度には理性は保っていて、僕もこの曲を完成させたいという気持ちは本気だったんです。…気持ちは本気だったんですけど、なんせその場で起こっている現象が適当過ぎてたんですね(笑)…ただ、後日読み返してみたんです。「こえ~、読み返すのこえ~」って思いながら読み返したら……「…フ、負けた…」……。「あんた何でこんな歌詞書けるの?」ってメール送ったんです。「うん、だってずーっとそんな事ばかり考えてるから」と。…「俺、こいつ程暗根になれない!この歌詞で完成だよ、この曲!!」と、なりました。
ユコ: 根暗なんです。大体そういう原発事故とかのニュースを見てると常に怒ってますから。…この曲には怒りも込めつつ、でも決してそれを撒き散らすんじゃなくて…“最大限の愛”を持って訴えかけているんです。
これもある意味、自分の思いをストレートに綴ったわけですね。なるほど、熱い!!
ゲイリー: 全曲全く一言で終わらなかったですね(笑)
それだけ、想いが込められた作品なんですね!いや素晴しい!!